PC修理関連Q&A

PC修理関連Q&A

Q1 パソコンは壊れやすいのでしょうか、購入して半年もたたずに壊れてしまうことがあるのはなぜでしょうか?

パソコンは多数の電子部品を使用しています。
個々の部品には、それぞれに故障に至る確率があり(故障率)、使用している部品の故障率の合計が製品の故障率となります。使用部品が多くなるほど故障率は増え、温湿度等の環境条件により故障率は変わります。また、LSI等は数十万~数千万個におよぶ半導体素子を集積しており、個々の素子自体の故障率は低くても1個の部品としては大きくなります。
パソコンは他の家電製品に比べ、これらの部品を多く使用しています。どのパソコンメーカーも故障がないように多種多様な試験を行って、故障しそうな部品を排除していますが、それでも故障率をゼロにすることはできません。
工業製品における故障率の推移は一般的に下図のようになるといわれています。この図は正式には故障率曲線といいますが、その形が浴槽(バスタブ)に似ていることから、一般にバスタブ曲線と呼ばれています。この図にあるとおり、故障の発生率は製品を使用される期間内で一定ではなく、使用を開始した直後が高くなる傾向があります。

「初期故障期間」
工場からユーザーの自宅までの流通過程での取り扱いといった要因や、量産の初期段階における部品やユニットの品質ばらつき、組立工程における習熟度等が相まって発生する故障です。保証期間は、この時期の故障を保証する意味で設けられています。
「偶発故障期間」
初期故障期間を経て初期故障要因が除去・対策され、品質的に安定した状態に落ち着きます。この時期の故障率は時間と無関係にほぼ一定となります。
「磨耗故障期間」
この期間に発生する故障は、部品・ユニットの寿命等により故障するもので、故障率が時間の経過と共に増加します。

【参考情報】

JEITAでは、使用時間や利用環境等により、「部品寿命は異なる」ということをお客様に正しく理解していただき、パソコンの安全かつ適切な利用を促すことを目的に、「パソコンの有寿命部品の表記に関するガイドライン」(pdf)を2005年3月に策定致しました。加盟パソコンメーカーを中心に本ガイドラインに沿った有寿命部品に関する表記を促し、部品寿命への理解促進、適切な利用環境下での使用促進、パソコン市場の健全な発展に努めています。

「パソコンの有寿命部品の表記に関するガイドライン」(pdf)

Q2 保証期間が1年間なのはなぜでしょうか?

製品が原因の故障の発生率は製造直後が多いため、多くのパソコンメーカーが保証期間を1年としています。1年間は壊れないことを保証しているわけではありません。
ただし、パソコンメーカーおよび販売店の方針によって、1年間以上の延長保証サービス等を提供している場合もあります。

Q3 古いパソコンを修理してもらえないのはなぜでしょうか?

補修用性能部品の保有期間が過ぎた場合等、あらかじめ在庫してあった部品がなくなる可能性があり、修理ができないケースが発生します。各パソコンメーカーにお問い合わせいただき、ご使用中の機器が修理可能かどうかをご確認ください。

【参考情報】

JEITAは、2005年4月(2006年7月改訂)「中古パソコンの安心・安全な普及に関するガイドライン」(pdf)というガイドラインを発行しています。
このガイドラインは、JEITAのパーソナルコンピュータ事業委員会・ユーザサポート専門委員会が調査した「中古パソコンに関わる問題点/懸念事項」を整理した上で、(社)日本コンピューターシステム販売店協会(以下、JCSSA)の小売事業専門委員会、(社)コンピュータソフトウェア協会(以下、CSAJ)(旧(社)日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会)とも連携を図り、ユーザーの視点に立って中古パソコン市場での各プレーヤ(「パソコンメーカー」、「中古パソコン販売店」、「ユーザー」)が理解し、配慮して欲しいことを取りまとめたものです。
このガイドラインは、前述の通り、「中古パソコン」を中心にまとめたガイドラインですが、製品の耐用年数について言及している部分があり、加盟パソコンメーカーに対して、「パソコンメーカーが出荷するパソコンのモデルには、特定企業向けの特別モデルも多数存在するが、少なくとも一般市場向けに出荷した代表的なモデルに関しては、修理に関する目安を得られるように、発表年月、発売年月、補修用性能部品の保有期間あるいは保守サービスの終了時期等の情報の一部をホームページ等で検索できるように配慮する」といった依頼を行っています。

「中古パソコンの安心・安全な普及に関するガイドライン」(pdf)

Q4 保証期間内でも修理が有償になることがあるのでしょうか?

次のケースでは、ほとんどのパソコンメーカーで修理が有償となります。

  • 使用上の誤り、または不適当な修理や改造による故障・損傷
  • 落下や圧迫による破損、水没や液体こぼしなどユーザーによる過失
  • 火災、地震、水害、落雷、その他天災地変、および公害、塩害、ガス害(硫化ガスなど)、異常電圧、指定外の使用電源(電圧、周波数)などによる故障・損傷
  • 接続している他の機器、および不適当な消耗品や記憶媒体等の使用に起因して製品に生じた故障・損傷
  • バッテリパックのような消耗品の交換

Q5 パソコンが発煙・発火しても無償修理にならないことがあるのはなぜでしょうか?

製品不具合ではなく、ユーザーの使い方によって発煙・発火等が起こるケースでは、修理が有償となります。
例えば、パソコン本体の冷却ファンに埃がたまり廃熱が充分に行われず、パソコン内部が高温になるケースや、電源コードを家具で挟み込んだり、小動物が電源コードをかじりショートを起こす等により発煙・発火に至るケースなどでは修理が有償となります。

Q6 修理に出すと、診断料が別途かかるのはなぜでしょうか?

パソコンを修理する場合、一般的には、修理代金の見積もりを行い、ユーザーの了承を得た上で修理を行うようになっています。
この見積もりに関してですが、過去において、見積金額と実請求金額が大きく異なってしまうという問題がありました。申告された障害内容から、ハードディスクの障害であろうと判断し、ハードディスクの交換修理費用を見積金額として提示したところ、実際はシステムボードの障害であったといったケースでは、請求される修理代金が見積金額と大きく異なった金額となってしまいます。
このような見積金額と実請求金額の差を少なくするために、パソコンメーカーの修理部門は、機器を預かってから障害箇所であろう部品を一旦検証部品と交換し、障害が解消されたことを確認した上で、見積金額の提示を行っています。
このような見積もり工程での作業は時間と専門性が必要となるため、パソコンメーカーによっては診断料が別途かかります。

Q7 パソコンメーカーの修理と販売店の修理はどう違うのでしょうか?

【パソコンメーカーの修理】

パソコンメーカーの修理では、動作保証済み補修用性能部品が用いられます。
補修用性能部品の保有期間内であれば、修理が可能です。
補修用性能部品の保有については、「Q3 古いパソコンを修理してもらえないのはなぜでしょうか?」をご覧ください。

【販売店の修理】

販売店の修理では、販売店で独自の修理を行う場合と、販売店を経由してパソコンメーカーの修理に送られることがあります。
販売店で独自の修理を行った場合は、パソコンメーカーの保証や修理が受けられなくなることがあります。
修理サービスや保守サービスは、パソコンメーカーが行っているサービスと、販売店が独自に行っているサービスとで異なります。
たとえば、販売店で「5年間の無償修理サービス」を購入した場合、そのサービスが販売店とユーザーとの間で交わされた契約であるときは、パソコンメーカーとユーザーとの間で交わされた契約ではないことにご注意ください。

Q8 故障した部品を返却してもらえないのはなぜでしょうか?

無償修理および有償修理の過程で取り外した部品の所有権はパソコンメーカーに移ります。このことは、パソコンメーカーの修理約款や修理規約等で明記されている場合があります。
部品を交換して修理する場合、パソコンメーカーは、ユーザーに所有権がある故障した部品とパソコンメーカーに所有権がある新しい部品を交換します。故障した部品はパソコンメーカーに所有権が移ります。
したがって、故障した部品をユーザーへ「返却」することは通常ありません。
パソコンメーカーは「故障した部品」を部品メーカー等に配送することによるリサイクルのプロセスを確立しています。

Q9 パソコンの補修用性能部品にはリサイクルされた再生品が使用されているのですか?

故障等の原因で回収された部品は、部品メーカー等でリサイクルされます。再利用可能なものはリユースの一環として修理を行い、品質検査を行った後、新品同様の補修用性能部品として再利用しています。このようなリサイクル・リユースはパソコンに限らず、家電製品一般に行われています。

政府でも、3R(リデュース・リユース・リサイクル)の取り組みを推進しています。

資源有効利用促進法

Q10 キートップをバラで売ってもらえないのはなぜでしょうか?

概ねキーボードは、1つ1つ異なる文字が印刷されたキートップを組み合わせているのではなく、組み合わされた状態のキーボードに対して文字を印刷し、ユニット化された部品として生産されています。そのため、1つのキートップだけで販売されることは通常ありません。
キーボード以外の主要な補修用性能部品も殆どがユニット化されています。

Q11 自分で修理したいので、光学ドライブやハードディスクなどの部品だけを送ってもらえないでしょうか?

通常、パソコンの設計上、ユーザーによる部品交換は考慮されておりません。また、内部の分解を行うと怪我や事故等のおそれもあり危険です。よって、原則としてパソコンの修理は、安全上や品質保持上の理由からパソコンメーカーやパソコンメーカーにより認定された販売店・修理業者が行います。

Q12 ウイルスに感染したらパソコンの修理が必要でしょうか?

ウイルスに感染した場合は、ソフトウェアのトラブルが発生することがありますが、これ自体は、ハードウェアの故障ではありません。一般的に修理はハードウェアが故障した場合の対応です。ウイルスの感染後の対処としては、ネットワークからの切断、ユーザーによるウイルス駆除ソフトの適用、場合によりソフトウェア環境の初期化(リカバリーとも呼びます)などの対応が必要です。
しかし、ウイルスの種類によっては、パソコンがフリーズしたり、電源が強制的に切断される場合があります。それにより、ハードウェアにダメージを与え、故障の原因になる場合がありますので、ウイルスは早めに駆除することをお勧めします。

Q13 パソコンを使用していなくても壊れてしまうことがあるのでしょうか?

パソコンを使用しておらず、未起動状態であっても、次の原因等で性能が損なわれたり、故障することがあります。

  • 温湿度変化による結露発生等によって引き起こされる回路基板や部品の腐食
  • 静電気が蓄積されることによる影響
  • 埃の蓄積やカビの発生による影響
  • 振動、衝撃による影響
  • 長期間の放置による部品等の劣化、消耗

その他、設置されている環境によっては、虫が中に入り込んでいたといった事例も報告されています。

Q14 液晶ディスプレイに点灯しないドットや常に点灯しているドットがありますが故障でしょうか?

パソコン用の液晶ディスプレイでは、高精細な表示能力を持つため、そのドット部分で、全く発光しない、常に発光する、あるいは特定の色にしか発光しないという場合があります。これを一般に「ドット抜け(画素欠点)」と称しております。「ドット抜け」は液晶ディスプレイの故障ではなく、新製品でも存在する場合があります。
各パソコンメーカーは、ホームページ、カタログ、マニュアル等で「液晶ディスプレイは精密度の高い技術で作られており、画面の一部に点灯しないドットや常時点灯しているドットがある場合がありますが、これは故障ではありません」というようにご案内しています。
しかし、関連表現の中には、品質の定量的な基準が表記されていないケースが多いという指摘があり、JEITAでは、2005年3月、「パソコン用液晶ディスプレイのドット抜けに関する定量的表記ガイドライン」(pdf)を発行し、表示品質面での定量的な表記を盛り込むことを進めると共に、わかりやすい表記に関するガイドラインを作成しています。

「パソコン用液晶ディスプレイのドット抜けに関する定量的表記ガイドライン」(pdf)

Q15 パソコンが熱くなります。故障でしょうか?

アプリケーションの動作状況や使用環境によって熱くなる場合がありますが、故障とは限りません。触れられないほど熱い場合は、直ちに使用を止め、メーカーにご相談ください。

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