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平成20年4月15日

(社)電子情報技術産業協会
ソリューションサービス事業委員会
ITサービス調達政策専門委員会


情報システム政府調達に関する提言(第2版)


 IT社会の進展に伴い、公共分野の情報システムは、社会を支える重要インフラとして、利便性と併せて正確性、確実性、信頼性が益々求められています。 情報システム政府調達(政府IT調達)には、変革を迫る2つの環境変化が起こっています。ひとつは調達品である情報システムの“質”の変化で、もうひとつは受託者側である民間企業の、“商慣習”の変化です。
 “質”の変化に関して、情報システムは、モノ扱いの調達でよかった黎明期と異なり、調達者と受託者による協働作業が鍵となるサービスの調達に質が変化してきています。
 また、“商慣習”の変化に関して、日本版SOX法施行により内部統制や四半期決算などの導入が早期に求められてきており、企業経営や商習慣のグローバリゼーション化が進展しています。民間企業の商取引相手である政府の商慣習についても例外ではなく、国際社会の商慣習を妨げる慣行の見直しが求められているといえます。

 2007年9月19日、総務省行政管理局より「情報システムに係る政府調達の基本指針(政府調達ガイドライン) 実務手引書」(第二版)が公表されました。これに対し、JEITAソリューションサービス事業委員会(委員長 富士通総研 伊藤大挙)のもとに設置されているITサービス調達政策専門委員会(委員長 日立製作所 紅林徹也)では、この基本指針に基づく実務手引書の作成に当たり、その重要性を鑑み積極的に協力しました。また、2007年10月11日には実務手引書(第二版)に対するコメントを公表しております。

 JEITAとして言及したい点は、政府調達ガイドライン実務手引書(第二版)が、透明性・公平性を重視するため、情報システムのプロジェクトの全体を成功に導くための合理性が一部不足してしまっていることです。現状の政府IT調達では、事業遂行リスクが受託者に片寄せされた調達が行われています。事業遂行リスクを調達者と受託者双方で合理的に分担することが、全体のリスクを極小化し、プロジェクトを成功に導くと考えます。
 事業遂行リスクの高い政府IT調達が続くことで国内の公共IT事業者が疲弊し、折角の公共IT投資が情報処理産業全体の振興に役立つ技術やスキルの開発に繋がっていかない状況を懸念しております。

 JEITAでは、平成19年3月30日に政府IT調達に関する提言(第1版)を公表しました。これに続き、本提言(第2版)を取りまとめました。

 このたび今回の提言(第2版)では、政府IT調達に内在する構造的な課題を紐解き、それを解決するための基本的な考え方を整理することで、改革・改善に向けてある程度の方向性は示せたものと考えています。JEITAとしては、今回の成果に加え、公共分野に限らず情報処理産業全体の課題にも配慮しながら、今後も関連機関と連携の上、IT調達の改善活動を継続して行いたいと考えております。


情報システム政府調達に関する提言(第2版)
[ *PDF形式 [907KB] ]

情報システム政府調達に関する提言(第2版) 骨子
[ *PDF形式 [366KB] ]




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