平成14年 5月23日
社団法人 電子情報技術産業協会
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1.はじめに
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社団法人 電子情報技術産業協会では、サーバ・WS事業委員会(委員長・牧野友明氏)および市場専門委員会(委員長・大谷章夫氏)を設置し、ミッドレンジコンピュータ・ワークステーションに関する市場動向の実態を把握するため、各メーカの対象機種を登録し、その出荷状況を調査しているが、このたび平成13年度出荷実績をまとめた。
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2.ミッドレンジコンピュータの出荷状況
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総出荷状況
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平成13年度のミッドレンジコンピュータの出荷状況は、金額で7,183億円(前年度比102%)、台数で190,926台(同118%)となった。特にUNIX系サ−バ、NOSサ−バのオ-プンサ−バが好調で、合計金額で前年度比108%、台数で121%と、金額、台数とも着実な伸長を示した。
半期別では、上半期はミッドレンジコンピュータ合計の金額で3,432億円(前年同期比108%)、台数で91,634台(同122%)となり、下半期は金額で3,751億円(同97%)、台数で99,292台(同115%)となった。
ネットビジネス用途での需要拡大、基幹系サ−バ、通信キャリアに代表される大規模デ−タベ−スの高速処理サ−バ、インタ−ネット活用のインフラ整備サ−バ、ワ−クグル−プサ−バを等によるオ−プンサ−バ需要の増加が着実な伸長に繋がった要因として挙げられる。
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金額クラス別出荷状況
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出荷状況を金額クラス別に見ると、300万円未満では金額で2,311億円(前年度比116%)、台数で154,993台(同123%)となった。
300万円〜1,000万円未満では金額で1,665億円(同96%)、台数で27,203台(同108%)となった。
1,000万円〜4,000万円未満では金額で1,724億円(同86%)、台数で6,972台(同88%)となった。
4,000万円以上では金額で1,483億円(同114%)、台数で1,758台(同98%)となった。
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(3) |
OS別サーバ機の出荷状況
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出荷状況をOS別にみるとUNIX系サーバは、金額で4,579億円(同108%)、台数で60,773台(同138%)となった。ネットビジネス用途、インタ−ネットインフラ整備、ワ−クグル−プサ−バ用途により台数で大幅な伸長となり、通信キャリア向けをはじめとする大規模デ−タベ−ス処理用途、基幹系用途での需要拡大等により、金額でも着実な伸長となった。
NOSサーバは、金額で1,607億円(同109%)、台数で122,164台(同114%)となった。コストパフォ−マンスの向上、低価格モデルの拡大、ワ−クグル−プサ−バ、ネットビジネス等の新規用途での需要拡大等により金額、台数とも着実な伸長を示した。
独自OSサーバは、金額で959億円(同76%)、台数で6,008台(同83%)となった。
OS別に構成比を金額ベースでみるとUNIX系サーバが全体の64%、NOSサーバが22%となり、独自OSサーバが13%となった。
また、サーバ機をOS毎の金額クラス別にみると次のようになった。
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@ |
UNIX系サーバ
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300万円未満では金額で663億円(同122%)、台数で30,566台(同187%)となった。
300万円〜1,000万円未満では金額で1,262億円(同103%)、台数で23,142台(同115%)となった。
1,000万円〜4,000万円未満では金額で1,443億円(同91%)、台数で5,790台(同94%)となった。
4,000万円以上では金額で1,211億円(同135%)、台数で1,275台(同96%)となった。
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A |
NOSサーバ
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300万円未満では金額で1,471億円(同110%)、台数で120,279台(同114%)となった。
300万円〜1,000万円未満では金額で106億円(同104%)、台数で1,679台(同 104%)となった。
1,000万円〜4,000万円未満では金額で29億円(同79%)、台数で206台(同77%)となった。
なお、当協会で調査を実施している、「パーソナルコンピュータ」に含まれる「サーバ」と本調査により算出された「NOSサーバ」を含めた、「Network OSを搭載したサーバ」全体の平成13年度国内出荷実績は、台数で268,189台(前年度比112%)となった。
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サーバ機以外の出荷状況
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サーバ機以外のミッドレンジコンピュータの出荷状況は、金額で38億円(同74%)、台数で1,981台(同73%)となった。
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(5) |
産業別出荷状況
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平成13年度産業別出荷状況の金額ベース上位3業種をみると、1位「製造業」(構成比30%)、2位「サービス関係」(構成比20%)、3位「公共関係」(構成比23%)となった。
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3.ワークステーションの出荷状況
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総出荷状況
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平成13年度のワークステーション出荷状況は、金額で996億円(前年度比76%)、台数で91,699台(同99%)となった。低価格クラスでのコストパフォ−マンス向上、需要の中心である製造業以外での需要拡大等により台数ではほぼ前年規模となった。
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(2) |
金額クラス別出荷状況
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出荷実績をクラス別に見ると、100万円未満では 金額で275億円(同110%)、
台数で65,123台(同125%)となった。
100万円〜300万円未満では金額で382億円(同67%)、台数で18,258台(同70%)となった。
300万円以上では金額で338億円(同69%)、台数で8,318台(同58%)となった。
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(3) |
産業別出荷状況
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平成13年度産業別出荷状況の金額ベース上位3業種をみると、1位「製造業」(構成比49%)、2位「サービス関係」(構成比22%)、3位「公共関係」(構成比14%)となった。
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4.平成14年度の見通しについて
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平成14年度は、大規模基幹システムの構築増、官公庁から民間に至る幅広い業界での新規ネットワ−ク、ネットビジネス環境の構築、整備でのサ−バ需要拡大、インタ−ネット活用のインフラ整備、等を中心にUNIX系サ−バ、NOSサ−バのオ−プンサ−バの拡大が期待され、オ−プンサ−バ全体で前年度比金額で108%、台数で115%の伸長が見込まれる。
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