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パリ駐在員報告
 【 2005年4月号 】



 仏における廃電気電子機器リサイクルの最新動向

はじめに

 仏においては、未だなお、RoHS/WEEE欧州指令が国内法制化されていない。本件については、過去数度に渡り本駐在員報告で、動きを報告している。
 さて、本件に関し本年2月23日に、仏環境省主催により、メーカー及び関係業界団体との意見交換会が開催され、22名が出席した。
今回は、この意見交換会の概要を報告する。


法制化スケジュール

 政令案については、昨年11月に関係大臣が合意に達し、現在以下の諮問期間で検討されている。

  • 首相官房の廃棄物国家評議会

  • 公正取引委員会:ビジブル・フィーについて3月9日に会議が開催され、3月中旬に回答が出される予定

  • 財政上の立法・規制諮問委員会:ファイナンシャル・ギャランティーについて2月25日に会議が行われる(環境省の後日報告によれば、好意的回答とのこと)

  • 地方財政委員会:3月1日に会議開催予定(環境省の後日報告によれば、時間切れで、数週間後に持ち越されたとのこと)

 政令案はEU委員会及びEU加盟各国にも送付されており、異議申立期間は3月中旬で終了する。
 従って、意見が全て出揃うのは3月末頃となる。その後コンセイユ・デタにかけられ、閣議で署名されるのが4月末か5月初めの予定であり、その数日後に発行されることとなる。
 複数の参加者から、本年8月13日に運用開始するには時間的に間に合わないとの指摘があった。
 これに対して環境省は、時間がかかることは確かだが、行政側の立場として猶予期間を明確に与えることはできないとの姿勢であった。また、一斉に開始することの重要性を数回に渡り指摘するとともに、少なくとも製品へのラベル貼付だけは8月13日には完了していなければならないとした。


エコ・オーガニズムの動向

 この意見交換会では、エコ・オーガニズムのプロジェクトについて、当事者から説明が行われた。

(1) Eco-Systemes
 GIFAM(家電)、FCD(流通)及びSIMAVELEC(黒物家電)の3団体で、エコ・オーガニズムの創設に向けて取り組んでいる。財政、ロジ、回収面でも綿密な調査を行い、数週間内にも会社設立予定であるが、公式見解は未発表。流通業界との連携により既存のシステムを最大限に活用するとともに、多くの企業に働きかけることにより、最善の解決策を目指す。回収からリサイクルまでを安価に行うために、生産者間の回収、ロジ、リサイクルのシナジーをモットーとする。

(2) AllianceTiCS
 ITの団体。FICIME(機械・電子機器の団体)とともに、企業を集めるためのプロジェクトの条件明細書を詰めている段階。地方自治体とのネゴシエーションに向けての準備が重要と考えている。

(3) ERP
 ブラウン、エレクトロリュックス、HP及びソニーが一体となり設立した企業。GEODIS及びSITA(いずれも仏の廃棄物処理企業)と提携し、欧州各国でシステムを構築。登録、政令対応のスケジュール調整などの共通分野では他セクターと協力しつつ、同時にセクター間の競争も促進したいとする。

(4) ランプ業界
 8月13日までに、家庭用及び業務用ランプの回収・処理を行う会社を設立予定。約7千万個に上るランプの購入場所は10%が流通業者、90%が電気電子材料の卸。家庭用については、特にロジ関係で流通業者の協力が必要なため、Eco-Systemesと交渉中。

(5) 環境省のコメント
 これらのプロジェクトにブレーキとならないよう、回収や分担金等について、地方自治体との交渉を始める前に、産業界で足並みを揃える必要がある。
 環境省提案で回収についての共同基準を設けること(ゴミ箱の設置など)について多数決が行われ、全員一致で受け入れられた。


地方自治体との交渉

 Eco-Systemesは、まだ地方自治体との交渉は行っていないが、地方自治体との交渉は、組織作りから最終契約まで6か月から1年かかると予想。
 ERPは、地方自治体との交渉に際し、産業界の業界団体から代表者を選出することを提案。産業省は、超過コスト(既存の選別回収に、電気電子機器を追加するために発生するコスト)についての交渉は、まず産業界が一致団結する必要性を繰り返し指摘。AllianceTiCSは、まず組織作り及びロジについて交渉を始めるべきと意見。しかし、Eco-Systemesは産業界での公的共同意見を取る前に、地方自治体と組織作りについて話合いを始めたほうがいいのではないかとコメント。Eco-Systemesによれば、地方自治体側もまだWEEEの諮問委員会を設立していないようである。これに対し、ERPは、産業界での共同意見の取りまとめが大事であるとコメント。環境省も産業界で最低限の意見調整が大事だとした。Eco-Systemesは、地方自治体と対話をせずに最低限の不可侵共同意見を作るのは不可能であり、セクターごとに利害関係が異なるため、各セクターが各々の利害について話合いを進めた上で、その結果を寄り集めるやり方がふさわしいのではないかと反論。環境省は、施行までのスケジュールが押していて、各々が地方自治体と話し合う時間はないので、ゴミ箱などのように最低限の部分で共同メッセージを作るべきであり、このように以上の2つ対立意見の妥協策が取れるはずであるとコメントした。
 AllianceTiCSは、調整機関が地方自治体に対する唯一の窓口として考えられているのであれば、まず、産業界の合意の上で組織を作って、市町村長協会にコンタクトしていくことを提案。産業省は、現在、市町村長協会が政令案に盛り込まれた「超過コスト」という言葉の削除を求めて行政側に対してロビーイングを行っている最中であることを紹介。今、超過コスト、組織作りやロジについて地方自治体と議論を始めようとしても、議題が「超過コスト」の文言問題に戻される可能性があるため、産業界は政令の交付までゆっくり時間をかけて十分な準備を行うべきであると再度指摘した。


ビジブル・フィー

 FCDから、ビジブル・フィーはエコ・オーガニズムに関わらず、同じであるのかという質問が出されたが、結果は公正取引委員会の決定待ちとなるとの回答であった。デクレが謳っている透明性に従うならば、同一価格になるのではないかとの発言もあったが、コストは多様になるため、それは承認の結果により価格競争が行われるようになるべきだとする意見も複数出された。環境省は、目に見える貢献が消費者にとって重要であるとコメントし、様々な価格提案があるのであれば、一番安い価格に設定されるだろうとした。産業省もFCDも、競争分野外として考えていくべきだとした。


地方自治体との交渉

 環境省は、梱包材廃棄物については、政治的要素が大きく、地方自治体との交渉が難航し承認手続きに時間がかかったが、WEEEについては8月13日以前に地方自治体との交渉を始めるべきであるとし、認可手続きについては、この地方自治体との交渉の状況によるとした。流通業界は、認可手続きが遅れ、まだ認可が与えられていないのにも関わらず、流通業界にWEEEが集められると、そのまま長い間保管されることになるとの懸念を指摘し、よって政令より生じる義務の発生は、エコ・オーガニズムの認可と同時にするべきであるとした。
 AllianceTiCSは、市町村との交渉に入る前にスケジュール目標を立てるべきであるとして、猶予期間の確保の重要性を指摘。環境省は、認可手続きには最低でも2〜3か月、政治的要素が加わることになれば、さらに長引くことになるかもしれないとし、書類提出以前に行政側と交換された情報も考慮されるとのこと。


最後に

 この意見交換会は、今後も継続される予定であり、当方として引き続きウォッチしていくこととしている。



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