電磁波防護用品の効果を確認する時の注意事項
 
1)効果の範囲

 特定の周波数帯でのみ、もしくは、電界あるいは磁界かのいずれかにしか電磁波低減効果が得られない場合があるので、電磁波防護用品のカタログ等に、そうした低減効果の限界が明確に記載されている事を確認すること。

2)X線の低減効果

 VDT機器からのX線漏洩量は極めて微弱で、通常の使用状態では自然界に存在するX線の量以下です。従って、仮に用品自体に「X線低減」の効果(VDT機器ではない他のX線源を使用して、用品のX線低減効果の確認が行われているとしても)があったとしても、通常のVDT作業環境下においては、その用品のX線低減効果は実際的な効力を発揮しません。

3)紫外線低減効果

 VDT機器からの紫外線漏洩量は極めて微弱です。通常の使用状態では窓から差込む太陽光に含まれる紫外線の量に比べると微量です。従って、仮に用品自体に「紫外線低減」の効果(VDT機器ではない他の紫外線源を使用して、用品の紫外線低減効果の確認が行われているとしても、)があるとしても、通常のVDT作業環境下においては、その用品の紫外線低減効果は実際的な効力を発揮しません。

4)電磁波低減効果(30MHz以上の高い周波数の電波の領域)

 この帯域の電磁波漏洩は、日本ではVCCIの規約で漏洩の程度が規制されています。VDTもこの規制の対象であり、身の回りに存在するテレビやFMラジオ等の電子機器に受信妨害を与えない程度の低い値に規制されています。このことから、この周波数帯での電磁波低減効果は、仮に用品自体に「電磁波低減」の効果(VDT機器ではない他の電磁波放射源を使用して、用品の電磁波低減効果の確認が行われているとしても)があったとしても、通常のVDT作業環境下においては、そうした電磁波防護用品を使用する必然性はありません。

5)電磁波低減効果(400kHz〜30MHzの周波数の電界と磁界)

 この帯域に対して曝露基準としてはICNIRPのガイドラインがあるが、測定方法がまだ確立していない。現在、IECで測定法の規格策定を行っている。
    IEC:International Electro-technical Commission 国際電気標準会議

6)電磁波低減効果(5Hz?400kHzの周波数の電界と磁界)

 VDTからのこの帯域の電磁界放射はICNIRP規格(詳細は別紙参考文献参照)
一般公衆に対する曝露制限値として、
50Hzの磁界 0.1 mT(ミリテスラ)(=1 ガウスと等価)
50Hzの電界 5000 V/m という値が規定されている。このことを考えると、電磁界低減の措置は不要です。
 しかし、より安心を得たいとして、電磁波防護用品の採用を検討する場合は、この帯域の電磁界低減効果に関しては、市販されている機器と当該の用品を用いて、当協会の低周波電磁界ガイドラインの測定法に準拠して、電磁波防護用品の効果確認が行なわれている事を確認する。他の方法で測定する時は、実際のOA環境を模して適切に行われているかを確認する。

7)静電気低減効果

 VDT機器からの静電気に関しては、現在市販されている当協会会員会社の製品は当協会の静電気のガイドラインに適合している。従って、さらなる静電気の対処の必要はありません。しかし、比較的古い機器や静電気のガイドラインに適合していない機器に対して、当該用品を用いて低減策を講ずる場合には、当協会の静電気ガイドラインの測定法で電磁波防護用品の効果を確認する。


 

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