JEITA
<組込み系ソフトウェア・ワークショップ2012:資料室>

日本の組込み系開発におけるアーキテクト

〜アーキテクトは何を解決するか〜
■ ワークショップの紹介 ■

ソフトウェア事業委員会/ソフトウェア事業基盤専門委員会主催の組込み系ソフトウェア開発に関するワークショップも、おかげさまで好評のうちに今年で6年目を迎え、今年度も11月7日(水)の午後、AP東京八重洲通りで 「組込み系ソフトウェア・ワークショップ2012」を開催しました。
 日本の組込み系ソフトウェア開発の強みは、擦り合わせによる高品質開発にあると言われていますが、大規模化・複雑化・短納期化・多機種化の潮流の中で、国際競争力を今後維持していくことが難しくなってきています。 このような状況への対処として、欧米流のアーキテクチャ設計の導入・強化が注目されており、そのためにアーキテクトが必要であると言われています。しかし欧米流の手法を模倣するだけでは却って競争力が損なわれる危険性もあり、今こそ日本の強みを生かすアーキテクト、日本の擦り合わせ型開発に合ったアーキテクトを見出していく必要があると考えており、前回のワークショップでは、日本の組込み系アーキテクトとは何かから議論をしました。
 そこで、今回のワークショップでは、日本の組込み系アーキテクトは何を期待され、アーキテクトが何を解決するべきかから始め、ワークショップの参加者とともに日本型アーキテクトについて考えていきます。 このワークショップの成果を受け、自分の所属する会社・組織、製品のアーキテクチャやアーキテクトを考えるきっかけになり、組織・会社の進化、さらに日本全体の成長に寄与できればと思います。
 このワークショップでは、慶應義塾大学の白坂 成功准教授の基調講演を皮切りに、富士通の保土原 行彦氏とセイコーエプソンの萩原 豊隆氏によるアーキテクトの事例講演をしていただき、最後に“全員参加104人ワークショップ:徹底議論!アーキテクトが解決すること”と銘打った討論セッションで、参加者全員の方に自由にご意見、ご質問をして頂き、本音の議論をしました。
 100名を近い出席者全員が参加して一つのテーマを議論する今年の「全員参加104人ワークショップ」は、司会進行役からの設問に対して全員が自分の意見を3色の色紙を挙げて表明し、 近くの机に居合わせた人達がチームとなって一斉に会場全体で議論している様子は、今年も参加者の意欲と意識の高さを感じるワークショップそのものでした。
 当日は70社・団体、96名もの方々の参加となり、 組込みソフトウェア関係者の意見交換・情報交換の場として継続していく重要性を感じつつ、今回のワークショップを終えました。

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