Part3事例 IT機器の省電力化:サーバ仮想化 京都大学 サーバ集約が一役「京からはじめるしまつの心」

京都大学は、増え続けるCO2排出に歯止めをかけるため、単位面積当たり毎年2%のCO2排出量削減目標を設定した。京都大学学術情報メディアセンターでは、目標に基づく省エネ活動の一環として、全学に散在するメールサーバ、Webサーバなどを、仮想化により集約するプロジェクトに着手している。サーバ集約は、エネルギー効率の高い運用を可能とするだけではなく、サーバ管理業務の省力化にも役立っている。

学内のサーバを集約することによる環境負荷削減

学部単位、研究室単位で運営されているメールサーバやWebサーバを、センターに集約することで、物理的なサーバ数を減らし、エネルギー効率の高い運用が可能となる。

消費電力は負荷に合わせて細かく制御可能

休日や夜間などの低負荷時に、一部を自動停止して効率的な運用を行う省電力運転や部分運転が可能なシステム構成となっている。細かい電力制御を行うことで、さらなる環境負荷削減効果が得られる。

研究室スタッフをサーバ管理業務から解放

従来、研究室で運営されていたサーバは、教員や大学院生などが管理を行っていた。サーバをセンターに集約することで、スタッフを管理業務から解放し、研究に専念できる環境が整えられる。

構成と省電力効果

システム構成図 ネットワーク系サーバの省電力効果

キャンパスネットワーク系サーバの集約による環境負荷削減

キャンパスネットワーク系サーバの集約による環境負荷削減

▲学部・研究室単位で運用されていたネットワーク系サーバが京都大学学術情報メディアセンターに集約され、一括管理される

京都大学は、年間のエネルギー経費が30億円、京都市で第5位のCO2排出事業者である。同大学では、増え続けるCO2排出に歯止めをかけるため、「京からはじめるしまつの心」のキャッチフレーズのもと、「京都大学環境報告書2007」において、単位面積当たり毎年2%のCO2排出量削減目標を設定した。

この目標達成のための省エネ活動の一環として、京都大学学術情報メディアセンターでは、従来、学部・研究室単位で独自に運営されていたWebサーバやメールサーバなどのネットワーク系サーバを集約、一括管理するプロジェクトに着手している。メールサーバやWebサーバは、負荷がさほど高くないにもかかわらず、24時間の運転が求められており、これらのキャンパスネットワーク系サーバを各研究室で独自に運用することは、必ずしも効率的とは言えない。そこで、これらのサーバを集約し、一括管理することで、大きな環境負荷削減効果が得られることになる。

さらに、サーバ仮想化による高効率運転を行うことで、さらなる省エネ効果を得ることができる。センターでは、サーバ集約システムの構築にあたり、省エネスペックを重視した仕様書のもとにサーバ機器選定を行った。今回導入されたシステムでは、負荷に応じて消費電力を細かく制御するほか、電源設備点検などに伴う計画停電の際にバックアップ電源で動作できるように通常の半分以下の電力でシステムを稼働させる機能を持つなど、柔軟な運用が可能となっている。

管理運営を大幅に省力化することで研究に専念できる環境を

サーバ集約のもう1つの効果が、運用管理の人的コスト削減である。

研究室単位でサーバを運用する場合、教員や大学院生が管理を行うことが多い。本来、研究や教育活動を行うべきスタッフが、本業以外のサーバ管理に追われるというのは、大学本来の姿ではない。これに対し、サーバを集約することにより、これまで管理運営を行っていた研究室スタッフが研究に専念できるようになる。

組織概要 :京都大学

京都大学

本部所在地 :京都府京都市左京区吉田本町36-1
URL : http://www.kyoto-u.ac.jp/
職員数 : 5,397人(2008年度)
学生数 : 学部 13,399人、大学院 9,308人(2008年度)
キャンパス : 吉田キャンパス、宇治キャンパス、桂キャンパス

美濃導彦 氏学術情報メディアセンター
センター長
ディジタルコンテンツ研究部門
教授
美濃導彦 氏
岡部寿男 氏学術情報メディアセンター
ネットワーク研究部門
教授
岡部寿男 氏

創立以来「自由の学風」をうたう京都大学は、全国共同利用を含む国内最多の研究所および研究センターを設置しており、幅広い分野において日本を代表する学術研究拠点となっている。

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この内容は2009年3月現在のものです。