Part3事例 ソリューション:シンクライアント 在宅勤務による環境負荷削減と人材確保

2008年、システムインテグレータB社では、開発環境向けのシンクライアントシステムを元に、在宅勤務ソリューションの提供を開始した。このシステムでは、インターネットに接続されているユーザPCを、USBキー1本でセキュア環境のシンクライアントとして起動することが可能である。在宅勤務環境の整備は、ワークライフバランスの推進のみならず、移動抑制による環境負荷削減にも大きく貢献する。

ワークライフバランス推進による人材確保

在宅勤務環境を手軽に構築することによるワークライフバランスの推進は、子育て世代の女性の再活用をより容易にするなど、優秀な人材の確保につながる。

セキュア環境を実現するシンクライアント

シンクライアントとして起動したユーザPCは、データを外部に書き出すことができない。また、ユーザPCがウイルスに感染していても作業環境には影響しない。

移動の抑制による、CO2排出量の大幅削減

在宅勤務を推進することで、人の移動に伴う環境負荷が大幅に削減される。営業担当が出先から直帰し、自宅PCから報告書を提出することで、CO2排出が4割削減できるとの試算もある。

システム構成図

システム構成図

※オプションとして指静脈情報を利用した生体認証装置が利用可能

優秀な人材確保を可能にする在宅勤務ソリューション

USBキー1本で、自宅のPCがシンクライアントに

▲USBキー1本で、自宅のPCがシンクライアントに

2008年7月、システムインテグレータB社は、在宅勤務向けシンクライアントソリューションの提供を開始した。

このシステムは、出産時など休職中のイントラネット閲覧に関して、社員から出された要望を踏まえ、開発業務に用いられていたシンクライアントシステムを活用する形で開発されたものである。社会的に見ても、出産のために休職した女性の再活用や障がい者雇用、非常時の緊急対応など、在宅勤務に対するニーズは高まっており、自宅から社内イントラネットにセキュア接続できる安価なサービスの登場が待たれていた。

同社が提供するサービスは、USBキーを用いて、自宅PCをシンクライアント化するものである。起動の際にはPCのハードディスクを使用しないので、たとえ自宅PCがウイルスに感染していたとしても、イントラネット側は影響を受けることがない。シンクライアント化されたPCからは、データの書き出し、読み込みなどができないため、データが流出する危険もない。この他、指静脈を利用した生体認証システムがオプションで用意されているなど、高いセキュリティ性能を持ち、企業側が安心して在宅勤務を進めることが可能なシステムとなっている。

環境負荷削減効果

環境負荷削減効果

営業担当が報告書を書く際のCO2排出量について、従来方式と在宅勤務システムで比較を行った。LCAにより評価した結果、人の移動を抑制することによる「運用面」でのCO2排出削減が大きく、在宅勤務システム利用分を加えても、全体で約40%の削減効果が得られる結果となった。

「平成17年度 情報通信技術(ICT)の環境効率評価ガイドライン」に準拠して算出

在宅勤務による環境負荷削減効果

在宅勤務環境に対するユーザのニーズは幅広い。普段はオフィスに出社せず常に在宅勤務を行うといった形態だけではなく、会社からメールを1本打つだけの作業が休日に発生するケースや、営業担当が報告書を書くためだけに会社に戻らなければならないケースなど、自宅から作業を行うことによって、移動コストとともに、環境負荷も大幅に削減できる場面は意外と多いのだ。

右ページに示す例は、営業担当が直帰できるシステムを構築することで削減できるCO2排出量を、ライフサイクルアセスメントにより評価した結果をグラフ化したものだが、こうしたちょっとした取り組みで削減できる環境負荷の大きさに驚かされる。人の移動が環境に与えるインパクトは小さなものではないのだ。

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この内容は2009年3月現在のものです。