以上のように、JEITAでは永年の国家予算による公的な委託事業やJEITAの委員会活動を通し、さまざまな角度から鉛フリーはんだの接合信頼性を検証してきた。(1)〜(3)の国家プロジェクトについては各年度の事業報告書に、また(4)の「第2世代フロー用はんだ標準化プロジェクト」については、JEITAの技術レポートである“JEITA
ETR-7023”で詳細が報告されている。基礎実験ではあるが、Sn-3Ag-0.5Cuについての接合信頼性の確認を中心とした採用の妥当性の検証や、採用にあたって必要な、設計改善、部品改善、プロセス改善などを同時に進めることで、世界的に鉛フリーはんだ技術の牽引的役割を日本が担っている。
それぞれの企業で実際に導入するはんだ組成については、商品カテゴリーや仕向地が異なることにより使用環境も異なり、使用環境から要求される接合信頼性を確保する必要がある。このため各企業では、自社の商品に対し十分な信頼性の確保が可能か否かの検証を行い、採用するはんだ組成を決めているのが現状である。
このような、業界全体の取り組みにより、鉛フリーはんだの導入からはや8年近く経過したが、Sn-3Ag-0.5Cuを代表とする鉛フリーはんだでの接合信頼性においては、大きな不具合の報告はない。
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図 1 . JEIDA/JEITA鉛フリーはんだ活動の経緯
図 2 . 引き剥がし強度試験結果
図 3 . 横押し強度とトルク強度比較
図 4 . 85℃85%の高温高湿環境下におけるQFPのはんだ接合強度
図 5 . 85℃85%環境下におけるはんだ接合強度の比較
図 6 . はんだ合金評価項目
表 1 . 故障率1%時のヒートサイクル数
図 7 . 故障率1%時のヒートサイクル数
図 8 . クリープ試験による破断寿命
表 2 . クリープ試験による破断寿命
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