
【 2004年6月号 】
T.仏における電子商取引の最新動向
1.はじめに
仏経済・財政・産業省産業・通信技術・郵政総局は4月、デジタル経済ミッションの一環として、電子商取引に関する最新データ(第5版)を発表した。
今回は、この最新データについて御紹介する。
2.企業におけるWebサイトの活用
従業員数20名以上の企業における、Webサイトの利用状況を図1に示す。(数値は、Webサイトを保有する企業のうち、当該利用を行っている企業の割合である。)
図1 企業におけるWebサイトの利用状況

(出典)デジタル経済ミッション(以下、同じ)
電子商取引という観点からは、オンライン注文、注文の追跡、セキュアなオンライン決済が重要であるが、これらはそれぞれ、7%、3%、2%しか利用していない。
3.企業における電子購買の実施状況
企業規模別の電子購買の実施状況を表2に示す。ここでの電子購買は、インターネットを用いたものだけでなく、EDI及びミニテル(ビデオテックスサービスの一種)を用いたものも含まれる。
表2 企業規模別の電子購買実施状況

企業規模を問わず、1年の間に電子購買の実施率が大幅に上昇している。
これを業種別に見ると、図3のようになる。
図3 業種別の電子購買実施状況(2002年)

さて、電子購買について企業が利用している媒体別に見ると、2002年の数字でインターネットが42.3%、EDIが3.3%、ミニテルが1.9%となっており、ほとんどをインターネットが占めている。
ところが、企業が実際に購入した金額ベースで見ると、企業の購入金額全体に占める割合は、2002年の数字でインターネットが4%、ミニテルが0.7%に過ぎないのに対し、EDIが19%となっており、大きなシェアを占めている。
4.企業における電子販売の状況
企業規模別の電子販売の実施状況を表4に示す。ここでの電子販売は、インターネットを用いたものだけでなく、EDI及びミニテル(ビデオテックスサービスの一種)を用いたものも含まれる。
表4 企業規模別の電子販売実施状況

企業規模を問わず、電子購買に比べて実施率が低く、また1年の間の伸び率も小さいものとなっている。
これを業種別に見ると、図5のようになる。
図5 業種別の電子販売実施状況(2002年)

概して、消費者に近い製品ほど、電子販売の実施率が高いと言える。
さて、電子販売について企業が利用している媒体別に見ると、2002年の数字でインターネットが8.0%、EDIが7.2%、ミニテルが0.8%となっており、ここではインターネットとEDIが拮抗している。ただし、2001年の数字はインターネット4.9%に対し、EDIは7.6%であるから、インターネットが伸びているのに対し、EDIは微減となっている。
ところが、企業が実際に販売した金額ベースで見ると、企業の売上金額全体に占める割合は、2002年の数字でインターネットが2%、ミニテルが0.6%に過ぎないのに対し、EDIが23%となっており、大きなシェアを占めている。
5.インターネット販売の問題点
Webサイトを有する企業に対し、インターネット販売の最大の障害を尋ねた結果を図6に示す。
図6 インターネット販売の最大の障害(2002年)
U.産業動向
<仏:2004年第1四半期のB2C市場、大幅に拡大>
仏ACSEL(オンライン商業サービス協会)は5月6日、同協会加盟大手21社の2004年第1四半期のB2C取引売上高が前年同期比61.9%増の5億4500万ユーロとなったと発表した。同21社のB2C取引売上高は、仏全体のB2C取引売上高の約50%を占めるとのことである。
また、仏でのネット購買利用者は、同期間に870万人を記録し、前年同期比38%増であった。性別・年齢別では、女性のネット購買利用者が55%増加したほか、50才以上のネット購買利用者が45%増加した。
V.政策動向
<EU:ブロードバンド戦略に関するコミュニケ>
欧州委員会は5月11日、「欧州を高速回線で結ぶ:ブロードバンド国家戦略」と題するコミュニケを発表した。
コミュニケでは、EU15か国におけるブロードバンド接続数が2003年末に2280万回線と1年間で倍増し、人口普及率でも6%に達したとした。接続種別ではDSLが74%、ケーブルが22%である。EU全体として、世界各国との比較でブロードバンドの普及においてトップランナーとは言えないが、その差は縮まりつつあるとの認識を示した。
他方、EU15か国における人口カバー率で見ると、国土全体でDSLが80%強、ケーブルが30%弱となっているものの、地方ではDSLが50%弱、ケーブルが5%未満にとどまっており、地方に対する公的資金の投入が必要であるとしている。
2003年春の欧州理事会において、EU加盟各国は、2003年末までにブロードバンド国家戦略を定めなければならないとされた。コミュニケでは、加盟各国は、本コミュニケで見直された目的及びロードマップに対して、ブロードバンド国家戦略が整合的なものとなるよう求めている。
ちなみに仏では2004年に入って、やっとブロードバンド国家戦略が制定され、2004年3月22日に欧州委員会に提出されている。その内容は、大まかに以下のとおりである。
- ブロードバンドカバー率の拡大
- 公的セクターにおける利用の推進
- 公的機関や学校、病院のブロードバンドへの接続
- 中小企業のブロードバンドへの接続
- その他(情報通信に係るトレーニングの推進、ブロードバンド・キャンペーン等)
© JEITA,2004
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