わが国におけるメインフレームコンピュータの
平成9年度納入実績


平成10年 7月 8日
社団法人 日本電子工業振興協会


1. はじめに

 社団法人 日本電子工業振興協会(会長・西室泰三氏)では、メインフレーム業務委員会(委員長・奥居 稔氏)を設置して、メインフレームコンピュータに関する市場動向の実態を把握するため、メインフレームコンピュータメーカの対象機種を登録し、その納入状況を調査しているが、このたび平成9年度の納入実績をまとめた。

2. 全体の傾向

 経済企画庁が6月12日に発表した97年度の国内総生産(GDP)は前年度比0.7%減となり、第一次石油危機後の74年度に記録した0.5%減を抜いて戦後最悪のマイナス成長となった。企業情報システムにおけるメインフレームコンピュータはCMOS並列機等の新機種投入やシステムトータルライフコストの良さ、信頼性や性能の安定性、大規模システム対応能力などの点が再評価されている。一方、クライアントサーバシステムの浸透により、メインフレームコンピュータとオープンサーバ等の役割分担が確立されつつあり、また、メインフレームコンピュータの担う基幹処理は集中化の傾向にある。
 景気低迷、メインフレームコンピュータの統合化などの要因により平成9年度のメインフレームコンピュータの国内納入状況は、金額ベースでは15%減の8,231億円、台数ベースでは6%減の2,820台となり大変厳しい結果となった。一方、輸出においては、米国の景気を反映し台数ベースで43%増の1,570台となったが、CMOS機の輸出が本格化した為、金額ベースで4%減の1,530億円となった。

3. 国内規模別納入傾向

 納入実績を価格帯別にみると、大型クラスは(2億5千万円以上)では金額ベースで19%減の6,324億円、台数ベースで12%減の1,077台となった。
 中型クラス(4千万円以上2億5千万円未満)では金額ベースで8%増の1,729億円、台数ベースで6%減の1,275台となった。
 小型クラス(4千万円未満)では金額ベースで36%減の178億円、台数ベースで10%増の470台となった。

4. 産業別納入傾向

 納入実績を産業別にみると、国家公務および政府関係機関が前年度に比べ金額ベースで20%減の1,989億円、台数ベースでは18%減の370台となった。
 地方公務は、金額ベースで14%減の890億円、台数ベースで12%減の310台、第一次産業は金額で16%減の21億円、台数は63%増の13台、製造業は4%減の1,732億円、台数は2%減の840台、販売業は、金額が3%増の608億円、台数が6%増の450台、金融関係は、金額で13%減の1,564億円、台数で10%増の360台、サービス関係は、金額ベースで27%減の1,264億円、台数が18%減の380台、病院・学校等は金額で12%減の90億円、台数で34%減の60台となった。
 産業別における金額ランキングは1位「国家公務および政府関係機関」、2位「製造業」、3位「金融関係」、4位「サービス関係」、5位「地方公務」、6位「販売業」、7位「病院・学校等」、8位「第一次産業」となり、平成8年度と全く同一順位となった。金額ランキングは、過去4年間全く変動はない。

5. 平成10年度の見通しについて

 平成10年度の国内メインフレームコンピュータは、景気の先行きは不透明ではあるが、各社の新機種投入効果により台数は横這い、金額は微減傾向で推移するものと思われる。







平成9年度納入実績内訳

  1. クラス別納入状況
  2. 業種別納入状況
  3. クラス別推移
  4. 国内クラス別構成比
  5. 業種別推移




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LastUpdated:10/Jul/1998