JEITA

<組込み系ソフトウェア・ワークショップ2014:資料室>
組込み系開発の実践的モデリング
〜モデリングはなぜ失敗するのか?〜

■ 講演の概要 ■
会場の様子
会場の様子

講演

開会の挨拶: ソフトウェア事業基盤専門委員会の活動について、ワークショップ2014の狙いと課題認識
基調講演: 実践的モデリング論〜難しいことを考えずにモデリングを実践するには〜
事例講演1: ExcelとEAを駆使したモデル設計現場適用例とMBSE展開に向けての課題--
事例講演2: 組込ソフトの開発現場におけるモデリング事例
各講演の資料はプログラムのページにあります。


1. 開会の挨拶:ソフトウェア事業基盤専門委員会の活動について、ワークショップ2014の狙いと課題認識
ソフトウェア事業基盤専門員会の活動の出発点となった課題認識は、『擦り合わせなるものが日本の開発力の強みと言われているが、急激に増大している開発規模や短納期化の中で、「擦り合わせ」が強みになっているのであろうか』であった。
この課題認識に基づいた2005年度から2011年度までの活動内容の要点と今年度(2014年度)の活動について報告した。
2005年度からの3年間は「品質」をメインテーマに、 2008年度からの3年間は「開発スピードアップ」をテーマにしてきた。 その活動を通して重要であったアーキテクトについて 2011年度から3年間活動をしてきた。
2013年度までの活動での課題やそれを解決するための提言では、「アーキテクチャ設計」が弱く、さらにそのための「アーキテクト」が必要であることをまとめてきた。
そこで2014年度から始まる3年間の活動では、このアーキテクチャ設計でも重要になる「モデリング」をテーマにしている。 このテーマで2014年度から活動を開始し、最初の年度では、モデリングに関するワークショップを初めて開催した。 サブテーマを「モデリングはなぜ失敗するのか?」と題して、モデリングの現状や問題点、そしてその解決法を探ることにした。
以上からこのワークショップをスタートし、開発者視点に立脚して、組込み系ソフトウェア開発におけるモデリングについて、参加された方々との議論の中から明らかにしたい旨が当専門委員会委員長 五味氏より紹介された。
五味氏
JEITAソフトウェア事業基盤専門委員会委員長 五味氏(OKI)



2. 基調講演:実践的モデリング論〜難しいことを考えずにモデリングを実践するには〜
モデルとは
 モデルの例
アーキテクチャとは -目的の一例として-
 ソフトウェア・アーキテクチャの定義
 ソフトウェア・アーキテクチャの私なりの解釈
組込みソフトウェア・アーキテクチャ設計におけるモデル
 視点(View)とは
 アーキテクチャ設計の目的
 事例1: アーキテクトA氏の憂鬱
 組込みソフトウェアの特徴:釈迦に説法ですが
 構造設計の3つの視点(View)
表記法の事例 - 対象・目的に合った表現とは
 代表的な構造の表記方法
 C&Cモデルの現実的な意味
 その他の構造表記方法
 事例2:蜘蛛の巣クラス図
 アーキテクチャ記述としてのUML見直しの動き
 一番のポイント:詳細化構造の表現
 表記法の候補,選択した表記法,視点(View)間の整合
 事例3:本人にしか分からないモデル
 事例4:放射線状のクラス図
 事例5:MDDに向けての注意
 組込みソフトウェアの基本構造
まとめ:モデリング成功のポイント
春名氏
春名 修介教授(大阪大学)



3. 事例講演1:ExcelとEAを駆使したモデル設計現場適用例とMBSE展開に向けての課題
モデル設計に踏み切れない三大要因
プロジェクト実践例紹介
 大規模ソフト開発の悩み
 EA取り込みまでの作業フロー
MBSE適用に向けての課題
 草の根活動の紹介
 競合試験の環境構築
 性能等の見積もり精度
 設計から適切な試験の抽出
 活動ロードマップ
モデル設計現場の課題
 テーブルアクセスにおける機能間の競合
 EAのデータ構造
 施策: ExcelのER図とActivity図を読んでEAに入力するツール
 施策: EAモデルから機能・テーブルマトリックスを出力するツール
 評価
奥村氏石田氏
奥村一幸氏(富士通)石田晴幸氏(富士通コンピュータテクノロジーズ)



4. 事例講演2:組込ソフトの開発現場におけるモデリング事例
私とモデル化技術のかかわり
 T社時代の開発のやり方
 ソフトウェア設計図との出会い
 R社でモデル化技術と出会う
 モデル化と反復開発の導入
 モデル化技術導入の背景
 反復開発が時代の要請だった
 モデリングの工程
 【事例1】 カラーMFPの制御ソフトの全体像
 オブジェクト指向によるモデル化でどこが改善されたか
 【事例2】 カラーMFPの紙搬送制御部分のモデル
 モデリングは誤解されている
 【事例3】 カラーMFPの紙搬送制御部分の固定変動設計とソフト部品化
 【事例4】 固定変動技術を利用した 大規模再利用の基本的な考え方
 モデル化のレベルと開発者の組織
 【事例5】ソフトウェアプロダクトライン開発の導入
 モデル化によるチームの変化
 異質なモデル化に遭遇したことも
モデル化・・・新たな挑戦
 【事例1】板金曲げマシンのコントローラーソフトのモデル化
 【事例1】モデル化と反復開発の適用効果
 【事例2】 自動倉庫システムの課題
 【事例2】 自動倉庫システムのモデル化、課題解決
 モデル化を契機にチームが成長
 ソフトウェア資産を活用した戦略的な開発へ
久我氏
久我 雅人氏(アマダ)


©JEITA,2014