北京駐在員報告


北京駐在員2004年報告書

「中国におけるIT活用に関する調査」
(中国におけるIT政策と市場動向)



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【 要約 】

 中国において、本年は、第10次五ヵ年計画の最終年となっている。一方、2006年から始まる第11次五ヵ年計画の策定作業を政府内部で検討しているところ。このような状況において、本報告書は、2001年に策定された第10次五ヵ年計画について、その目標の達成状況の調査研究を行った。第10次五ヵ年計画は、産業政策の長期ビジョンと位置付けられ、2001年11月には、十五計画期工業構造調整ビジョン要綱も発表されている。これらの産業政策の中に、「ハイテク産業の発展推進」、「情報化によって工業化を促進」が掲げられ、新世代の高速ブロードバンド情報網、サブミクロン級集積回路、デジタルハイビジョンシステム等の分野のプロジェクトを推進することが示されている。その後、2003年には全人代(全国人民代表大会)で産業政策関連省庁の大幅な機構改革が実施され、五ヵ年計画の策定と産業政策の策定・実施を国家発展・改革委員会が担うこととなった。これにより、産業政策決定の効率性・整合性が向上することが期待され、現在に至っている。
 今日、著しい発展を遂げている中国経済の主要な柱であるIT産業分野において、IT産業政策は活発に推進されているが、この計画等の全体像を調査したものは多いものの、IT産業分野に焦点をあてた情報は必ずしも十分ではなかったと思われる。このことから、本報告書では、中国におけるIT産業政策を中心に、IT産業の市場動向及びIT産業に関する技術開発動向等について調査研究を行い、各地方都市のそれぞれの計画にも着目し、それらの計画と各地域の発展状況を記載している。
 なお、第10次五ヵ年計画における情報産業分野で設定された目標の中で、[1] 固定電話と移動電話網の容量で世界第1位、[2] 全国の電話契約数5億契約については、目標を達成しているところであるが、[3] インターネットの普及は、利用者数で2億人超(2003年の実績で約8,000万人)、[4] 電信、テレビ、第三世代移動通信、高速・広域帯情報網の実現等に関しては、それらの現況について調査研究を行った。
 また、代表的な中国のIT関連企業の発展状況及び市場戦略について考察した。

 本報告書の概要は、以下のとおり、中国におけるIT政策と市場動向について、調査・分析を行った。

1.中国のIT産業の概要
 中国は、情報産業を国民経済の基礎産業、先進的産業、そして戦略的産業とみなし、工業、商業、農業を始め、政府や国民生活などを含めたあらゆる領域の情報化を大いに推進し、当面、情報産業は中国第一の支柱産業としている。
 2003年、中国情報産業の工業生産付加価値額は、7,416億元となり、国内総生産(GDP)の6%を占めた。このうち、通信キャリア・郵政キャリアを含む通信業は、3,416億元、電子情報製品製造、ソフト・情報サービス業含む電子情報産業は、4,000億元である。

2.産業政策
(1)基本政策
 2000年6月に国務院より公布された「ソフトウエア産業と集積回路産業の発展を奨励する若干の政策」、通称「18号文件」の概略

(2)産業計画
 1、信息産業(情報産業)「十五(第10次五ヵ年計画)」計画概要
 2、通信産品「第10次五ヵ年計画」専門計画の概要
 3、コンピュータとインターネット産品の第10次五ヵ年計画専門計画の概要
 4、集積回路の第10次五ヵ年計画専門計画の概要
 5、ソフト業「第10次五ヵ年計画」専門計画の概要
 6、電子情報産品輸出「第10次五ヵ年計画」専門計画の概要

(3)地方計画
 北京市、天津市、上海市、江蘇省、浙江省、山東省、福建省、広東省、湖南省、湖北省、遼寧省、重慶市、四川省、陝西省の各地域における計画の概要

3.全国及び各地の発展状況
(1)全国の発展状況
@ 通信キャリア
2003年の中国の通信キャリアの通信業の業務収入は、4,610億元で、引き続き急速発展形成を維持しており、前年比13.9%増である。この成長は、2002年とほぼ同じ水準で、国内総生産(GDP)の伸び率の1.5倍の伸び幅である。
A 電子情報産業
21世紀に入って以降、中国の電子情報産業は一貫して急速な発展を維持しており、2000〜03年のCAGR(複数年平均成長率)は約24%となっている。
B ソフトウエア・情報サービス産業
近年来、中国のソフトウエア産業は一貫して比較的良好な発展形成を維持している。2000年6月に、国務院から「ソフトウエア産業と集積回路発展を奨励する若干の政策」が発表された後、中央政府・地方・国内外企業・投資会社はいずれもソフトウエア産業への資金投入を強め、3年間に渡る発展を経て、中国のソフトウエア産業の陣容が基本的に形成された。

(2)主要地区の発展の現状と執行状況
通信キャリア、電子情報産業、ソフトウエア産業に関して、2.(3)に記載した四市十省における発展の現状と執行状況について

4.代表的なIT関連企業の現況分析
 中国の代表的なIT関連企業である、中国移動通信集団公司、華為技術有限公司、中芯国際集成電露製造有限公司、用友軟件股[イ分]有限公司の4社に関する業績の発展分析

5.今後の展望
 マクロ経済は引き続き中国IT産業の発展のために良好な環境を提供し、全世界の情報産業の新たな調整と転換が中国IT産業発展の契機を提供することが見込まれる。

注目される話題として以下の項目がある。

  • 《電信法》がまもなく公布。
    最も早ければ2005年中にも公布される見込み。同法は、市場の開放と管理方面での緩和に対して比較的重大な突破があることが予想されている。

  • 2004年、中国のブロードバンドアクセス施設の成長速度が鈍化。
    各主要通信キャリアの基礎的なネット建設が基本的に完成する一方で、通信キャリアが注目している変化は部分的需要に抑えられている。

  • 3G業務の推進は通信産業の市場局面にとって、重大な影響を及ぼす。
    現在、高通のCDMA2000、欧州版WCDMA、大唐のTD-SCDMAが標準化で争っている。3G通信業務の進展は多くのユーザー需要が未知数であり、数千億元の投資が実際に支出されるとなると、通信キャリアに多くのリスクをもたらすこととなる。

  • 各業界のメモリー管理が注目集める。
    メモリー管理システムの大口顧客となるであろう金融や通信、製造業は、情報化の過程で、磁気メモリーの応用が急速に拡大することが予想される。メモリー管理に対する解決方法に対する需要の急速な増加を引き起こし、メモリーのハードへの投資が大きな負担となる。

  • セキュリティー産品の需要は急増。
    情報化が加速する過程で、市場のセキュリティー応用ソフトツールやセキュリティー・ソリューション、セキュリティー・オペレーション管理・プラットフォームなどが巨大な需要を生み出し、政府や金融、通信は最大の市場となる。

  • 国際貿易障壁・技術障壁・環境障壁が増加。
    中国IT産業の急速な推進過程で、カラーテレビのダンピング案件やDVD・デジタルカメラの特許料、欧州の電子・電気産品の新基準が、中国の電子情報産品の輸出に不利な影響を及ぼしている。

  • 石炭・原油など工業原材料の供給不足、電力不足。
    中国の主要な情報産業地域は、通年に渡って電力不足に見舞われ、正常な生産に影響が出ており、加えて、原材料価格の高騰が、生産コストを増加させている。

  • 2005年の中国情報産業のマクロ目標。
    中国信息産業部は、2005年1月に情報産業工作会議を開催し、同年の国内情報産業のマクロ目標として、情報産業の工業生産付加価値額は、1兆145億元を実現し、このうち、通信業は4,250億元、電子情報産業は7,200億元とした。


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