技術戦略部会


ナノエレクトロニクス実用化に関わる調査研究-ナノエレクトロニクスが貢献するアプリケーション-

 日本のエレクトロニクス産業(電子機器、電子部品・デバイス)は、自動車産業と並び日本の中核的産業と位置付けられ、2020年以降を予測すると、ナノテクノロジー分野の出口として最大の市場規模となることが見込まれています。また、新成長戦略においても、グリーン・イノベーションとライフ・イノベーションは戦略分野と位置付けられており、環境・エネルギー、医療・健康・福祉など様々な社会的課題を解決するために、ナノエレクトロニクスによる技術革新が期待されています。
 このような状況下、2009年に、JEITA「ナノエレクトロニクス研究会」は、日本として強化すべきナノエレクトロニクス関連の研究テーマと内容について提案を行いました。この提案をベースに、COCN(産業競争力懇談会)は、つくば研究開発拠点に、民間企業と、大学・公的研究機関が集結して、シリコンベース・ナノエレクトロニクス研究を行うべきと提案しました。結果として、現在、TIA(つくばイノベーションアリーナ)において、ナノエレクトロニクス関連の4つのプログラムが活動を推進しています。
 さらに2010年度以降、「ナノエレクトロニクス研究会」では、ナノエレクトロニクスを活用した既存ビジネスの拡大、及び新規市場の創世を推進することを狙って、日本として強化すべきナノエレクトロニクス研究テーマについて検討してきました。
 研究すべきテーマの選定に当たっては、ナノエレクトロニクスの貢献が期待できる分野、即ちアプリケーション(市場、ビジネス)を明確にすることが重要であると考え、ナノエレクトロニクスの社会的ニーズと先導的市場として、6領域(医療・健康福祉、農業・食品、トランスポート・モビリティ、コミュニケーション、安心・安全、環境・エネルギー)を設定しました。この中で、2010年度は、「環境・エネルギー」領域に特化して、調査・検討を行い、様々なサービスを享受できるユビキタス社会を実現するキー・テクノロジーとして、光・振動・熱などの環境エネルギーを利用したセンサネットワーク・システムの構築を提案しました。
 2011年度以降、「ナノエレクトロニクス研究会」の中に、「ナノエレクトロニクス実用化検討WG」を設置し、検討すべきアプリケーション領域を拡大し、医療・健康福祉、農業・食品、トランスポート・モビリティ領域についても、調査・検討を行いました。アプリケーションの動向調査に関しては、有識者にヒアリング(講演と質疑応答)を実施し、今回、日本として強化すべきナノエレクトロニクス研究の検討、及びTIAにて行うべき研究についての提案を報告書(全103頁)としてまとめました。 

ナノエレクトロニクス実用化に関わる調査研究(概要)

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