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 【 2001年7月号 】



1.産業動向

<仏:アルカテルの米ルーセント買収、失敗>
 通信機器メーカとして世界第1位の米ルーセントと第5位の仏アルカテルの合併計画が決裂した。5月中旬に合併の検討が進められていることが報ぜられ、一時はほぼ合意に達するところまでこぎ着けた模様であるが、5月末になり破談となった。これは、企業規模がルーセントよりもアルカテルの方が大きく、実際は合併というよりもアルカテルによるルーセントの買収という形になるところであったが、ルーセント側が経営陣に占める両者の割合を対等にすることを要求し、結局経営権の問題で合意に至らなかった。

<ポーランド:PTCを巡り仏ヴィヴェンディとドイツ・テレコムが争い>
 PTCはポーランド第1位の移動体通信事業者(加入者数300万人)であり、東欧では最大の事業者である。PTCはエレクトリム・テレコム社の子会社であり、同社が51%の株式を有している。仏ヴィヴェンディは、このエレクトリム・テレコム社の株式の51%とその親会社のエレクトリム社の株式の13%を有しており、一方ドイツ・テレコムは直接にPTCの株式の49%を有している。このような状況の中、ドイツ・テレコムがPTCの株式の過半数の確保を目指し、独仏両社の間でPTCの経営権取得を巡って争いが続けられてきたが、結局決着がつかなかった。ヴィヴェンディは、自社の立場を強化するため、親会社本体の買収攻勢を開始した。

<北欧:各国電気通信事業者が合併・買収を模索>
 5月、ノルウェーの電気通信事業者のテレノールとデンマークのテレ・デンマークが対等合併を目指して交渉を行ったが、決裂した。英独仏伊西蘭の大手電気通信事業者が勢力を拡大する中、北欧の電気通信事業者は合併による規模拡大を目指している。テレノールは1999年にスウェーデンのテリア(北欧では最大手)との合併を企てたが、失敗に終っていた。この合併交渉決裂を受けて、今度はテリアがテレ・デンマークとの合併交渉に入った。また、テリアがフィンランドのソネラを買収しようとしているとの噂も流れている。一方、テレノールについては、6月に入り、スウェーデンのコンヴィック(スウェーデン移動体通信第2位、テレ2子会社)、ユーロポリタン(同第3位)への接近の噂が流れている。

<英:ヴォダフォン、赤字で企業買収をストップ>
 全世界で8,290万人(2001年3月末)の加入者を擁する世界最大の携帯電話会社である英ヴォダフォンが5月29日に2001年3月期の決算を発表、初の赤字となった。ゲント社長は赤字に陥ったことを受け、利益率の改善と次世代携帯電話の準備のために当面M&Aは自粛すると発表した。ヴォダフォンはこれまで買収による規模の拡大路線をとってきたが、当面は方向転換をすることになる。

<欧州:GSM協会、新インターネット・モバイル規格のMサービスを採用>
 世界の通信関係企業425社が加盟するGSM協会は6月13日、携帯電話インターネットの普及拡大を図るために「モバイル・サービシーズ・イニシアチブ」(Mサービス)と名づけられた共通プロトコルを採用すると発表した。この決定は、現在のWAP方式の普及が難航していることを踏まえたものである。Mサービスは、NTTドコモのiモードにヒントを得ている。ボーダフォン、フランス・テレコム、テレコム・イタリア、テレフォニカ、BTワイヤレスといった電気通信事業者やアルカテル、エリクソン、モトローラ、サジェムといった通信機器メーカなどがイニシアチブを取っている。GSM協会加盟各社は全欧州でGPRS規格サービスが始まる今年末に合わせ、Mサービス対応の携帯端末を販売する予定である。

<EU:CEPS標準の実証実験DUCATO>
 電子マネーによる少額電子決済のインターオペラビリティーに関する欧州規模での実証実験DUCATOが開始されている。DUCATOの目的は、CEPS (Common electronic Purse specifications)標準に準拠した電子マネー・システムの国際的な相互運用性を実証し、その実効性を認めさせることにある。この決済システムには、欧州5カ国の主要金融機関、カルトバンケール・グループ(フランス)、バンクシス(ベルギー)、ユーロペイ・インターナショナル(ベルギー)、プロトン・ワールド(ベルギー)、インターペイ(オランダ)、セメタ(スペイン)、システマ4B(スペイン)、ビザ・インターナショナル(英国)が参加している。CEPS標準に基づいた電子マネーは2001年9月から発行され、3ヶ月の予定で実証実験が行われる。なお、DUCATOプロジェクトは欧州委員会の支援を受けている。

<仏:電子マネー「モネオ」、本格普及に向け導入拡大へ>
 フランスでは電子マネー「モネオ」が数都市において実証導入されているが、モネオを運営しているBMS社は5月31日、モネオの利用を2004年を目途に全国へ拡大する計画を発表した。モネオは最高200Fまでの小口支払に使用され、1999年にテスト導入されたトゥール市(中仏)では3万人が積極的に利用し、1万5,000人は少なくとも週に一度使用している。ブレスト、カンペール、モンペリエ、ボルドーなどへも導入済みだが、今回発表された導入計画によると、近いうちにリヨンおよびアンドル・エ・ロワール県の諸都市、2001年末までにブルターニュ地方全域へも導入され、その後、パリと首都圏、さらにリール、マルセイユなどの大都市、次いでサントル、アキテーヌ、ラングドック・ルシヨン、ローヌ・アルプ地域圏へと導入地域は拡大され、2004年末には全国で利用が可能となる予定。


2. 政策動向

<EU:欧州委員会、インターネットの安全性で勧告>
 欧州委員会は、インターネットの安全性確立に関する勧告を採択した。ウイルス、ハッカー、データや私信の違法入手などの危険性に関するもので、更に医療データや金融データなどに関する関連行政機関の責任にも注意を促している。欧州委では、加盟各国の現行法をチェックした上で、将来的に情報システムのリスクに関して欧州指令案を作成する意向である。

<独:行政の情報化計画>
 シュレーダー首相は5月14日、行政サービスへのIT導入計画「ブントオンライン2005」の骨子を発表した。2005年までに、1,200件の行政サービスをインターネットで行なえるようにする計画で、パスポートや運転免許証の更新、各種の納税申告など、数多くの行政サービスをオンライン化する。また、全国181ヵ所の労働局事務所に無料のネット端末を配備、インターネットを通じた求人広告を閲覧可能にする。このほか、内務省は、2006年には地方選挙でのオンライン投票を開始する方針で、現在準備を進めている。



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