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平成28年度 環境委員会および環境推進委員会事業報告

 環境委員会は、地球規模で温暖化問題に貢献する「低炭素社会実行計画」(2020年/2030年に向けた取り組み)を推進し、革新的なエネルギー効率改善・排出抑制、および製品・サービス等における省エネ技術の促進に努めた。さらに、ITソリューションによる2030年温室効果ガス削減ポテンシャルを試算し、各社事例と共に対外的にアピールを行った。
 また、グローバルな事業活動における環境負荷リスク低減に向けて、化学物質規制に対する管理対応、循環型社会形成に向けた廃棄物等の排出削減の促進、ならびに環境分野におけるビジネスの発展に資する主導的な国際標準化活動の取り組みを推進した。

 

1.地球温暖化防止対策への対応

  • (1)業界「低炭素社会実行計画」の推進
    1. ①2020/2030年に向けて「低炭素社会実行計画」を着実に推進するため、生産プロセスにおけるエネルギー効率改善の進捗および製品・サービスによるCO2排出抑制貢献量の算出等の2015年度実績フォローアップ調査を実施した。これらの調査結果に基づき、産業構造審議会(産構審)で進捗説明を行い、当業界自らの省エネ努力とともに、供給する製品・サービスによるグローバルでの貢献度が高いことをアピールした。
    2. ②実行計画未参加企業への働きかけを強化し、カバー率向上に寄与した。
    3. ③温暖化対策に係る業界活動の報告会を実施し、2015年度実績調査報告、国内外の政策動向の周知を図った。
  • (2)ライフサイクル視点における製品・サービスのCO2削減貢献アピール
    1. ①供給する製品・サービス(IT機器およびITソリューション・サービスやそれらを支える電子部品、半導体デバイス等)によるCO2排出抑制貢献量を把握するとともに、電子部品や半導体部門とも連携し、対象拡大や算定方法の精緻化を実施した。
    2. ②ITソリューションによる2030年における他部門への温室効果ガス削減ポテンシャルを試算し、各社事例と共に冊子にまとめ、対外的にアピールを行った。
  • (3)国際協調によるCO2排出削減の推進及び国際動向の把握
    1. ①気候変動枠組条約第22回締約国会合(COP22)(11月、マラケシュ)の動向や、二国間クレジット制度(JCM)構築等の内外政策動向の情報収集を行い、会員会社への周知を実施した。
  • (4)わが国のエネルギー政策/温暖化対策への政策提言
    1. ①電気・電機業界として、政府「地球温暖化対策計画(案)」へのパブリックコメントを発信し、業界意見の反映に努めた。

2.化学物質規制への対応 

  • (1)製品含有化学物質関連法規への対応
    1)海外規制への対応
    欧州製品含有化学品規制への対応について、在欧日系ビジネス協議会(JBCE)、国内外関係団体等と連携し、情報共有を進めつつ次の活動を行った。

    【RoHS指令対応】
    1. ①各適用除外Ad-hocにて具体的な議論を進め、6月に発行されたコンサルタント・レポート(Pack9)への対応を行った。その後の日米欧業界共同除外対応Umbrella Projectからの意見出し、説明資料検討を行った。
    2. ②RoHS除外更新Pack7官報案に対して、電機・電子業界として意見を提出した。
    3. 【Better Regulation, WTO/TBT】
      関連動向の情報共有を進めながら、以下の対応を行った。
    4. ③REACH以外の化学物質関連EU法規制のbetter regulation 推進の観点で行われた FITNESS CHECK調査に対して、電機・電子業界として回答した(RoHSとREACH間等の二重規制の解消等)。
    5. ④RoHSの新規制限物質として検討されたMCCP及びSBAAに関する質問票に対して、「EEE(Electrical and Electronic Equipment)ではほとんど使用されていない」旨の回答を行った。
      (日本化学工業協会及びBSEF-Japanとの意見交換を実施)
    6. ⑤RoHS制限物質に4フタレートが追加されることから、その分析手法と装置の見学会を実施した。
    7. 【REACH規則対応】
    8. ⑥ECHA成形品ガイダンス改正案への意見出しを行った(Better Regulationコメント)。
    9. ⑦フタル酸制限案に関するコンサルテーションへの意見出し(RoHSで制限される見込みにより、EEEはREACHの制限対象外とすべし)。
    10. ⑧REACH規則付属書XVIIでのPFOA制限に関するWTO/TBT通報への意見出しを行った。
    11. ⑨REACHの改正要否を確認するためのREFIT評価に関わるパブコメへの回答を行った。
    12. 【欧州関連その他】
    13. ⑩欧州におけるPOPs条約対象へのD4(オクタメチルシクロテトラシロキサン: octamethyl cyclotetrasiloxane)ノミネート可否についての情報収集及びシリコーン工業会(SIAJ)と意見交換を実施した。
    14. ⑪ユーラシア関税同盟RoHSに関する情報を共有・分析した。なお、除外については、日本政府を介して、WTO/TBTバイ会談でロシア政府と協議をした。
    15. 【中国版RoHS】
    16. ⑫中国から発表された FAQ、中国版RoHSの制限物質および認証制度に対する中国外商投資企業協会投資性工作委員会(ECFIC)の意見案、及びECFICにて中国版RoHS合格判定制度について議論された内容について、情報共有・分析した。
    17. ⑬中国版RoHSの第2ステップに向けた「達成管理目録」及び「合格判定制度」の策定方法において公開性、透明性の確保等を求めるためWTO/TBTバイ会談を通じて規制当局に意見具申した。
    18. ⑭日経テクノロジーオンライン-JEITA通信において7月1日施行の改正、中国版RoHSの留意点を掲載し、情報提供に努めた。
    19. ⑮中国における動向を把握するため中国で開催された「家電製品環境保護使用期限検討会」、中国工業情報化部主催の「RoHS標識規格改定検討会」、「電子情報製品汚染防治標準WG」等の情報を入手し、共有・分析した。
    20. 【台湾版RoHS】
    21. ⑯台湾/ 商品検査法における電気・電子機器に対する追加規制(台湾版RoHS)の運用について、BSMI(台湾 経済部標準検験局)に対し、内部運用ルールを公開するよう日台貿易経済会議を通じて要請した。
    22. ⑰BSMI指定実験室のHPに記載されている対象製品として挙がっている製品群を精査し、情報共有した。
  • 2)国内規制への対応
    1. ①資源有効利用促進法における特定化学物質の含有に関する情報提供制度(電気・電子機器の特定の化学物質の含有表示方法:J-Moss)の周知を図った。
    2. ②水銀に関する水俣条約批准に向けた製品の規制に対応するため、産構審・中環審合同会合に代表委員が参画し電機・電子業界の意見具申を行った。
    3. ③政府の「水銀使用製品の適正分別・排出の確保のための表示等情報提供に関するガイドライン」を受け、「電機・電子4団体水銀使用製品等の適正分別・排出の確保のための表示等情報提供に関するガイドライン」を作成し、広く紹介した。(10月)
    4. ④経済産業省 / 環境省合同会議「水俣条約対応技術的事項検討会」において、電機・電子業界の取組みを紹介した。(12月)
  • (2)生産現場における国内法規制への対応
    1)VOC排出抑制
    1. ①生産活動に伴い、排出される揮発性有機化合物(VOC)について、政府の「自主的取組促進のための指針」に基づき、排出状況の調査を行い、経済産業省へ結果を提出した。当業界が掲げている「2015年度に少なくとも2010年度比で悪化しない」方向性に基づき、生産増により使用量は増加するも、排出量は更に削減した。既存のプロセス(洗浄、塗装等)改善や管理強化、新たな回収処理設備の設置等により削減努力を継続した。
    2. ②当業界の来年度以降の方向性「2018年度まで少なくとも2010年度比で悪化しない」に基づき、自主的取組みの継続を表明した。
    2)化学物質関連法規への対応
    1. ①化学物質の大気、水域、土壌への排出、浄化等の関連法規について、政府審議会での改正等の情報を収集し、会員企業への情報提供に努め、業界の円滑な対応を推進した。また、経団連・環境管理WGに参画し情報を共有した。
    2. ②化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)の見直しに際し経済産業省と環境省の合同審議会に参画し、当業界の意見反映に努めた。
    3. ③環境省「生物を用いた水環境の評価・管理手法に関する検討会」において検討されているWET (生物応答を利用した排水管理手法)導入について情報を収集し、会員企業への情報提供を図った。
    3)海外拠点における化学物質対策
    1. ①海外製造拠点の適正処理と環境事故の未然防止に向けて、海外(東南アジア諸国、ラテンアメリカ 等)法規制等の情報を収集し、業界の円滑な対応を推進した。
    4)その他
    1. ①生産現場における化学物質管理等の取組みについて視察・意見交換会を実施した。
    2. ②テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)の排水による生体影響について、化学物質評価研究機構(CERI)と意見交換を行い、理解を深めた。
    3. ③代替フロン等4ガス(HFC、PFC、SF6、NF3)の排出実績(半導体・液晶・電子部品)をまとめ、経済産業省へ報告書を提出した。

3.循環型社会形成に向けた対応

  • (1)産業廃棄物等の排出状況の実態調査と排出抑制
    1. ①事業所の産業廃棄物等(有価発生物含む)の排出状況および最終処分量の把握のため、電機・電子業界「産業廃棄物等に関する自主行動計画フォローアップ調査」を実施した。
    2. ②循環型社会の更なる進展に向けて、企業が直面する課題と課題解決に向けた政府・地方公共団体に対する要望をとりまとめ、調査結果と共に経団連へ提出した。
  • (2)国内法規制への対応
    政府審議会における情報収集、経団連・廃棄物・リサイクル部会および廃棄物・リサイクルWG等に参画し、情報を共有すると共に、業界意見の反映に努めた。
    1. ①国が推進する電子マニフェスト制度の利用率向上に向けて、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターとの意見交換を実施し、情報共有を図った。
    2. ②廃棄物処理法に係る情報の管理や行政手続等に関し、現状や課題、事業者の電子化に向けたニーズ、目指すべき姿等についての調査(廃棄物処理法に係る情報の電子化の推進に関するアンケート)に協力した。
    3. ③環境省/ 廃棄物処理制度専門委員会おいて実施された産業界へのヒアリングに際し、経団連を通じて意見を提出した。
    4. ④環境省における「廃棄物処理制度専門委員会報告書(案)」パブリックコメント募集に対し、意見を提出した。
  • (3)廃棄物の再資源化促進
    1. ①事業所から排出された産業廃棄物の再資源化促進を目的に、産業廃棄物処理業者による再生量と最終処分量について調査・分析し情報を共有し、「廃棄物の再資源化に向けた調査報告書」を発行した。
    2. ②先進的な資源循環事業等の視察・意見交換会を実施した。

4.環境分野における国際標準化への対応


  • わが国が国際議長を務め、国内審議団体を引き受けるIEC/TC111(電気・電子機器、システムの環境規格)において、主導的に化学物質情報開示、環境配慮設計、温室効果ガス排出量策定等の国際規格を戦略的に推進し、政府とともに国際競争力の強化を図った。
    1. ①MT62474で、電気・電子機器に関するマテリアル・デクラレーション(IEC62474)規格のメンテナンスを行った。
    2. ②日本が国際主査を務めるISO/TC207(環境マネジメント)との環境配慮設計共同作業グループ(ECD/Joint Working Group)において、環境配慮設計(第1版)の 委員会原案(CD文書)の発行を日本主導で行った。
    3. ③WG3(含有化学物質等測定方法)における10のファミリー規格(IEC62321 第2版)のうち、Part7-2の国際規格を発行するとともに、Part3-2、3-3、4、8、9、10の原案の取りまとめを行った。
    4. ④環境配慮設計の補完文書として、電気・電子製品の資源効率配慮事項(TR62824)を発行した。
    5. ⑤新設されたPT63031(ローハロゲン定義策定)に対して、WGを設置して、対応を行った。
    6. ⑥TC105(燃料電池)およびTC111とのリエゾンパーソンとして、日本からTC111代表委員を送り、協力した。
    7. ⑦ISO TC 268/SC1(スマートシティーインフラ)とISO TC 207(環境マネジメント)とのリエゾンを活用し、情報交換等を行った。
    8. ⑧TC111フランクフルト(ドイツ)会議(10月)および同時に開催される関連WG、PT、MT等の会議準備・対応を行った(PT= Project team、 MT=Maintenance Team )。

5.低炭素・循環型社会の実現に向けた啓発活動および調査研究

  • (1)各種講演会の実施
    1. ①第2回環境推進セミナー「我が国の優れた環境技術の国際貢献に向けて」(8月東京)
    2. ②第3回環境推進セミナー「温暖化防止に貢献するIT・エレクトロニクス」(11月東京)
    3. ③電気・電子ミニセミナー「EU RoHS/付属書Ⅲ 除外更新に関する進捗状況」(9月東京)
    4. ④TC111(電機・電子機器、システムの環境規格)「最新動向に関する講演会」(1月東京)
    5. ⑤環境推進委員会「次期米国大統領による地球温暖化対策への影響」(1月 東京)
    6. ⑥電機・電子業界「低炭素社会実行計画進捗報告会」(3月東京、大阪、福岡)
  • (2)調査研究活動
    1)生物多様性保全への対応
    当業界全体での生物多様性保全活動を加速することを目的として策定した、「電機・電子業界における生物多様性の保全にかかわる行動指針」に基づき、普及啓発活動を実施した。
    1. ①会員企業への取組み進捗状況調査を実施し、各社の生物多様性保全活動事例をデータベース化して公開した。
    2. ②教育・啓発用ツール「Let's Study Biodiversity(LSB)」英語版を作成し、サマリーを公開した。
    3. ③生物多様性条約COP13(カンクン)におけるサイドイベントに参加し、ビジネスセクターを代表して日本の電機・電子業界の環境保全活動推進の取組をアピールした。
    4. ④会員企業の先進的な取組みや視察見学・意見交換会を実施した。
  • 2)環境ビジネス促進に係る取組み
    1. ①会員企業の環境ビジネス促進に資するため、ミャンマーにおける環境政策の動向・日本企業のニーズ等の現地調査を実施し、「ミャンマー海外調査報告書を」をまとめ、共有した。
    2. ②会員企業の環境ビジネス展開に向け、セミナーを通じて二国間クレジット制度(JCM)に関する情報共有を図った。
  • 3)ITソリューションによる温暖化対策貢献
    1. ①ITソリューションを通じた各種分野における2030年の温室効果ガス排出削減ポテンシャルを定量的に試算し、会員各社の削減事例と併せて「ITソリューションによる温暖化対策貢献」を発行し、経済産業省はじめ各方面に広くアピールをした。また、これらの試算方法を整理し「ITソリューションによる温暖化対策貢献調査報告書 - 2030年に向けた温室効果ガス削減ポテンシャル - 」を発行した。
  • 4)各国におけるエコデザイン規制の対応
    1. ①カリフォルニア州エネルギー効率規制等、各国における規制動向の情報収集をした。
    2. ②メキシコにおける外部電源(EPS)に係るエネルギー効率規則案に対して、米国ITI並びにCTAと連携し、メキシコ政府に対して意見具申を行った。
    3. ③電子表示装置(TV及びコンピュータ・モニター)に関する欧州エコデザイン規制案(Eup Lot5)に対し、関係部門と協力して意見具申した。

6.海外関連機関との連携

  1. ①IEC TC111の重要なカウンターパートであるCENELEC TC111Xの会合にTC111の国際議長が参加し情報を収集するとともに、TC111Xとの協調の方向性を探った。

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