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2009年12月21日

社団法人 電子情報技術産業協会
ソリューションサービス事業委員会


政府調達における再委託先情報の開示に関する意見


我が国の政府調達においては、平成18年8月25日付け財務大臣通知「公共調達の適正化について(財計第2017号)」(以下「本通知」という)において以下の措置を各府省に求めています。

@一括再委託の禁止

A請負業者が再委託を行う場合には「再委託先の名称」、「業務範囲」、「必要性」、「契約金額」を提出させた上で承認すること

平成20年12月に総務省より一部省庁が発注する公共プロジェクトの関連契約における「再委託の適正化」について是正指導が行われた後、平成21年度以降は各府省の請負契約において、再委託先との契約内容(契約金額を含む)の開示が義務化されるケースが増加しています。本事業委員会としてはかかる事態を受け、再委託先情報の開示について、下記のとおり意見を表明致します。




役務契約(請負契約)において、請負業者は契約上の役務の履行義務を負いますが、その履行方法については当該業者に一任されています。つまり再委託金額はもとより請負契約における再委託の有無を含め、民間の当事者間の契約情報を開示することは不要であるばかりか、企業のビジネス上の競争力に影響を与えることも懸念されます。これは調達方法が随意契約か一般競争入札による調達かを問いません。

本通知の趣旨は、公益法人等との安易な随意契約並びに不適切な再委託(丸投げ)に焦点をあてたものと理解できます。しかし、民間企業においてはそのビジネス戦略上、特定分野の業務を関係会社に移管することにより、企業グループ全体として経営資源の最適配分を図る事業構造をとっている場合も少なくありません。このような経営判断に基づく再委託は企業の競争力にとって不可避であり、本通知に基づく総務省の是正指導において指摘される「不適切な再委託」とは本質的に異なるものです。

また、契約情報は官民を問わず本来機密情報として取り扱うべきものであり、契約当事者以外に開示されるべきものではありません。さらに、再委託先との契約情報を開示した場合、政府機関への一般の情報公開請求によって当該情報が第三者に公表される可能性もあります。その結果として企業のコスト構造等やシステム開発戦略などを分析・推測される可能性が高くなり、請負業者や再委託先企業の競争上の大きな阻害要因となることが懸念されます。さらに、当該企業にとっては今後の調達機関との営業活動等において個別の折衝が困難となるなど、企業の権利、競争上の地位その他正当な利益が著しく害される恐れがあります。

上記の点に鑑み、本事業委員会としては、本通知に基づく公共調達の適正化にかかる措置の実施におきまして、企業の競争力に影響を与えるような情報の開示を求めることは、一般的な取引上の通念からも適切ではないと考えます。

本事業委員会では、これまでも情報システムの公共調達のあるべき姿に向けた提言活動を行ってまいりました。引き続き、政府のIT利活用におけるよき相談者・パートナーとなることを目指してまいります。


以 上





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