JEITA ソフトウェアは未来をつくる

お問い合わせ・ご意見・ご感想

     

ソフトウェアに携わる人

関連サイト

いますぐアルゴロジックを体験したい方はこちら

エンジニアインタビュー 海外 浩平さん

日本電気株式会社(NEC) 海外 浩平(かいがい こうへい)さん

OSSプラットフォーム開発本部(2008年現在)

世界のソフトウェアエンジニアが共同で開発しているオープンソースソフトウェア(OSS)の開発に参加し、若くして、 日本トップクラスのソフトウェアエンジニアとして知られる。その実績は、公的機関からも認められ、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の 「未踏ソフトウェア創造事業」では、2006年度下期「スーパークリエータ」として認定された。 将来は世界中で広く使われるようなソフトウェアをつくりたいと語る、入社5年目の29歳。

海外 浩平(かいがい こうへい)さん

世界中のエンジニアと一緒にソフトウェアをつくる

現在のお仕事について教えてください。

今は、オープンソースソフトウェア(OSS:オーエスエス)と呼ばれるソフトウェアの開発を担当しています。 OSSとは、ソフトウェアのプログラムの内容(ソースコード)が公開され、世界中のエンジニアが共同で開発を行っているソフトウェアのことです。 例えば、Microsoftなどのような特定の企業が開発し、その内容が公開されないソフトウェアとは異なり、OSSは、誰でも自由に開発に参加することができます。 現在では、世界各国のソフトウェアエンジニアが、Eメールやインターネットを使ってOSSの開発に参加しています。 OSSにもいろいろな種類がありますが、私が開発に参加しているのは、Security Enhanced Linux(SELinux:エスイーリナックス)と呼ばれ、最近注目されている新しいソフトウェアです。

どうしてそのようなお仕事をされるようになったのですか。

実は、この仕事は、最初は会社の仕事ではなく、個人で興味を持って取り組んでいたものです。
私が開発に参加している SELinux は、著名な OSS であるLinux(リナックス)のセキュリティ機能(安全性)をさらに強化するためのソフトウェアです。 2年ほど前、これを別のソフトウェア(データベース)にも応用することで、より広い範囲でセキュリティが強化できるのではないかと考え、 そのアイデアを、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)という公的機関が主催するソフトウェア開発プロジェクト「未踏ソフトウェア創造事業」に応募したのです。

海外 浩平

このプロジェクトのために、会社が休みとなる土日を使って約半年間、ソフトウェアの開発に取り組みました。
そして、その実績が認められて、「スーパークリエータ」に認定されたのです。その後、これが会社でも認められ、会社の仕事として、引き続き、そのソフトウェアの開発を行うことになりました。   

具体的には、どんなお仕事をされているのですか。

今の主な仕事は、自分が開発したソフトウェアの改良です。世界各国のエンジニアから、毎日、自分のソフトウェアに対する意見が送られてくるので、 その意見をもとに、プログラミングを行って、新しい機能を追加したり、既存の機能を修正したりしています。今の1日のスケジュールは、例えば、次のとおりです。
海外さんの1日のスケジュール

世界の“最先端”で仕事をする楽しさ

現在のお仕事の魅力はどんなところにありますか。

自分の仕事の成果は、世界中に公開されていますので、翌日には世界中のエンジニアが見ています。 世界のエンジニアと一緒に仕事ができるのは、とても楽しいものです。日本国内にも、ソフトウェアエンジニアはたくさんいますが、 世界にはもっとたくさんのエンジニアがいます。世界の舞台では、日本のエンジニアより高い技術を持ったエンジニアも数多く活躍しています。 そんな世界中のエンジニアから、毎日鋭い指摘をもらったり、議論を戦わせたりするのは、本当に刺激的です。

それは、ソフトウェアの魅力と言えますか。

海外 浩平

ソフトウェアは“情報”のかたまりであり、形ある“モノ”ではありません。 しかし、そのために、インターネットなどを通じて、ものすごい勢いで世界中に普及するということが起こります。 これまでにはなかったものが、突然つくられて世界中に広まる。そこがソフトウェアのおもしろいところです。 みんなが認めるソフトウェアをつくれば、世界中が、自分のソフトウェアを使ってくれます。今、自分がつくっているソフトウェアは、 まだ限られた範囲にしか広まっていませんが、いつかは、世界中でもっと広く使われるソフトウェアをつくりたいと思っています。

ソフトウェアエンジニアとして活躍するために必要なものは何でしょうか。

現在、ソフトウェアエンジニアという仕事は、よく知られる仕事になっています。 しかし、数多くのエンジニアの中で、誰でもつくれるような当たり前のものをつくっても注目されません。 ソフトウェアエンジニアとして活躍するためには、クリエイティブなことができなくてはいけません。 “誰も思いつかないようなことを思いつく人”-これがソフトウェアエンジニアとして活躍できる人だと思います。
今の世の中は、たくさんのソフトウェアで動いています。企業のシステムの中にも、数多くのソフトウェアがあります。 このようなソフトウェアについても、他のエンジニアや他の会社にはできない新しいアイディアを持っていること、これが重要なのではないでしょうか。

現在のお仕事に出会うまで

海外さんがソフトウェアに出会ったのはいつですか。

高校時代は理科部に入っていたのですが、高校1年生のときに、 Basic(ベーシック)というプログラミング言語を使ったプログラミングを先輩に習いました。 当時は、ゲームをつくることに熱中していて、高校2年生のときには、コンテストに作品を出品したこともあります。

ソフトウェアの何がおもしろいと感じましたか。

プログラムを書いてソフトウェアをつくり、機械(パソコン)を自分の思い通りに動かせることが、とてもおもしろいと感じました。 特に、理科部で習ったBasicは、すぐに結果が分かる言語なので、自分がつくったプログラムの結果がすぐに分かるところに魅力を感じていました。
学校では、いろいろな勉強をしますが、実際に手を動かして自分の好きなものをつくる機会は、なかなかありません。 そのような意味では、ソフトウェアには、高校生でも、プログラミングを覚えれば手軽につくれるおもしろさがあると思います。

大学や大学院では、どんな勉強をされたのですか。

ソフトウェアの勉強ができるのは、情報系の学部です。情報系にもいろいろな専門分野がありますが、高校時代から、 どんな専門分野でもいいから、とにかく情報系の学部に進学したいと思っていました。
大学時代は、研究の一環として、Linux の「デバイスドライバ」を開発したこともありました。 デバイスドライバとは、コンピュータに接続されている周辺機器(例えば、プリンタやディスプレイなど)を動かす機能を持ったソフトウェアのことです。 当時は、Linuxが使われ始めた頃だったため、Linuxでは利用できないハードウェアも多く、できるだけ楽に(笑)これらを動かすにはどうしたらいいかと考えていました。
情報系の学部を卒業した後、大学院では、経営学を専攻しました。卒業後は、ソフトウェアエンジニアとして企業で働きたいという希望がありましたので、社会の一員として働く以上、 社会や経済のことも知っておくべきだと思ったからです。大学院で専門性を高めるという選択もあったと思いますが、私は視野を広げる道を選びました。 ソフトウェアエンジニアにとっても、幅広い知識を持っておくことは、とても重要だと思います。

高校生の皆さんへのメッセージ

最後に、高校生の皆さんへのメッセージをお願いします。

高校生の皆さんに特に伝えたいのは、「英語を嫌いにならないでほしい」ということです。 ソフトウェアの技術は、今や世界中で使われています。世界から情報を収集したり、世界のソフトウェアエンジニアとコミュニケーションするためには、英語力が欠かせません。 英語力は、世界で活躍するための基礎力だと言えます。
私も、実は高校時代は英語が苦手でした。しかし、社会人になってから、これではいけないと思い、自腹を切って英語教室に通い、英語を復習しました。 勉強は思い立ったらいつでもできるものですが、好きなだけ勉強できる学生のうちからしっかりやっておけば、社会人になって苦労しなくて済みます(笑)

海外さんのように活躍するためにはどうすればよいでしょうか。

社会人として活躍するためには、何かに打ち込んで、専門性を高めることが必要です。 “人よりスゴイこと”ができなければ、これからの時代に頭角を現すことは難しいと思います。これはソフトウェアの世界も同じです。
何かに打ち込むためには、自分の好きなことを見つけるのがいちばんです。好きなことであれば、楽しみながら熱中することができます。 高校時代は3年間、大学時代は4年間、大学院はさらに2年間あります。みなさんも、いろいろなことが学べる学生のうちに、 これならば熱中できるという“好きなこと”を、ぜひ見つけてください。そして、少しでもソフトウェアに興味を持っている人は、ぜひこの世界に飛び込んでみてください。 ソフトウェアの世界は、実力次第で世界を相手に勝負できる、本当におもしろい世界です。学生時代から打ち込む価値は、十分にあると思います。

海外 浩平

ページトップへ