アメリカでは過去5年間、アメリカの国会が決議して電力周波数といわれる50-60Hzを中心とした周波数帯の電磁界による健康への影響の研究を行ってきました。その結論の報告書がまとまりつつあります。その中間報告書の概要を紹介します。
結論
この報告書のワーキンググループとしては、「電磁界」の発癌性レベルは「グループ2B」と判定した。
グループ2Bとは
「ヒトに対する発癌性の可能性がある」というレベルです。
本委員会注:
IARCのグループ2Bには、発癌性の疑いのある各種物質が指定されております。その中には日常生活で常時使用あるいは食されているものも含まれており、何ら使用の規制をされていないものも多くあります。身近なものの例としては、コーヒー、つけもの、ガソリン等もこのカテゴリーに指定されています。
RAPIDに関するホームページはこちらで参照できます。
参考
IARCの基準における分類
グループ1:ヒトへの発癌性がある。
十分な証拠を持って、その物質がヒトに癌を発生させる事が明確である場合。ヒトへの発癌性の確証が十分でなくても、実験動物に対する発癌性が十分な確証を持っており、かつ、十分な確証を持ってヒトへの発癌の機序が明確になっている場合は、この分類に入ります。
グループ2A:ヒトへの発癌性が、高い確率(probably)で存在する。
グループ2B:ヒトへの発癌性の、可能性(possibly)がある。
可能性の大きさによって、グループ2Aとグループ2Bに分けられます。
グループ3:ヒトへの発癌性に関して分類できない。
このグループに入ると判定されるのは、ヒトへの発癌性の確証が十分でない場合や、実験動物に対する発癌性の確証としては、限定されたものしかない場合です。また、他のどのグループにも分類できない時に、このグループに分類されます。
グループ4:ヒトへの発癌性は、高い確率で(probably)存在しない。