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パリ駐在員報告
 【 2004年7月号 】



 仏におけるテクノポリスの概要


T.仏におけるテクノポリスと産業クラスター

1.はじめに
 仏では、テクノポリスのラベル認定はFTEIという団体が行っている。現在、FTEIは47のテクノポリスと、25のインキュベータを会員としている。このFTEIが公表したレポートを中心に、仏におけるテクノポリスの概要を眺めてみる。
 また、産業クラスターについても、DATAR(仏産業開発局)の資料を基に概観する。

2.テクノポリスの企業数・雇用者数等
 FTEI傘下47テクノポリスについて、その企業数、雇用者数等を表1に示す。

表1 テクノポリスの企業数、雇用者数等
表1
(出所)FTEI調査

 小生が調べた範囲内では日本の同種の数字を見つけることができなかったため、日本の状況と比較することはできないが、2003年のテクノポリスの雇用者数222,930人は、仏製造業雇用者総数(3,964,700人:2003年末)の5.6%に相当する。これは日本と比べると相当大きな数字ではないかと思われるが、いかがであろうか。

3.テクノポリスの専門分野
 FTEI傘下47テクノポリスの専門分野を表2に示す。なお、ほとんどのテクノポリスは複数の専門分野を掲げており、表2は当該分野を専門分野の1つとしているテクノポリスの数である。

表2 テクノポリスの専門分野(上位5つ)
表2
(出所)France Technopoles Entreprises Innovation 2004 から作成

 ITを専門分野の1つに挙げたテクノポリスは全体の7割を占め、2位のバイオ・ゲノム、3位の環境・リサイクルを大きく離している。
 実は、この表は元資料の細かな分類(27分類)を大括りにまとめて作成したもので、「IT」には狭義の情報通信だけでなく、AV、VR、マルチメディア等も含めている。しかし狭義の情報通信を専門分野の1つに挙げたテクノポリスは29に上り、いずれにせよITが最大の分野であることには間違いない。
 仏のITにかける意気込みは、この数字にも現れていると言えるのではなかろうか。

4.テクノポリスの地理的分布
 テクノポリスの地理的分布を図3に示す。この図の中で、■で示されているのがテクノポリスである。(インキュベータ等も同じ場所にある場合、それらを表す△や○が重なっている。)

図3
図3
(出所)France Technopoles Entreprises Innovation 2004

 一見して、仏全土にあまり偏りなくテクノポリスがあることが分かる。図中左側、海外県のギアナ、レユニオンにもテクノポリスがある。なお、図中右下の島は、コルシカ島である。

5.産業クラスター
 DATARは産業クラスターを次のとおり定義している:「一般的に雇用と一致した地域に位置する独特の生産的組織。こうした組織は、類似又は補完的な活動主体を結びつける役割を果たす」。
 仏には2003年11月時点で99の産業クラスターがある。これを主要分野別に分けると表4のようになる。

表4 主要分野別産業クラスター数
表4
(出所)DATAR資料から作成

 テクノポリスでは大きな存在感のあるIT分野であるが、産業クラスターに目を転じると、あまり大きな存在ではない。最大の分野である機械と食品は、いずれもフランスが競争力を有している分野である。
 仏を代表する産業クラスターの組織「CDIF」には30以上の産業クラスターが加盟しており、その傘下には5000以上の企業と15万以上の雇用者が属している。


U.政策動向

<EU:これからの科学技術政策に関するガイドライン発表>
 欧州委員会は6月16日、「科学技術、欧州の将来への鍵 − 将来のEUの研究支援政策のためのガイドライン」と題する文書を発表した。
 文書では、2007〜2013年の研究開発予算を倍増(年間100億ユーロ)し、特にマイクロエレクトロニクス、通信、バイオテクノロジー、航空といった重要分野において、資源の「クリティカル・マス」を確保することを提案している。また、予算の配分については、@現在の活動と新規の活動の間のバランス、A知識の拡大のための研究とその産業活動への利用の間のバランス、B人的資源への支援と機材等資源への支援の間のバランス、を考慮しつつ行うことを提案している。
 政策目標としては、以下の6つを提案している。

  • 研究所間の連携を通じ、欧州のセンター・オブ・エクセレンスを創生すること
  • 欧州技術イニシアチブを開始すること
  • 欧州大での競争を通じ、基礎研究の独創性を刺激すること
  • 最高の研究者にとって欧州をもっと魅力あるものとすること
  • 研究インフラを整備すること
  • 各国での研究開発プログラムの連携を強化すること
 新たな重点分野としては、宇宙と、セキュリティ(情報通信だけでなく、運輸、国家まで含む)を特記している。



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