2010JEITA講義 大阪大学大学院
「応用デバイス工学」活動紹介

 
 

2010.11.16

2010JEITA講義

大阪大学大学院

「応用デバイス工学」活動紹介
 

 (社)電子情報技術産業協会

 当協会(JEITA)の電子実装技術委員会の傘下でありますJisso技術ロードマップ専門委員会では、大阪大学大学院 、菅沼克昭教授のご協力を得まして平成22年度に【JEITA2010講義】「応用デバイス工学」を開講致しました。本講義は指導教官のもと、委員会構成企業から派遣された複数講師によるオムニバス方式の講義とし、参加企業で1コマ(90分)の授業を担当致します。ビジネスの最前線にいる現役エンジニアが講師を務めることにより、単に技術の優劣だけでなくその他の要素が複雑に関連している実態を知ってもらい、実際に企業において行われている製品開発をモデルに、これまで大学等で学習してきた体系的な知識が、どのように企業の現場につながるのかを具体的に講義致します。

 

 大学院での講義を通じて現在の教育の基本となっている体系化されたカリキュラムによって得る知識がどのように現場に生かされるのか、また産業界の求める姿勢、創造の厳しさ・喜び、もの造りの重要性等を早期に学生に伝え、交流を図ることにより、実装業界の認知度を高めるとともに、高度化・多様化する産業界で活躍できる人材を育成することを目的とし ます。 

 

■開催日時
 2010年10月7日(木)〜2011年2月3日(木)


■講義内容
 
(1)高度実装技術           
 【パナソニック(株) 櫻井邦男氏】
  
携帯電子機器は日本の小型、薄型設計力とそれを支える生産プロセス力によって実現され、進化をしてきた。その
  中で実装技術の占める位置づけは極めて大きく重要である。近年さらに多様な進化を進める携帯電子機器に搭載さ
  れている高密度実装技術の具体事例を中心に紹介し、今後の方向性について解説する。

 (2)半導体パッケージング技術
 【2009年度 JEITA委員】
  半導体パッケージの歴史を振り返り、構造が出来上がった背景、克服してきた課題をレビューするとともに、パッケ
  ージの将来像にについて紹介する。

 (3)実装技術概論
 【(社)半導体産業研究所 春日壽夫氏】
  狭義の実装からシステムJissoへ実装技術がカバーする技術領域の発展を述べ、日本が世界に誇った“ものづくり”技
  術のキープレイヤーであるJissoが今後どのように重要性を増していくかについて述べる

 (4)半導体パッケージ組立・プロセス技術
 【ルネサスエレクトロニクス(株) 橋本知明氏】
  半導体のパッケージング技術には、様々な構造、材料、方式に適用したプロセスが存在する。その組立プロセス
  を、各工程毎に詳細紹介すると共に、課題や将来技術について説明する。

 (5)鉛フリーはんだに関する国際標準化規格と鉛フリーソルダリングプロセス技術
 【ソニー(株) 荒金秀幸氏】
  RoHS規制をきっかけにエレクトロニクス業界の最大の取り組みとなった鉛フリー化についてレビューし、その歩みと残
  された問題点について解説する。

 (6)カーエレクトロニクス実装技術      
 【(株)デンソー 神谷有弘氏】
  カーエレクトロニクスの概要から、エンジン制御コンピュータの実装技術、信頼性確保に関して具体例を交え、紹介
  する。特に後半では、HV車用インバータのパワーデバイスに使われている実装技術についても紹介する。

 (7)
微細接続技術       
 【富士通セミコンダクター(株) 今村和之氏】
  高密度実装においてますます重要となる一方で難易度を増している微細接続技術について微細化の壁をクリアする
  ためにどのような接続技術が開発されてきたかを解説し、将来の課題についてのべる。

 (8)セラミックパッケージング技術
 【京セラ(株) 松本弘氏】
  セラミック材料を用いた半導体や電子部品のパッケージング技術と今後の展開について紹介する。

 (9)ウエハーレベルパッケージ技術    
 【カシオ計算機(株) 若林猛氏】
  究極の小型パッケージであるウエハーレベルパッケージの各プロセスを紹介するとともに、プロセスの変遷、応用商品
  の広がりについて解説する。また、今後のトレンドとしての素子内蔵基板への展開についても言及する。

 (10)高周波モジュールJisso技術    
 【TDK(株) 中井信也氏】
  周波数の高い領域(GHz帯)では、周波数が高いがゆえに電子回路の実装も分布定数を意識してその構造・材料に
  様々な工夫が施されている。携帯電話を例にとり、高周波回路のデバイス・モジュールの実装の最前線を平易に解
  説する。

 (11)プリント配線板技術        
 【大日本印刷(株) 島田修氏】
  全ての電子機器・電気製品に必要なプリント配線板は実装技術の基幹部品であり、その基本技術、動向及び課
  題について解説する。また、最近製品化され注目を浴びている部品内蔵基板技術は、実装技術との融合技術でも
  ありその動向も含めて解説する。合わせてシリコン・インターポーザについても言及する。

 (12)電子部品・電子デバイス実装における材料技術
 【ナミックス(株) 白井恭夫氏】
  最近の電子部品や電子デバイスの実装において、必要とされている封止剤や接合材料などについての紹介と、今
  後の材料開発に求められている特性や課題などについても述べる。

 (13)電子機器・電子デバイス実装における信頼性評価技術
 【エスペック(株) 高橋邦明氏】
  電子機器やその内部を構成する電子デバイスの設計者には、その性能が正しく動作されることに責任を負う。性能
  の一つには耐久性・品質・信頼性が含まれており、設計確認手法として信頼性評価技術が実施されている。

 (14)実装技術における高熱伝導有機材料
 【三菱電機(株) 西村隆氏】
  パワーデバイス実装における最も重要な技術の1つである放熱技術にスポットを当て、材料の熱伝導(特にフォノン伝
  導)について解説する。さらに、半導体パッケージで必要となる高熱伝導有機材料を紹介する。

 

        
 
授業の様子

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