1. はじめに
社団法人 日本電子工業振興協会(会長・秋草直之氏)では、メインフレーム業務委員会(委員長・森
伸正氏)を設置して、メインフレームコンピュータに関する市場動向の実態を把握するため、メインフレームコンピュータメーカの対象機種を登録し、その納入状況を調査しているが、このたび平成10年度の納入実績をまとめた。
2. 全体の傾向
企業情報システムにおける、メインフレームコンピュータとオープンサーバの役割分担が確立され、また、メインフレームコンピュータのシステムトータルライフコストの良さ、信頼性や性能安定性、大規模システム対応能力などが再評価されてきた。
景気低迷やメインフレームコンピュータの担う基幹処理の統合化傾向があるにもかかわらずH10年度の国内メインフレーム状況は台数ベースでは前年度比8%増の結果となった。
3. 国内規模別納入傾向
国内全体の納入実績は、金額ベースで9%減の7,457億円、台数ベースで8%増の3,034台となった。
価格帯別にみると、大型クラスは(2億5千万円以上)では金額ベースで17%減の5,235億円、台数ベースで33%減の718台となった。
中型クラス(4千万円以上2億5千万円未満)では金額ベースで12%増の1,939億円、台数ベースで32%増の1,684台となった。
小型クラス(4千万円未満)では金額ベースで59%増の282億円、台数ベースで34%増の632台となった。
4. 産業別納入傾向
納入実績を産業別にみると、国家公務および政府関係機関が前年度に比べ金額ベースで16%増の2,298億円、台数ベースでは22%増の452台となった。
地方公務は、金額ベースで15%減の748億円、台数ベースで4%減の295台、第一次産業は金額で15%減の18億円、台数は23%増の16台、製造業は25%減の1,291億円、台数は1%減の830台、販売業は、金額が24%減の462億円、台数が4%減の430台、金融関係は、金額で16%減の1,315億円、台数で同数の360台、サービス関係は、金額ベースで14%減の1,093億円、台数が27%増の480台、病院・学校等は金額で74%増の156億円、台数で66%増の110台となった。
産業別における金額ランキングは1位「国家公務および政府関係機関」、2位「金融関係」、3位「製造業」、4位「サービス関係」、5位「地方公務」、6位「販売業」、7位「病院・学校等」、8位「第一次産業」となり、金融関係と製造業の順位が入れ替わった。
5. 平成11年度の見通しについて
景気の不透明感および、コンピュータ西暦2000年問題の影響により、台数は横這い、金額は微減傾向で推移するものと思われる。
平成10年度納入実績内訳
1.クラス別納入状況
2.業種別納入状況
以上
メインフレームコンピュータクラス別台数推移
メインフレームコンピュータクラス別金額推移
平成10年度メインフレームコンピュータ国内クラス別構成比(台数)
平成10年度メインフレームコンピュータ国内クラス別構成比(金額)
メインフレームコンピュータ業種別台数推移
メインフレームコンピュータ業種別金額推移