JEITA
<組込み系ソフトウェア・ワークショップ2011:資料室>
日本の組込み系開発におけるアーキテクト
〜開発現場に求められるアーキテクトとは〜
■ ワークショップの紹介 ■

  ソフトウェア事業委員会/ソフトウェア事業基盤専門委員会主催の組込み系ソフトウェア開発に関するワークショップも、おかげさまで好評のうちに今年で5年目を迎え、今年度も10月18日(火)の午後、大手センタービルで 「組込み系ソフトウェア・ワークショップ2011」を開催しました。
 日本の組込み系ソフトウェア開発の強みは、擦り合わせによる高品質開発にあると言われていますが、大規模化・複雑化・短納期化・多機種化の潮流の中で、国際競争力を今後維持していくことが難しくなってきています。
 このような状況への対処として、欧米流のアーキテクチャ設計の導入・強化が注目されており、そのためにアーキテクトが必要であると言われています。しかし欧米流の手法を模倣するだけでは却って競争力が損なわれる危険性もあり、今こそ日本の強みを生かすアーキテクト、日本の擦り合わせ型開発に合ったアーキテクトを見出していく必要があると考えています。
 そこで、今回のワークショップでは、日本の組込み系ソフトウェア開発で求められるアーキテクトとは何かから始め、ワークショップの参加者とともに日本型アーキテクトについて考えていきました。 このワークショップの成果を受け、自分の所属する会社・組織、製品のアーキテクチャやアーキテクトを考えるきっかけになり、組織・会社の進化、さらに日本全体の成長に寄与できればと思います。
 このワークショップでは、東京大学の飯塚悦功教授の基調講演「私の組込アーキテクト像」を皮切りに、カシオ計算機の細田 潤氏とパナソニックの春名修介氏によるアーキテクトの事例講演をしていただき、最後に“全員参加103人ワークショップ:アーキテクトとは?その役割は?徹底議論!”と銘打った討論セッションで、参加者全員の方に自由にご意見、ご質問をして頂き、本音の議論をしました。
 100名を近い出席者全員が参加して一つのテーマを議論する今年の「全員参加103人ワークショップ」は、司会進行役からの設問に対して全員が自分の意見を3色の色紙を挙げて表明し、 近くの机に居合わせた人達がチームとなって一斉に会場全体で議論している様子は、今年も参加者の意欲と意識の高さを感じるワークショップそのものでした。
 当日は70社・団体、96名もの方々の参加となり、 組込みソフトウェア関係者の意見交換・情報交換の場として継続していく重要性を感じつつ、今回のワークショップを終えました。

©JEITA,2011