平成25年10月9日 一般社団法人 電子情報技術産業協会 「ITを活用した経営に対する日米企業の相違分析」調査結果の公表について JEITAが日米企業の「非IT部門」を対象にIT投資の意識調査を実施 〜 ITに対する期待や投資傾向の差が明らかに! 〜
そこで当事業委員会では今回初めて、企業戦略を担う経営層や事業部門等の「非IT部門の責任者」を対象とした調査を行い、ITに対する「ユーザとしての期待、評価」を明らかにしました。比較の対象としたのは、IMD調査で世界トップとなった米国です。その結果、両国のITに対する期待や認識に大きな違いがあることが改めて明らかになりました。 今回の調査では、経営者およびIT部門以外のマネージャー職以上を対象にアンケートを実施し、日本216社、米国194社、合計410社にご協力頂きました。 図 1:IT/情報システム投資の重要性 ITがもたらした効果については、日本は「社内業務効率化/労働時間減少(44%)」、「社内情報共有の容易化(41%)」が上位2つであったのに対し、米国は「製品・サービス提供の迅速化・効率化(54%)」がトップ、これに続いて「社外情報提供の効率化、提供量増大(34%)」が2位でした。また、今後ITに期待する効果についても、日本は「社内業務効率化・労働時間減少(35%)」、米国は「製品・サービス提供の迅速化、効率化(45%)」がそれぞれのトップでした。
今後のIT予算についても、米国は80%が「増える傾向」としたのに対し、日本は「増える」が40%、「変わらない」が50%でした。 今後ITに期待する項目については、日米共に従来から変わっていく傾向が見受けられました。日本は引続き「社内業務効率化(35%)」がトップであるものの、「市場環境の変化に対する迅速な対応(32%)」や「意思決定の迅速化(31%)」、「新規顧客の獲得(27%)」、「顧客の嗜好やニーズの把握(24%)」等、「外部への働きかけ」にIT利用する傾向が見て取れます。米国においても「製品・サービス提供の迅速化、効率化(45%)」が引続きトップですが、「顧客の嗜好やニーズの把握(26%)」や「将来の市場動向、トレンド予測(19%)」等が順位を上げています。これらは、ビッグデータやソーシャルメディアの利用が進むことを想起させます。 その一方で、「新規ソリューション」の認知度においても、日米で違いが見られました。クラウドやビッグデータについて、日本は「聞いたことがない/知らない」が20%以上だったのに対し、米国ではすべて1桁台以下でした。 今回の調査結果から、多くの指標において日米の経営者および事業責任者のIT経営に対する意識や考え方の違いが鮮明に浮かび上がりました。日本の競争力強化に向け、今回明らかになった日米の違いを広く共有することは極めて重要であると考えます。 今後、当事業委員会としては、日本企業のIT部門はもちろん、非IT部門に対しても情報提供、提案活動を加速したいと考えます。ユーザ企業や団体と様々な情報提供や公開討論の場を設ける他、JEITAの各委員会からの提言への反映、先行事例の公表、海外視察等を通じて得た知見の公開等、幅広いビジネスパーソンに対してITの価値を訴求して参ります。 調査概要
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