Q1 | バッテリパックを使用したビデオカメラの安全性と正しい使い方を教えてください | |
A1 | ■電池は安全性を考慮して設計されています ビデオカメラなどのバッテリに使われるリチウムイオン電池は、大きな事故に結びつかないように、電池そのものにも安全性を考慮した設計がなされていますし、バッテリパックとして使用する場合にも過電圧、過放電、過電流などを防ぐための安全面からの工夫がなされてます。 ■バッテリパックには保護機能が設けられています バッテリパックは、異常電圧、異常電流を検知した場合には、充電機能を停止するなど、 大きな事故に結びつかないように保護機能が設けられています。 ■万が一に備えてバッテリパックの外装部品にも配慮がなされています バッテリパックのプラスティック樹脂などには、国際規格に基づいた難燃性の高いものが採用されており、万が一バッテリパックの内部の電池が激しく過熱した場合の安全性も考慮されています。 ■使用環境にご注意ください バッテリパックを使用したビデオカメラは、次のとおり使用環境に注意してください。 ●バッテリパックやビデオカメラを、高温の環境になる場所(火のそば、暖房器具のそば、炎天下の自動車内)に放置しないでください。 ●ビデオカメラを布で覆ったりしないでください。このように使用すると、放熱効果が下がり、オーバーヒートの原因になります。 ■取り扱いにご注意ください バッテリパックを使用したビデオカメラは、次のとおり取り扱いに注意してださい。 ●取り外したバッテリパックの端子(金属部分)がショートしないように、ネックレス、クリップ、コイン、鍵などが触れないように注意してください。 ●バッテリパックに、押し潰す、叩くといった強い圧力を加えないでください。 バッテリパック内部に電気的なショートが発生し、オーバーヒートに結びつく可能性があります。 ●ビデオカメラを落としたり、ぶつけたりしないでください。特にコンクリートなどの堅い表面への落下は、ビデオカメラ本体やバッテリパックに潜在的なダメージを与える可能性があります。 バッテリパックが変形・破損した場合は使用を中止してください。 ●ビデオカメラを水やその他の液体で濡らさないでください。水分が乾き、正常に稼働しているように思えても、電気回路が徐々に腐食することによって、安全面での問題が引き起こされる可能性があります。 ●お使いのビデオカメラに同梱のACアダプタまたは専用の充電器を使用してください。 他の機種用のものなど、正規のものでないACアダプタまたは充電器を使用すると、液漏れ、発熱、発火、破裂、バッテリパックが充分に充電されないなど、安全面での問題が引き起こされる可能性があります。 ●ビデオカメラの取扱説明書に記載されているバッテリパックの使用方法、保管方法、充電方法に従って使用してください。 |
Q2 | バッテリパックが熱くなるのですが、大丈夫でしょうか? | |
A2 | バッテリパックは、使用中や充電時に熱を発生することがありますので、長時間の接触による低温やけどに注意してください。長時間の接触による低温やけどは思いのほか低い温度でも起こる可能性もありますので、注意してください。常時手に触れる可能性のある部位の表面温度は、各社とも国際的な安全基準やメーカーの基準で規定した温度以下であることを確認していますが、それでも気になる場合は、各社のお問い合わせ窓口で確認することをお勧めします。 |
Q3 | バッテリパックを取り外した本体の接続部分に触っても感電しませんか?> | |
A3 | お手持ちのビデオカメラの製造メーカーにご確認ください。一般的には、バッテリパックが装着されていないときは、本体の接続部分に電圧はかからないため、感電の心配はありません。 ただし、端子の曲がり、汗や油等の付着による端子部分の劣化など故障の原因になることがあるため、ビデオカメラおよびバッテリパックの接続部分には触れないでください。 |
Q4 | バッテリパックの寿命について教えてください | |
A4 | ■パックの寿命について バッテリパックは消耗品であり、その寿命は使用環境によって変ります。1回の充電での使用時間は、充電回数および使用開始してからの時間経過とともに徐々に短くなります。 バッテリ駆動時間が低下した場合は、新しいバッテリパックと交換してください。 ■バッテリパックのリサイクルについて 寿命がきて使えなくなったバッテリパックは、リサイクルされます。 小型充電式電池のリサイクル活動は、2001年に施行された「資源の有効な利用の促進に関する法律」(以下『資源有効利用促進法』と略称)に基づき、小型充電式電池の回収・再資源化が義務づけられています。 一般社団法人JBRCは小型充電式電池のリサイクル活動を共同で行う団体として、小型充電式電池メーカーや同電池の使用機器メーカー、それらの輸入事業者等などを会員として、2004年4月に有限責任中間法人としてを設立し、同年12月には廃棄物処理法・広域認定を取得しました。 JBRCに登録された全国のリサイクル協力店、協力自治体、リサイクル協力事業者などの回収拠点から、小形充電式電池を無償で回収し、再資源化を推進しています。 |
Q5 | バッテリパックを長持ちさせるためのヒントを教えてください | |
A5 | ビデオカメラに搭載されたバッテリパックは、次の事項に注意することで、機能低下を比較的遅くすることができます。 ●バッテリパックやビデオカメラを、高温の環境下に放置しないでください。 ●1ヵ月以上の長期間バッテリパックを使わないときは、本体からバッテリパックを外して、湿度の低い冷暗所に保管してください。
《参考情報》次の事項にご注意ください。 ●バッテリパックを長期間充電しないままにしておくと、再充電には非常に長い時間がかかります。 ●バッテリパックの使用可能時間は、温度の低い環境下では短くなります。 ●長時間の使用後や充電中は、バッテリパックとビデオカメラおよび充電器の温度が上昇することがあります。 |
Q6 | バッテリパックの保管について教えてください |
A6 | バッテリパックを保管するときは、次の事項に注意してください。 ●充電状態のバッテリパックを放置しておくと電池が劣化し、もう一度充電したときの容量が減少してしまいます。この劣化は、保存温度が高いほど早く進みます。バッテリパックを長期保管するときには、バッテリパックを使い切ってから、できるだけ湿度の低い冷暗所に保管することをお勧めします。 ●保管時は、ビニール袋などに入れて端子のショートが起こらないようにし、ダンボールなどの電気を通さない箱に、バッテリパックが重ならないように入れてください。 ●バッテリパックの端子(金属部分)がショートしないように、金属製ネックレス、クリップなどの金属類と混在、同梱されないようにしてください。 ●過放電を防止するために、半年に1回くらいの割合で、1度満充電しビデオカメラで使い切ってから保管することをお勧めします。 ●落下したり衝撃がかかったりしないよう安定した場所に保管してください。 |
Q7 | 二次電池とリチウムイオン電池について教えてください | ||
A7 | ■二次電池について
二次電池とは、充電して繰り返し使える電池の総称です。充電できない使い切りの電池を一次電池といいます。二次電池の中でも、小型充電式電池には、ニカド電池(Ni-Cd電池)、ニッケル水素電池(Ni-MH電池)、リチウムイオン電池(Li-ion電池)などがあります。 ■リチウムイオン電池(Li-ion電池)について リチウムイオン電池は、現在実用化されている二次電池の中では、最もエネルギー密度が高く、高い電圧が得られるため、ビデオカメラ などのバッテリによく使われています。 メモリー効果がほとんどなく、継ぎ足し充電を頻繁に行う携帯用の電子機器などに向いています。 使わずに放っておくと少しずつ放電してしまう自己放電も他の電池より少なく、常温1ヵ月で5%以下といわれています。 ただし、満充電状態で保存すると劣化しやすく、極端な過電圧や過放電状態になると、場合によっては電極が不安定になり激しく発熱するため、破裂したり発火したりする危険性があります。 これを防ぐため、充電式のリチウムイオン電池製品は電池単体では販売されず、電圧などを厳密に管理する制御回路と、過充電や過放電を防ぐ保護機構を組み込んだバッテリパックとしてしか販売されません。 《参考情報》 リチウムイオン電池の原理は?
リチウムイオン電池の特徴は?リチウムイオン電池は、Li+イオンが正極と負極を行ったりきたりするだけの極めてシンプルな原理に基づく電池です。 そのシンプルさから、メモリー効果もなく、充放電効率(充電エネルギーと放電エネルギーの比率)が高くなっています。活性も高い金属リチウムは使用していません。 リチウムイオン電池の特徴は、電圧が約3.7Vと、ニッケル水素電池などの約3倍の電圧で、 軽くて大きな電力を持っていることです。 リチウムイオン電池1個の電圧は約3.7Vです。同じ小型二次電池の仲間であるニカド電池や ニッケル水素電池の1.2Vに比べ、3倍の電圧が得られます。 いいかえると、同じ電圧を出すのに直列接続の使用本数が3分の1で済むということに なります。 小型で軽いため、携帯機器用電源として最適の電池です。 |
Q8 | バッテリパックについて教えてください | |
A8 | リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、ニカド電池などは、1個の電池だけで使用するのではなく、 保護回路などを組み込んで使用される場合があります。 このように、1個または複数の電池と保護回路などが組み込まれたものをバッテリパックと呼んで います。 リチウムイオン電池の多くは、正極にコバルト酸リチウム(LiCoO2)、負極にグラファイト (炭素)を使い、それぞれの極板を何層かに積み重ねた構造になっています。 これらの単独の電池をセルと呼び、ビデオカメラなどではセルを1個または複数組み合わせて 所定の電圧や容量を出すバッテリパックに仕上げます。 |
Q9 | リチウムイオン電池はどういったものに使われているのですか?> | |
A9 | リチウムイオン電池は、小型で軽量という特徴を活かして、次のような用途に使われています。 ビデオカメラ、ノートパソコン、PDA、携帯電話、ハンディ・ターミナル、 コードレスフォン、業務用無線機、デジタルカメラ、放送局向けビデオカメラ、 ポータブルナビゲーション、ポータブルオーディオ機、 携帯ゲーム機、 ロボット、無人潜水艇、電気自動車、ハイブリッド自動車、電動自転車、 携帯プリンタ、携帯ライトなど。 |
Q10 | リチウムイオン電池の安全設計について教えてください> | |
A10 | リチウムイオン電池は、電池の内部に安全機構を有する構成部材および部品を用いて電池自体の安全性を考慮しているとともに、電池の外部にも電池の状態(電圧、電流、温度)を検知して電池メーカーが推奨する使用範囲・条件を確保し、異常を感知した場合に作動して安全を確保する保護回路や制御装置があわせて組み込まれていることから、危険性はほとんどありません。 |