デジタル技術、AI、IoT、ITソリューションを活用することにより、社会のさまざまな分野に多様なインパクトを与えています。
JEITA「サステナブルIT推進委員会」では、環境・社会に与えるインパクトを評価し「見える化」するための各種取組みを進めています。

これまでの取り組み

2023年9月に(株)技術情報協会から出版された「CO2排出量の算出と削減事例-LCAによる定量化/カーボンニュートラル の推進-」に、当小委員会のこれまでの活動成果を寄稿いたしました。

デジタル技術・IT ソリューションの CO2 排出量削減貢献

(注)2008年に経済産業省のイニシアティブの下で、7つのIT関連団体が「グリーンIT推進協議会」を設立し、ITによるCO2削減を推進する事業を国内外で展開しました(2008-2012年度/事務局JEITA)。その活動のうち、ITソリューションによるCO2削減ポテンシャル見える化の事業は、JEITA「グリーンIT推進委員会」が引継ぎました。同委員会は2020年度に活動対象を環境対策を含む社会課題全般に拡張するかたちで改組し、「サステナブルIT推進委員会」として、インパクト評価をはじめ、各種の取組みを進めています。

目次

  1. 1. 環境・社会へのインパクト評価(2020年度以降の活動)
  2. 2. 地球温暖化対策への貢献(2019年度までの活動)
  3. (1) CO2削減貢献量の算定の考え方
  4. (2) 成果報告書アーカイブ
  5. (3) IT/IoTグリーン貢献専門委員会の取組みについて

1.環境・社会へのインパクト評価(2020年度以降の活動)

インパクト評価小委員会について

 当委員会は、従前の活動で研究、検討を重ねてきた環境インパクト評価のノウハウを基にして、対象を環境のみならず社会課題にまで拡張し、下記の取組みを進めています。
・サステナビリティに貢献するデジタル化事例の収集
・社会課題全般を対象としたデジタル技術のインパクト評価手法の検討

グリーンby ITがカーボンニュートラルに貢献することを訴求する意義(2022年11月)

カーボンニュートラル実現のためには、温室効果ガス排出量削減に対してあらゆる観点からのアプローチが必要となります。

アプローチの一つに、電機・電子温暖化対策連絡会「カーボンニューラル行動計画」があります。
当該計画の「主体間連携の強化(第二の柱)」では、「製品・サービスのライフサイクルを通じたCO2排出量に着目すると、製品の製造・提供段階だけでなく、原材料の調達や流通、製品の使用、さらには廃棄やリサイクルを含めた排出総量を削減することが重要である。」、「製品だけでなく、ICTサービス・ソリューションを活用することで、業務効率向上だけでなく、業務中の電力の使用量削減や移動の削減など、社会全体での排出削減が実現されている。」としています。

ICTサービス・ソリューション、つまり、デジタル技術・ITソリューションによる社会全体でのCO2削減が実現されていることを見える化するために、グリーン by IT評価手法は非常に有効です。
当該手法によって、CO2削減貢献を定量的、定性的に訴求することで、デジタル技術・ITソリューションがカーボンニュートラルに貢献することを具体的に示すことができます。

CO2排出抑制効果の積算イメージ(オンライン会議)機器の効率改善や電力のグリーン化の進展により、削減効果は更に向上する
機器の効率改善や電力のグリーン化の進展により、
削減効果は更に向上する
IT ソリューション導入による CO2 排出抑制効果は多様な形態があります。一例として、コロナ禍を経て、普及が一段と進展したオンライン会議を取り上げると、遠近双方の出張による移動やオフィスでのエネルギー使用量が削減されます。これらは、IT機器やネットワーク使用による増加等を考慮しても、トータルでのCO2削減に寄与しうるものとなります(右図イメージ参照)。また、サーキュラーエコノミー実現など環境課題克服への効果も期待できます。さらに波及効果による社会課題の解決へのポジティブなインパクトも創出されると考えられます。

このように、グリーン by IT評価手法によってデジタル技術・ITソリューションによるCO2削減貢献を定量的、定性的に訴求することは、提供する企業、利用する企業が共に、自社の事業を通じて社会課題であるCO2削減とカーボンニュートラル実現に貢献することの見える化を可能にします。同時に、企業価値および製品・サービスの価値を向上させることに寄与します。

当インパクト評価小委員会においては、上述の展開に資するべく、今後もデジタル技術・ITソリューションによるCO2削減貢献の評価に関して、判りやすい説明書の作成や方法論のアップデートを行い、みなさまに共有できればと考えています。

日本語・pdf版 
Significance of “Green by IT” Promotion, Contributing to the Carbon Neutrality
成果報告書

(ドラフト版)デジタル技術・ITソリューションのCO2削減貢献評価と波及効果 ~カーボンニュートラル・サーキュラーエコノミー実現をめざして~

当委員会でこれまで取り組んできたデジタル技術・ITソリューションによるCO2削減貢献に加え、新たにサーキュラーエコノミーをはじめ、波及効果として様々な社会課題への貢献にも言及することを目ざして取りまとめに着手したドラフト版となります。 このドラフト版でお示しする取りまとめの方向性について、ご意見をいただけますと幸いです。
 ドラフト版レポート

デジタル技術・ITソリューションがもたらす環境・社会インパクトの評価方法検討
(2022年5月)

 これまで積み重ねてきた、社会課題全般を対象としたデジタル技術のインパクト評価手法の検討内容をレポートして取りまとめました。
レポート

ウィズコロナ、ニューノーマルにおいてデジタル技術が与える社会・環境インパクト
(2020年10月)

 近時のコロナ禍におけるリモート技術に対する社会的要求の高まりの機会を捉え、ウィズコロナ、ニューノーマルを着眼点として、リモート技術が与える社会・環境インパクト評価を試みました。同時に、評価の過程で収集したインパクト評価の指標になる可能性がある公開情報、データを別紙にまとめています。
本編  別紙

2.地球温暖化対策への貢献(2019年度までの活動)

(1) CO2削減貢献量の算定の考え方

ITソリューションによるCO2削減貢献量について、 JEITAのグリーンIT事業では、旧グリーンIT推進協議会で開発された下表内の算定式を用いて検討を進めてきました。
詳しくは 「2.公表資料」の《実務者向け 算定ガイド》をご参照ください。



(2) 成果報告書アーカイブいずれもダウンロード可

AI/IoTによるグリーン貢献等の見える化

  AI、IoT、ビッグデータ等の新技術がどのように環境側面および社会的課題に作用し、解決に寄与することを見える化していくことについて検討した結果をまとめたものです。
  AI/IoTによるグリーン貢献等の見える化の検討 (2019年9月発行)  スライド版    ドキュメント版


IoTを活用したソリューションによるCO2削減貢献


《実務者向け 算定ガイド》ITソリューション(IoT以前) によるCO2削減貢献


ITソリューション(IoT以前)によるCO2削減貢献《試算》



(3) IT/IoTグリーン貢献専門委員会の取組みについて

IoT時代を迎え、社会の各分野でIoTを活用したソリューションの活躍が期待されています。
例えば物流分野等でも、IoTはさまざまな形で効率化やCO2削減に貢献すると思われます。


図1 物流におけるIoTの活動領域

JEITAグリーンIT推進委員会の「IT/IoTグリーン貢献専門委員会」では、これまでのグリーンIT事業で培ってきたITソリューションに係る知見をベースに、IoTの貢献についても「見える化」を進めてきました。



【お問合せ先】

JEITA 技術戦略部 サステナブルIT担当
●電話 03-5218-1054

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