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パリ駐在員報告
 【 2004年1月号 】



 仏における廃電気電子機器リサイクル法制化の動向(その2)


T.仏における廃電気電子機器リサイクル法制化の動向

1.はじめに
 欧州駐在員報告2003年8月号及び同11月号で御紹介したように、仏では2つの欧州指令、廃電気電子機器(WEEE)指令及び電気電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限(RoHS)指令の国内法制化が進められている。
 今般、当該法制化のための政令案(第5版)がまとめられたことから、在欧日系企業9社の参加を賜り、仏経済・財政・産業省の産業・通信技術・郵政総局(以下、「仏産業省」)と意見交換を行う機会を12月9日に設けた。
 その概要について、仏産業省からの回答を中心に、簡単に御紹介する。
 なお、当方では引き続き本件に関する意見交換を行うこととしており、政令等の動向を見つつ、2004年1月末か2月初めを目途に次回意見交換会を開催予定である。

2.政令の策定状況
 今般まとめられた政令案第5版は最終案とされており、今後これが政令としての公布手続きに進んでいくこと、及び並行して政令の詳細を定めるアレテ(省令)の作成が進められることとなるが、その状況についての仏産業省の説明は以下のとおりである。

  • 政令は、政令案第5版を全て含むものではなく、その原則だけを記す。政令を基に10以上のアレテが出され、ここで実際にどう実行されるのかが記される。

  • 今後、2004年初めに政令の政府原案が認可される。その後、少なくとも3つの諮問機関(公正取引委員会、地方自治体高等委員会、環境高等委員会)に提出され、2〜3か月、検討が行われる。

  • 諮問機関が政令を検討した後に国務院に政令原案を提出するが、このときに主要アレテを同時に提出できるよう、役所側はアレテの作成作業に入る。政令、アレテともに2004年の採択を目標としている。

3.対象物資
 政令案第5版では附録1にて対象物資を定義しているが、実際には10の製品カテゴリが示されているのみで、具体的な対象物資は明確にはなっていない。このため、仏政府が対象物資のリストを作成することとしているが、これはEU全体で調和がとれたものである必要がある。他方、WEEE指令の適用についてのEUレベルの委員会であるTAC(技術適合委員会)では、対象物資のリスト作成を行っているが、その作業はあまり進んでいない。この問題についての仏産業省の説明は以下のとおりである。

  • 11月26日のTAC会合にて、TAC代表者に聞いてみたが、この問題について確固とした答えはないとのことであった。リストを作る作業はたいへん複雑であり、失敗に終わる可能性も否定はできない。

  • 仏行政側としては、TACの一致した見解を待っている。もし、TACで意見の一致を見なければ、仏行政側が責任をとって、仏国内で適用されるリストを作る。仏行政側としては、リストをリーズナブルな範囲より広げるつもりはない。

4.第一次回収拠点の設置
 家庭から排出された廃電気電子機器を回収した後、最初にこれが集積される場所、すなわち第一次回収拠点について、政令案第5版では、地方自治体又は流通業者がこれを設置するが、それがなされない場合は生産者が設置することとされている。これは生産者に大きな負担をもたらす可能性があるが、仏産業省の説明は以下のとおりである。

  • 政令のいくつかの点は、政治的な見解で決められる。仏におけるゴミ処理を考えるとき、地方自治体を無視することはできない。

  • 地方自治体をゴミ全体を回収する義務を負っている。流通業者も義務からは逃れられない。ただし、彼らが義務として負っていないのは、ゴミの仕訳である。

  • 政令の読み方は、次のとおりである。仏市町村の殆どは既に回収拠点を持っており、この場合は生産者は電気電子機器の仕訳のための追加投資を行う。回収拠点を持っていない場合には、生産者が仕訳のできる回収拠点を作る負担を負うことになる。

  • 仏には3万6千の市町村があり、人口が2〜3人という村もある。実利的な問題を考えないといけない。実際に村では回収拠点を持っていないところもある。各地域において、産業側と自治体が、地域としての合意を得て解決すべき問題である。

  • 全国レベルで市町村を代表する組織と産業界の間で、本件についての枠組み合意が作られると思う。枠組み合意の中では産業界が払う価格表が作られる。市町村の殆どが枠組み合意を採用するものと期待している。

5.保証金
 政令案第5版では、WEEE指令と同じく、生産者は製品上市の際、保証金を提供しなければならないこととされている。この保証金の提供に関しては、集団スキームへの参加によって果たすこともできる。保証金に関する仏産業省の説明は以下のとおり。

  • 必要な形式、財政的能力を有する団体は、認可を得て、生産者の保証金提供スキームを代行できる。

  • 団体に何社加盟しなければならないという義務はないが、財政的能力については@加盟企業数、Aある製品についての加盟企業を合わせた市場シェア、B市場シェアについての加盟企業間のバランス(1社が過度にシェアを有しないこと)が挙げられるだろう。これは検討中であり、アレテレベルで明確にしなければならない。

  • 保証金の企業間の分配については、未だ決まっていない。

  • 保証金は政令にある生産者義務を果たすために使われる。第一次回収拠点以降はもちろん含むが、地方自治体に対する支出、第一次回収拠点での仕訳費用、回収拠点がない場合の創設費用にも使われる。

6.ヒストリカル・ウェイスト
 2005年8月13日以前に上市された製品の廃棄物(ヒストリカル・ウェイスト)のうち家庭から排出されるものについては、その処理費用は生産者が例えば市場シェア等により比例負担することとされている。ただし、8年間は当該費用を生産者はユーザーに請求できることとされている。請求できる費用が製品によって統一となるのか、ある程度の幅が認められるのかが問題であるが、仏産業省の説明は以下のとおりである。

  • 料金体系の調和をとることを政令案第5版に書いたが、調和がどこまで必要であるかは分からない。本件は公正取引委員会の諮問に任せたいと思う。競争原理を遵守するような原則を、公正取引委員会が出してくるであろう。

  • 流通業界は、価格の違いが出ることに非常に反対している。理由は、消費者とのコミュニケーションである。
 また、業務用のヒストリカル・ウェイストの回収責任に関しては、最近、WEEE指令に変更が加えられ、原則として生産者が責任を負うこととされた。この点について仏産業省の説明は以下のとおりである。
  • 欧州指令では、生産者が回収と処理の責任を負うこととされているが、加盟国は別の分配方法を考える権利を持つとされている。

  • 我々は生産者でなく所有者がこの責任を持つことを選んだ。この考え方は生産者にとって有利なものであると思う。


U.産業動向

<欧:高速インターネット接続数倍増>
 ECTA(欧州競争電気通信協会)は12月8日、2003年9月末における欧州でのDSL普及状況に関するスコアカードを発表した。1年前の2002年9月末の状況と比較すると表1のとおり、高速インターネット接続の数は1年間で倍増している。

(表1)EU15か国における高速インターネット接続の状況
表1
(備考)一部の国のデータについては時点が異なる
(出典)ECTA資料から作成

 既存事業者の回線によるDSL接続を提供形態別に見ると表2のとおり、既存事業者又はそのISPによる提供よりも、卸売り及び相互接続形態によるものが大きく伸びている。しかしながら、依然として8割以上を既存事業者又はそのISPが押さえている。

(表2)既存事業者の回線によるDSL接続の提供形態
表2
(備考)一部の国のデータについては時点が異なる
(出典)ECTA資料から作成

V.政策動向

<EU:電池回収リサイクル指令案発表>
 欧州委員会は11月25日、電池回収リサイクル指令案を発表した。現行の指令(91/157/EEC)では水銀、カドミウム、鉛を含む電池のみが有害廃棄物として回収が義務づけられていたが、これは電池全体の7%に過ぎず、今回の指令案では回収・リサイクルの対象を全ての電池に拡大する。
 指令案では電池の回収について、携帯用電池については消費者が回収拠点に無料で持ち込む、産業用電池については生産者が最終ユーザから回収することとしている。リサイクル目標については原則100%であるが、携帯用電池については90%以上としている。またリサイクル率については、鉛蓄電池では鉛全量及び全重量で65%以上、ニッケルカドミウム電池ではカドミウム全量及び全重量で75%以上、その他電池は全重量で55%を提案している。
 費用負担については、携帯用電池については少なくとも回収拠点から後について生産者が回収処理費用を負担、産業用及び自動車用電池については生産者が回収処理費用を負担、ヒストリカル・ウェイストについては生産者責任を原則としつつ産業用電池についてはユーザが負担するとしている。
 なお、RoHS指令は電気電子機器における有害物質の使用を規制しているが、電池は対象外となっている。WEEE指令との関係では、電池が廃電気電子機器から取り外された時点で、電池の生産者がその回収処理の責任を負うとしている。



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