Part3事例 ITによる業務効率化:見える化 月島食品工業株式会社 ムダが見えるとコストは下がる

マーガリンなどの食用加工油脂の製造・販売を手がける月島食品工業では、東京工場の電気設備に電力センサを設置し、サーバを用いて社内の端末から電力使用量を把握可能にするシステムを導入している。電力量の「見える化」により、社員のエネルギー管理意識が強化され、工場におけるコスト削減とともに、環境面においても温室効果ガスの総量削減率18%と、環境負荷の大幅な削減を達成している。

「見える化」によるエネルギー管理意識の強化

環境負荷削減の第一歩は、まず「現状を知ること」から始まる。月島食品工業では、どのパソコンからでも電力使用量を監視できるシステムを導入し、社員誰もが省エネ意識を強く持てる環境を実現している。

電力使用量の把握とエネルギー管理の徹底

工場の部署ごとに電力センサを設置するとともに、こまめな消灯の徹底や人感センサの導入など、エネルギー管理の徹底を行うことで、照明や空調などの消費電力の大幅削減を行った。

温室効果ガス総量削減率18%を達成

第一種エネルギー管理指定工場である東京工場は、法律により省エネの義務が課されているが、燃料転換や消費電力削減などにより温室効果ガス総量削減率18%を達成、その取り組みは都知事表彰を受けている。

システム構成図

システム構成図

「消費電力が見える環境づくり」から始まった省エネプロジェクト

省エネルギー法改正により、第一種エネルギー管理指定工場となった月島食品工業・東京工場は、2002年、工場の環境負荷削減に対する取り組みを本格的に開始した。

プロジェクトは、省エネ診断を受けることから始められた。そして、工場におけるエネルギー消費を正確に把握しなければ的確な省エネ対策を打ち出すことができないことから、まず、電力使用量の「見える化」を行うことが施策として掲げられた。

2003年12月、大枠の電力量を把握するため、手始めに電気室への監視用サーバの導入が行われた。その後、5期にわたって計測ポイントが増やされ、現在では約200カ所のセンサを4台のサーバで監視、部署ごとに消費電力を把握する体制がとられている。今後は生産ラインごとのより詳細な電力量監視を目指し、さらなるシステムの増強が予定されている。

電力センサ設置例
▲電力センサ設置例

契約電力および電力使用量の推移

契約電力および電力使用量の推移

「見える化」で高められた省エネ意識

電力使用量を監視するだけでは、エネルギー消費を減らすことはできない。そこで月島食品工業では、部分的に消灯できるようにスイッチ配線を分けたり、人感センサによって点灯する照明を導入したりするなど、照明を消すことが可能な環境づくりを進めた。そして、こまめな消灯の効果を「見える化」で確認できる体制を整えることで、社員の意識が向上し、省エネ活動がさらに推進されていった。照明電力は、部署によっては50%減となり、サーバ導入コストは、おおむね5年から10年で回収できる見込みとなっている。

温室効果ガスの排出削減義務化への対応

2008年、月島食品工業・東京工場は地球温暖化対策に対する取り組みが特に優秀な事業所と認められ、都知事表彰を受けた。東京都は2010年より、大規模事業所を対象に温室効果ガス排出削減を義務化するが、削減枠をクリアするには、月島食品工業の取り組みに見られるように、エネルギー管理に対する社員の意識を高め、細かな点から省エネ対策を進めていくことも重要である。

組織概要 :月島食品工業株式会社

月島食品工業株式会社

創業: 1948年12月15日
資本金: 5億5,000万円
本社所在地 :東京都江戸川区東葛西3丁目17番9号
URL : http://www.tsukishima.co.jp/

宮嵜弘幸 氏生産本部 東京工場
次長
宮嵜弘幸 氏
下遠野正広 氏生産本部 東京工場 工務課
課長代理
下遠野正広 氏

“新 しい食市場の創造”をテーマに、食用加工油脂を主体とした食品素材の開発・生産・販売を行う月島食品工業は、温室効果ガス削減の取り組みにおいて都知事表彰を受けるなど、環境負荷削減にも力を入れている。

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この内容は2009年3月現在のものです。