
【 2002年9月号 】
〜 欧州の情報化を巡る最新動向 〜
JEITAパリ駐在 福 田 賢 一
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T.企業での情報化を巡る動向
前回の報告では欧州における行政サービスのオンライン化状況について取り上げた。今回は民間に目を転じて、欧州における企業の電子商取引の状況について取り上げる。また、企業にとって情報化に付随して重要となるテーマとして、テレワークに係る環境整備について取り上げる。
1.企業の電子商取引の状況
欧州委員会は4月11日、欧州における電子商取引に関するレポートを発表した。調査対象等については以下のとおりである。
- 調査時点:2001年上半期
- 対象国:EU15か国からフランス、ベルギー、アイルランドを除いた12か国
- 対象客体:従業員10名以上の企業
- 対象業種:製造業、流通業、ホテル及びレストラン業、運輸・倉庫・通信業、金融サービス業、ビジネスサービス業
(1) 情報通信技術の利用状況及びインターネット利用上の障害
最初に、企業における情報通信技術の利用状況を見てみよう(図1)。
図1 企業における情報通信技術の利用状況(%)

(注)「大」は大企業(従業員数250名以上)、「中小」は中小企業(同10名以上250名未満)。 「平均」は、各国企業数で加重平均をとったもの
(出所)E-commerce in Europe(欧州委員会), 2002年4月
Webアクセス及びWebサイト保有について、各国の間に大きな差が見られる。大企業と中小企業を比べると、コンピュータの利用についてはあまり差がないが、Webアクセスについては平均で14ポイントの差があり、Webサイト保有では同36ポイントもの差がある。中小企業における情報通信関係のインフラ整備については、未だ改善の余地があると思われる。
次に、企業がインターネットを利用する上で障害と考えていることを図2に示す。
図2 インターネットを利用する上での障害

(注)調査対象国はギリシャ、スペイン、イタリア、ルクセンブルグ、オーストリア、ポルトガル及び英国。
大企業は従業員数250名以上、中小企業は同10名以上250名未満。
(出所)E-commerce in Europe(欧州委員会), 2002年4月
大企業の8割以上がセキュリティに懸念を示していることが注目される。企業がインターネットを用いる際、セキュリティの確保は不可欠の要件である。ソフトウェアや通信の安全性について、官民を挙げてさらに取り組みを強化していく必要があろう。
変わったところではネットサーフィンに時間をとられることが指摘されている。企業としては、勤務時間中にインターネットを私的に利用されることにより、生産性が下がるのではないかという懸念であろうか。日本で財団法人マルチメディア振興センターが行った調査では、個人の86%が勤務先での私的な目的でのインターネット利用経験があり、そのうちの19%が私的利用により仕事の能率が上がっていると感じ、下がっていると感じているのは5%に止まっている。
さて、本調査では、従業員250名以上を大企業、同10名以上250名未満を中小企業とし、多くの項目で大企業と中小企業の数字をそれぞれ挙げている。本報告では必要以上に複雑となることを避けるため、大企業及び中小企業の数字を挙げるのはここまでとし、以降は大企業と中小企業をまとめた「合計」の数字を用いる。
また、各国ごとの数字を個別に追いかけると却って全体像が見えにくくなると思われることから、若干乱暴な方法ではあるが、図1に示した情報通信技術の利用状況により、調査対象12か国を以下のように4か国づつ3つの階層に分類し、以後各階層の比較で論じることとする。
第T階層:上位4か国(デンマーク、ドイツ、フィンランド、スウェーデン)
第U階層:中位4か国(オランダ、オーストリア、ポルトガル、英国)
第V階層:下位4か国(ギリシャ、スペイン、イタリア、ルクセンブルグ)
この分類は、図1のWebアクセスとWebサイト保有の数字(いずれも「合計」を使用)を加えたものにより、単純に3階層に分類しただけなのだが、第T階層はドイツを別とすれば北欧諸国、第V階層はルクセンブルグを別とすれば南欧諸国が占めており、企業による情報通信技術の利用については「北高南低」の傾向があるようだ。
(2) ネット購買(e-Purchase)の動向
ネット購買を実施している企業の割合を図3に示す。
図3 ネット購買を実施している企業の割合(%)
| 第T階層 |
第U階層 |
第V階層 |
上位3か国 |
下位3か国 |
| 35.0 |
21.3 |
10.8 |
デンマーク(37) ドイツ(37) フィンランド(35) |
ギリシャ(5) スペイン(9) イタリア(10) |
(出所)E-commerce in Europe(欧州委員会), 2002年4月
第T階層と第V階層では25ポイント近い差があり、情報通信技術の利用度合いに応じて、ネット購買の実施にも大きな格差があることが見て取れる。ただし、この数字にはインターネット以外を用いたネット購買も含まれているので注意が必要である。なお、インターネットを通じて2年以上ネット購買を実施している企業の割合は、最高のドイツ及びルクセンブルグでも5%に過ぎず、インターネットを通じたネット購買は始まったばかりであることが分かる。
ネット購買の利用状況を、取引段階別に見ていこう。まず、ネットを通じた購買注文を実施している企業の割合を図4に示す。なお、以下図4から図6までは、インターネットを用いたものだけの数字である。
図4 ネットを通じた購買注文を実施している企業の割合(%)
| 第T階層 |
第U階層 |
第V階層 |
上位3か国 |
下位3か国 |
| 38.3 |
16.3 |
10.0 |
スウェーデン(54) フィンランド(35) デンマーク(34) |
ギリシャ(5) イタリア(8) スペイン(9) |
(注)この数字には英国が含まれていない
(出所)E-commerce in Europe(欧州委員会), 2002年4月
第T階層と第U階層・第V階層の間に大きな格差がある。図4では大企業と中小企業の合計となっているため見えないが、スウェーデンの大企業におけるネットを通じた購買注文の実施割合は71%に達しており、注目に値する。
次に、購買に係る支払をネット経由で行っている企業の割合を図5に示す。
図5 購買に係る支払をネット経由で行っている企業の割合(%)
| 第T階層 |
第U階層 |
第V階層 |
上位3か国 |
下位3か国 |
| 20.8 |
7.7 |
4.3 |
スウェーデン(48) デンマーク(17) オランダ(14) |
ギリシャ(1) スペイン(3) ポルトガル(4) |
(注)この数字には英国が含まれていない
(出所)E-commerce in Europe(欧州委員会), 2002年4月
第T階層が大きな数字になっているのはスウェーデンの数字が大きいためで、スウェーデンを除いた第T階層の数字は11.7%となる。ネット経由の支払については、スウェーデンを除くと、購買注文に比べあまり実施されていないが、セキュリティの問題や、決済システムの整備が十分でないこと等によるのではないかと思われる。
購買物の電子的な配送、すなわちソフトウェアや文書、図画等をネットで直接入手している企業の割合を図6に示す。
図6 購買物をネットで直接入手している企業の割合(%)
| 第T階層 |
第U階層 |
第V階層 |
上位3か国 |
下位3か国 |
| 41.0 |
2.5 |
3.8 |
スウェーデン(65) デンマーク(47) フィンランド(46) |
ギリシャ(1) ポルトガル(2) オーストリア(3) |
(注)この数字にはオランダ及び英国が含まれていない
(出所)E-commerce in Europe(欧州委員会), 2002年4月
図6に示した上位3か国が突出して高く、4位はドイツ及びルクセンブルグの6%、すなわち12か国のうち9か国は6%以下である。購買物のネットによる直接入手は、未だこれからという段階である。
さて、ネット購買の実施に関して、企業は利点、問題点をどのように考えているのだろうか。第U階層(オランダを除く)及び第V階層の国の企業の回答について、利点を図7に、問題点を図8にそれぞれ示す。
図7 ネット購買の利点の中で、非常に重要又はかなり重要と考えている項目

(注)調査対象国はギリシャ、スペイン、イタリア、ルクセンブルグ、オーストリア、ポルトガル及び英国
(出所)E-commerce in Europe(欧州委員会), 2002年4月
図8 ネット購買の問題点の中で、非常に重要又はかなり重要と考えている項目

(注)調査対象国はギリシャ、スペイン、イタリア、ルクセンブルグ、オーストリア、ポルトガル及び英国
(出所)E-commerce in Europe(欧州委員会), 2002年4月
利点に対するポイントが高くないのに対し、問題点に対するポイントは高い。ネット購買に関して、第U階層及び第V階層各国においては、未だ問題点の方が利点より多いと考える企業が多く、そのために実施が進んでいないとみることもできよう。
利点については、よく言われるスピード、簡素化及びコスト削減が挙げられている。他方、問題点については、「契約、配送や保証についての不確実さ」及び「支払の不確実さ」を、それぞれ約4割の企業が挙げている。ネット上での取引ルールと、これを支えるメカニズム(例えばネット上での決済システム)の整備が求められよう。「欲しいものがネット購買で得られない」及び「サプライヤーの数があまりに少ない」に関しては、ネット購買が普及するにつれて、自然と解決されていくのではなかろうか。
(3) ネット販売(e-Sales)の動向
ネット販売の実施状況について、図9に示す。
図9 ネット販売を実施している企業の割合(%)
| 第T階層 |
第U階層 |
第V階層 |
上位3か国 |
下位4か国 |
| 21.3 |
14.3 |
6.3 |
ドイツ(31) デンマーク(28) オランダ(23) |
イタリア(3) ギリシャ(6) スペイン(6) ポルトガル(6) |
(出所)E-commerce in Europe(欧州委員会), 2002年4月
第T階層と第V階層の格差が大きい。ネット購買と比較すると、ネット販売の実施は各階層ともに約2/3となっている。この数字も図3と同じく、インターネット以外を用いたネット販売が含まれているので、注意が必要である。なお、インターネットを通じてネット販売を2年以上実施している企業の割合は、最高のドイツでも4%に過ぎない。ネット購買と同じく、インターネットを通じたネット販売も未だ始まったばかりであることが分かる。
ネット販売の実施状況を、取引段階別に見ていこう。まず、製品情報をネットで提供している企業の割合を図10に示す。なお、図10及び図11は、インターネットを通じたものだけの数字である。
図10 製品情報をネットで提供している企業の割合(%)
| 第T階層 |
第U階層 |
第V階層 |
上位3か国 |
下位3か国 |
| 27.5 |
8.0 |
5.3 |
フィンランド(29) ドイツ(26) オーストリア(11) |
イタリア(2) スペイン(5) ポルトガル(5) |
(注)この数字にはデンマーク、オランダ、スウェーデン及び英国が含まれていない
(出所)E-commerce in Europe(欧州委員会), 2002年4月
第T階層と第U階層・第V階層の間に大きな格差があるが、これはWebサイト保有比率によるところも少なくないと考えられる。当該比率は第T階層では64.5%であるのに対し、第V階層では21.5%となっている。
次に、ネットで注文を受けている企業の割合を図11に示す。
図11 ネットで注文を受けている企業の割合(%)
| 第T階層 |
第U階層 |
第V階層 |
上位3か国 |
下位3か国 |
| 19.3 |
12.7 |
4.5 |
デンマーク(24) オランダ(23) ドイツ(22) |
イタリア(2) スペイン(4) ポルトガル(4) |
(注)この数字には英国が含まれていない
(出所)E-commerce in Europe(欧州委員会), 2002年4月
この数字にも、先のWebサイト保有比率が影響を与えていることが考えられる。
ネットで商品を配送(例えばソフトウェアのダウンロード形式による販売等)を行っている企業の割合は、最高のデンマークが7%、2位のスウェーデンが4%、他は2%以下となっている。しかしながら、デジタル化することのできる製品でなければネットで配送できないことから、この数字をもって多い少ないを議論することは困難と考えられる。
さて、ネット販売の実施に関して、企業は利点、問題点をどのように考えているのだろうか。第U階層(オランダを除く)及び第V階層の国の企業の回答について、利点を図12に、問題点を図13にそれぞれ示す。
図12 ネット販売の利点の中で、非常に重要又はかなり重要と考えている項目

(注)調査対象国はギリシャ、スペイン、イタリア、ルクセンブルグ、オーストリア、ポルトガル及び英国
(出所)E-commerce in Europe(欧州委員会), 2002年4月
図13 ネット販売の問題点の中で、非常に重要又はかなり重要と考えている項目

(注)調査対象国はギリシャ、スペイン、イタリア、ルクセンブルグ、オーストリア、ポルトガル及び英国
(出所)E-commerce in Europe(欧州委員会), 2002年4月
ネット購買と比較すると、ネット販売では利点について多くの項目が挙げられており、企業のネット利用に対する関心は、購買よりも販売の方が高いのではないかと思われる。企業間の競争が厳しさを増す中で、販路拡大、サービスの向上、コスト削減など、企業の競争力に係る部分に対してネット利用の関心が寄せられているものと理解できる。
問題点については、4割の企業が「メンテナンス・改修費用」を挙げており、ネット販売の利用について費用が大きな制約要因となっていることがうかがえる。複数企業で共通利用できるプラットフォームの構築などが求められよう。また、約1/3の企業が「既存の販売チャネルへの配慮」を挙げていることが注目される。ネット時代に対応した販売チャネルの再編成は、容易ではないということであろうか。
(4)電子政府進展状況と電子商取引の利用状況の関連
前回の報告で取り上げた電子政府の進展の状況と、今回の電子商取引の利用状況とは、関連性があるだろうか。
電子政府の進展度合いを示す指標として行政サービスのオンライン化状況を縦軸に、電子商取引の利用状況を示す指標としてネット購買実施率とネット販売実施率を加えたものを横軸にとり、各国の状況をプロットしたものを図14に示す。縦軸と横軸の交わるところが電子政府、電子商取引ともに各国の平均値を表し、上に行くほど平均以上に電子政府が進んでいることを、右に行くほど電子商取引が進んでいることを表している。
図14 電子政府進展状況と電子商取引の利用状況の関連

(出所)Web-based Survey on Electronic Public Service(欧州委員会),2002年6月 及び E-commerce in Europe(欧州委員会), 2002年4月
結果として、図中に示したとおり、大きく3つのグループに分けられるように思われる。
1つめは図中に「グループ1」として示した北欧を中心とする各国で、電子政府、電子商取引ともに進んでいる。今後EU内での情報化の牽引役となることが期待される。
2つめは同じく「グループ2」として示した南欧を中心とする各国で、電子政府については平均的な水準であるが、電子商取引はあまり進展していない。このグループの各国では、企業のWebサイト保有率が平均で26%と全体平均よりも20ポイントも低く、民の情報化が相対的に遅れている。民の情報化に対する支援が望まれよう。
3つめは図中に「グループ3」として示した各国で、電子政府はあまり進展していないが、電子商取引については平均以上の水準である。電子政府に対する取り組みの強化が求められよう。
電子政府と電子商取引が車の両輪となって、官民合わせた国全体の競争力を高めていくことを考えれば、特にインターネットの世界だけでなくリアルの世界でも国境の概念が消失しつつあるEUにおいては、図14でどこに位置付けられるかは少なからぬ意味を持つのではなかろうか。
2.テレワークに係る環境整備
EUでは現在約450万人のテレワーカーがおり、2010年には1,700万人を超えるとの推計もある。日本では、総務省「テレワーク人口等に関する実態調査」によると、2002年時点での雇用型テレワーク人口は285.7万人で、5年後の2007年には563.1万人になると推計されている。テレワークの定義には確たるものがないので、EUの数字と日本の数字を単純には比較できないが、今後テレワーク人口が大きく拡大するとしている点では共通している。
ITの発展は、テレワークに対しても大きな影響をもたらすものと考えられるが、他方で現状の雇用関係はテレワークに十分対応できていない面もあると思われる。
こうした状況の中で、7月16日、欧州の労使双方の代表機関である欧州労連(ETUC)、欧州産業経営者連盟(UNICE)/欧州職人中小企業連盟(UEAPME)及び欧州公共企業体センター(CEEP)は、テレワーカー雇用に関する協約に署名した。これは欧州委員会からの働きかけによって昨年9月からETUC、UNICE/UEAPME及びCEEPが協議を進めてきたものであり、各国の関係団体はこの協約に記された事項を3年以内に実施するとともに、その状況を報告することとなっている。
この協約では、テレワークを「雇用契約又は雇用関係において、通常の雇用の場所とは離れたところで、ITを用いて、業務を遂行する形態」と定義し、以下の7つの項目を掲げている。(各項目について、要点だけを記した。)
@雇用条件・・・法律等の制限内で、テレワーカーは一般従業者と同様の権利を有する
Aデータ保護・・・雇用者は、データ保護のための適切な手段をとる責務がある(後述)
Bプライバシー・・・雇用者は、テレワーカーのプライバシーを尊重する
C機材・・・一般的に、雇用者は通常のテレワークに必要な機材を用意する責務がある
D健康と安全・・・雇用者は、テレワーカーの健康と安全を守る責務がある
E業務形態・・・法律等の範囲内で、テレワーカーは労働時間を自分で管理する
F訓練・・・テレワーカーは訓練やキャリアアップの機会を一般従業者と同様にとれる
この中で、「Aデータ保護」はIT対応を特に色濃く出しており、注目される。以下に、同項目の全文を示す。
データ保護業務上の目的でテレワーカーが使ったり又は処理したデータの保護を確実なものとするために、特にソフトウェアに関して、雇用者は適切な手段を講じる責務がある。
雇用者はテレワーカーに対し、データの保護に関する全ての関係する法律や企業規則について、通知する。
これらの規則に従うことは、テレワーカーの責務である。
雇用者は、特に以下の点について、テレワーカーに通知する。
- IT機器及びインターネット等ツールの利用に係る全ての制限
- 規則に従わなかった際の罰則
セキュリティ対策という観点から見れば、テレワーカーだけでなく全ての従業者にルールを周知するとともに、システム面でも必要となる対策を講ずることが絶対必要条件であり、通常であれば企業のセキュリティポリシーに上記条項と同じような内容の条項が含まれていると思われる。しかしながら、テレワークの普及によりセキュリティ問題はより重要となるであろうし、企業によっては未だセキュリティポリシーを策定していないところもあるであろうから、「データ保護」として1つの項目をたて、明確に要件を示したことについて、高く評価されるべきであろう。
テレワークの定義に「ITを用いた」と明記したこの協約は、情報化が進展するにつれて、より重要性を増していくことと思われる。今後、各国関係団体によってどのように適用されていくかが注目される。
U.産業動向
1.コンピュータ、インターネット
<仏:ADSL値下げ>
仏電気通信規制局(ART)は4月30日、フランステレコム(FT)に対しADSLに関する新しい料金体系を導入するよう勧告した。これを受けFTは7月18日、新電電向けに40%、プロバイダ向けに25%の値下げを行うことで、ARTと合意した。他方で、同日、FTは固定電話の基本料金を0.45ユーロ(+3.6%)引き上げる旨発表しており、ARTはADSL値下げの見返りとして固定電話値上げを認めた、との観測もある。
2.テレコミュニケーション
<蘭:iモード利用者が10万人を超える>
オランダの携帯電話事業者KPNモバイルは8月14日、同社のiモード利用者数が10万人を超えたと発表した。利用者数はオランダで23,000人、ドイツで77,000人。iモードの公式サイトはオランダで80以上、ドイツで100あり、その他にも7,000以上のiモードサイトがあると推測している。同社は2003年にはiモードの利用者が100万人に達するものと見ている。
V.政策動向
<EU:サイバースクワット>
欧州委員会は7月30日、サイバースクワットに関するオンライン調査を始めたと発表した。この調査は、将来の「.eu」ドメインの運用に際してドメイン名の投機的な、あるいは不正な登録を防ぐためのルール改善に役立てるためのものである。欧州委員会で企業・情報社会を担当するリーカネン委員は、「サイバースクワッティングは、『.eu』ドメインをインターネット利用と電子商取引を加速するエンジンの1つにしようとする我々の努力を害するものだ」と述べている。調査はWeb上でのアンケート形式で、個人、企業、公的機関等、幅広い層からの回答を求めている。締切は本年10月31日。
(注)サイバースクワットとは、第3者が商標名等をドメイン名として登録し、正規の商標名所有者に対し、当該ドメイン名を高額で売ろうとする等の行為。
<仏:CNILの2001年活動報告書>
情報処理・自由全国委員会(CNIL)は7月10日、2001年の活動報告書を発表した。個人情報に関して、商業目的のアンケート、銀行、通信などの分野で苦情が増えており、苦情総数は前年比5.1%増の3,500件に達した。大統領選挙の際にインターネット世論調査を装ってプライバシー情報を収集した事案と、伝言サービスを用いた勧誘活動に関する事案が、パリ検事局に告訴されている。
<仏:警察官によるサーバーアクセス>
仏国で現在議論されている国内治安のための法案の付属文書において、「事実の究明に必要と判断される場合、司法官の許可を得た上で、警察官が遠隔地から直接情報にアクセスできる権利を認める」旨が記載されていることが、波紋を呼んでいる。国境なき記者団(RSF)は7月30日にプレス発表を行ったが、その中で、ユーザの活動のログの記録されたISPのサーバーを検索し、あるいは自動的に情報を把握することを当局に認めることにつながるとしている。
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