わが国におけるメインフレームコンピュータの
平成8年度納入実績
平成9年6月26日
1. はじめに
社団法人 日本電子工業振興協会(会長・西室泰三氏)では、メインフレーム業務委員会(委員長・上岡正樹氏)を設置して、メインフレームコンピュータに関する市場動向の実態を把握するため、メインフレームコンピュータメーカの対象機種を登録し、その納入状況を調査しているが、このたび平成8年度の納入実績をまとめた。
2. 全体の傾向
わが国経済においては、景気は緩やかながら回復の動きを続けており、それを背景として生産も緩やかに増加しつつある。メインフレームコンピュータにおいてはオープン化・ダウンサイジングといった利用形態の構造的変化に対応すべくCMOS並列機等の新機種投入やシステムトータルライフコストの良さ、信頼性や性能の安定性、大規模システム対応能力などの再評価により、新しい局面を迎えた。
平成8年度のメインフレームコンピュータの納入状況は、別表に示すとおり金額ベースでは8.4%増の11,225億円、台数ベースでは8.8%増の4.1千台の実績となった。
国内の納入状況は、平成7年度に対して金額ベースで2.7%増の9,641億円、台数ベースでは同1.9%減の3.0千台の実績となり、台数では前年度を下回ったが金額は微増となった。
一方、輸出については、金額ベースで65%増の1,585億円、台数ベースでは55%増の1.1千台となった。
3. 規模別納入傾向
納入実績を価格帯別にみると、大型Aクラスは(5億円以上)では金額ベースで 8,283億円と前年度に比べて24%増となり、台数ベースでは2,067台の同67%増と大幅な増加傾向がみられた。
逆に、大型Bクラス(2億5千万円以上5億円未満)では金額ベースで29%減の 1,051億円、台数ベースで30%減の237台と減少した。
中型Aクラス(1億円以上2億5千万円未満)では金額ベースで27%減の584億円、台数ベースで27%減の231台とここでも減少した。
逆に、中型Bクラス(4千万円以上1億円未満)では金額ベースで16%増の 1,031億円、台数ベースで13%増の1,141台と増加した。
小型クラス(1千万円以上4千万円未満)では金額ベースで55%減の232億円、台数ベースで64%減の294台と減少した。
昨年度から納入実績が出始めた超小型Aクラス(3百万円以上1千万円未満)では金額ベースで667%増の44億円、台数ベースで163%増の134台と増加がみられた。
超小型Bクラス(3百万円未満)は8年度も実績はなかった。
当協会で統計を取り始めた平成5年度からの推移をみると、台数はほぼ横這いであるが、金額は年平均−5%と減少傾向を示しており、CMOS化等による低価格化の影響が出ていると思われる。
クラス別での推移では、小型クラスがオープン化・ダウンサイジング等の影響により、減少傾向を示しているが、その他のクラスは年度で若干の増減はあるが堅調に推移している。
4.産業別納入傾向
納入実績を産業別にみると、国家公務および政府関係機関が前年度に比べ金額ベースで2.4%増の2,490億円、台数ベースでは26%減の454台となった。
地方公務は、金額ベースで8%増の1,032億円、台数ベースで8%増の346台、第一次産業は金額で59%減の25億円、台数は65%減の8台、製造業は6%減の 1,804億円、台数は6%増の855台、販売業は、金額が12%増の591億円、台数が16%増の425台、金融関係は、金額で4%減の1,801億円、台数で8%減の325台、サービス関係は、金額ベースで24%増の1,720億円、台数が14%増の462台、病院・学校等は金額で28%減の103億円、台数で18%減の97台となった。
産業別における金額ランキングは1位「国家公務および政府関係機関」、2位「製造業」、3位「金融関係」、4位「サービス関係」、5位「地方公務」、6位「販売業」、7位「病院・学校等」、8位「第一次産業」となり、平成7年度と全く同一順位となった。
金額ランキングは、過去3年間全く変動はない。
5. 平成9年度の見通しについて
景気回復基調ではあるが、平成9年度のメインフレームコンピュータは、台数は横這い、金額は微減傾向で推移するものと思われる。
資料
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LastUpdated:1/July/1997
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