電磁波防護用品の疑問点の例

 産経新聞97年3月31日掲載記事等からも判るように、電磁波防護用品の効果には疑問があります。
 

例1:OA用電磁波防護エプロンの効果:「電磁波を99%カット」

(1)電磁波カットの方法

  エプロンの素材に金属繊維を織り込み、電磁波シールドとしたもの

(2)効果の確認方法

  ・測定対象:エプロン素材の小片

 ・測定法:   直進する電磁波の量だけを測定する測定方法(アドバンテスト法、KEC法)

(3)疑問である理由

  一般にこうした金属化繊維では、電界は低減出来ても、低周波磁界は低減出来ない。

(4)当委員会による確認

   電磁波の低減率がほとんどゼロであった。

(5)解説

  上記測定方法では、素材として相対的な評価は可能ですが、エプロンの形状での効果を測定できない。電磁波は直進だけではなく、縁から回りこむ性質を持っているので、電磁波の回折を考慮した測定を行わなければ実効的な低減率の検証は出来ない。

例2:OA用画面フィルタの効果:「電磁波を99%カット」

(1)電磁波カットの方法

 画面フィルタの中に透明な金属成分を埋め込むことにより、電磁波シールドとしたもの

(2)当委員会による確認

  電界の低減効果はみられたが、磁界に対する低減効果は皆無であった。

(3)解説

  電磁波の低減効果としてはエプロンと同じである。また、電磁波はCRT前面からの放射に限定されず、前面だけのシールドでは効果に疑問がある。
 

注:電磁波の周波数と低減効果

 一つの電磁波シールド材料であっても、電磁波の周波数や電界か磁界かによって低減効果は著しく異なります。特に低周波の磁界を低減させる為には、パーマロイといった磁性材料を使用する必要があります。銅やアルミのような金属では、電界は遮へいできても低周波磁界を遮へい出来ません。


例3:波動等による電磁波防護用品

 VDT等に貼ったり身につけていれば、波動等によりVDTからの電磁波による健康影響を無害化できる等とうたっている用品があります。
 これらの用品の多くは「波動測定器」と呼ばれる機器で効果の確認を行っているようです。これらの波動測定器に関しては、1997年11月に開催されたサトルエネルギー学会主催「波動シンポジューム」にて、「装置自体に何ら測定機能の無い」事が明らかにされました。こうした波動測定器だけによる効果の確認には疑問が残ります。
 

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