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IS-15-情端-2 プリンターに関する調査報告書

■ エグゼクティブサマリ ■
1.プリンター市場動向
2014年の世界的な経済状況は、米国の独り勝ちの様相で、その他先進国においては緩やかではあるが景気回復が実感された。新興国は、若干伸び悩みがある地域があるものの緩やかに好転している。国内においては、消費税の影響が一巡し、増税延期で底堅い設備投資や雇用状況が堅調に推移した。
こうした経済状況から、プリンター市場全体を俯瞰して見ると、台数ベースで対前年比98%とマイナスとなり、国内においては、対前年比103%と増加した。2017年は、世界の経済状況は持ち直しの傾向を見せており、2014年比104%と増加を見通した。
 ドットインパクトプリンターは320万台、対前年比96%となった。2011年以降、他のテクノロジーへのシフトを主因とする減少傾向は継続しているものの、ドットインパクトプリンターでなければならないという需要も存在し、このような需要に支えられていると考えられる。地域別には中国、アジアパシフィックを中心とした新興国に需要が集中している特徴がある。
 インクジェットプリンターは、SFP/MFP合計で対前年比97%の7,166万台となった。SFPは対前年比94%の988万台、一方MFPは対前年比98%の6,178万台となった。減少の要因としては、近年のスマートフォン・タブレットの急速な普及とSNSなどによる写真共有のインフラができたことにより、先進国における家庭向けインクジェットプリンターに拠る写真出力用途が減少しているためと想定される。
一方でインクジェットの中には安価にカラー印刷可能なプリンターも増えておりビジネス用途で受け入れられ始めている。 この傾向は先進国・新興国ともに共通であり、台数は減少しているものの全世界ベースでビジネス機へシフトしながら市場が推移していると考えられる。
 電子写真方式プリンターは、SFP/MFP合計では対前年比101%の3,939万台となった。SFPは2,057万台となり、対前年比98%となった。MFPは1,882万台となり、対前年比105%となった。SFPからMFPへの移行が進み、市場全体のMFP化率は48%となった。モノクロ市場全体は3,227万台となり、対前年比100%と横ばいとなったが、モノクロMFP市場は1,458万台と対前年比104%と成長した。また、カラー市場は、SFPが対前年比104%、MFPが対前年比108%となり、カラー市場全体としては711万台の対前年比106%となった。モノクロ市場が市場の8割以上を占める状況は変わらないが、カラー化は確実に進んでいる。
 地域別でみると、これまで市場の成長をけん引してきた地域での成長鈍化がみられた。西欧地域とその他地域ではSFP市場が対前年比マイナスとなり、市場全体で微減となった。それ以外の地域では対前年比プラスとなった。中国・アジアパシフィック地域はSFP/MFP合計でともに対前年比105%となった。
                          
SFP:単機能機、 MFP:複合機

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