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2012年6月21日
(社)電子情報技術産業協会
ソフトウェア事業委員会
ソフトウェア事業戦略専門委員会


***社会インフラ分野の情報利活用4階層モデル***
JEITA I-model(通称:キャピタルアイモデル)の公開について

 
 IT産業においてグローバルに事業展開するメガベンダとの競合が激化する中、日本のIT産業が継続的に発展するためには新市場の開拓が必須です。日本を含むアジアを中心とした新しい時代の社会システム(インフラ)が急拡大の様相です。そこでは、高度な社会インフラにおけるIT技術の連携・活用が重要であり、日本企業も日本企業の強みを生かした市場参入が急務となっております。
 JEITAソフトウェア事業委員会(委員長 今井登志夫(NEC))、ソフトウェア事業戦略専門委員会(委員長 前川隆昭(三菱電機))では、社会インフラシステムの発展段階を、インフラシステムを高信頼かつ効率的に稼働させる『導入段階』と、個別のインフラシステムから得られたデータを利活用したサービスを提供する『活用段階』の二段階に分類、特にその中の『活用段階』に着目し、社会インフラ分野の情報利活用サービス実現のためのITモデルとして、情報利活用4階層モデル『JEITA I-model』を策定いたしました。
 この『活用段階』では、クラウドの進展等により収集される社会インフラに関わる大規模情報(ビッグデータ)の処理技術がキーテクノロジーとなり、安全・安心で快適な生活を営むための社会インフラサービスの創出を加速することが期待されています。
 本モデルが各方面で広く利用され、我が国IT産業の競争力強化に向けた各種活動に寄与することを願い、『JEITA I-model』を公開することといたしました。


JEITA I-model(キャピタルアイモデル)(画像をクリックすると拡大画像が表示)
注) I-modelの「I−」は社会インフラを意味する"Infrastructure"の頭文字でi-modeやiPhoneなどの情報系シンボルを表す「i−」と区別し、大文字の「I-」で表記し、「キャピタルアイモデル」と称します。
■JEITA I-model(キャピタルアイモデル)の4階層について
I−ハードウェア(Infrastructure - Hardware)
 I−ハードウェア層は発電システムや高度交通システム等の様々な社会インフラの構成要素である機器やサブシステムを示している。この層の構成要素はセンサー、アクチュエータ、情報端末などのハードウェアとその組込みソフトウェアからなる。
I−エンベデッドソフトウェア(Infrastructure - Embedded)
 I−エンベデッドソフトウェア層は社会インフラシステムを示している。従来の閉じた社会インフラシステムはこの階層までで構築されるが、今後は活用段階まで含めたオープンな社会インフラモデルを提案することが必要であり、システムとは呼ばすにI−エンベデッドソフトウェアとしている。I−エンベデッドソフトウェア層ではセンサーやアクチュエータなどの機器やサブシステムから得られる情報をリアルタイムに上位層に供給する役割を担っている。
I−プラットフォーム(Infrastructure - Platform)
 I−プラットフォーム層は社会インフラの活用段階で必要となる安心・安全・快適な機能を提供するための基盤情報系システムである。I−プラットフォーム層は各分野向けの個別アプリケーション(I−アプリケーション)が稼動するための共通基盤層と位置づけられる。具体的には社会インフラシステムの高次な信頼性を支える高信頼化処理、システム分析・管理、セキュリティ管理などの機能が必要となる。また、個別のアプリケーションを最適化するための制御処理や利用者に使いやすさを与えるヒューマンI/Fの機能を備えている。また、ヒューマンI/Fでは震災時など緊急時に必要な情報を提供できるPush型配信機能を実現するとともに、コミュニケーション機能としてSNS提供などのネットワーキング技術が重要となる。さらに、I-アプリケーション層の各サービス共有のデータ処理機能を備えており、Web上に散在する情報を自動的に取得するデータ取得機能、複数のインフラから得られる多様な形式のデータを統合する機能、収集したデータを管理する機能、予測や最適化・可視化・リアルタイム処理機能などが共通的機能として含まれる。これらの機能は、クラウドコンピューティング基盤、通信衛星・無線・有線ネットワーク等によるネットワーク基盤により有効に活用される。また、各種サービス間の連携やデータの相互利用が想定されるため、データ交換が標準化されるとともに、オープン性や情報の相互利用性が確保される必要がある。
I−アプリケーション(Infrastructure - Application)
 I−アプリケーション層はオープンな社会インフラシステムにおける各種アプリケーションを示している。I−プラットフォームの層で処理されたデータを活用し社会インフラに対して安心・安全・快適なサービスを提供する。
■JEITA I-modelは以下のサイトからダウンロードできます。
   (PPT版)JEITA I-model
   (PDF版)JEITA I-model
■詳細は以下の報告書でご確認下さい。
IS-12-情シ-5 我が国IT関連産業の持続的成長に向けた事業戦略に関する調査報告書
 −社会インフラ分野の情報利活用に向けた提言−(2012年3月発行)
   http://www.jeita.or.jp/cgi-bin/public/detail.cgi?id=461&cateid=6
■お問い合わせ先(事務局)
 〒100-0004 東京都千代田区大手町1−1−3 大手センタービル5階
    (社)電子情報技術産業協会 インダストリ・システム部(一條・中崎・栗山)
       TEL:03-5218-1057 FAX:03-5218-1076 E-mail:itt3@jeita.or.jp
 
以上
 

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