JEITA HOME
<2007 IESE/JEITA 共同ワークショップ:資料室>
組込み系ソフトウェア開発の課題分析と提言
〜 大規模化、短納期化、多機種開発にどのように立ち向かうべきか 〜
メニュー

■ パネルディスカッション概要 ■

パネルディスカション: 組込み系ソフトウェア開発の今後の進むべき道とは

  • 組込み系ソフトウェア開発の今後の進むべき道とは」と題して、 ソフトウェア大規模化への対処策についてパネル討論が行われた。

パネラー左側

パネラー右側

  • 初めに、各パネリストがそれぞれの立場からの考えを表明。 まず、須永氏から、「何とかしたい」 と思うミドルマネジメント層の立場で、 組込みソフトウェア開発の現状課題とその解決に向けての考えが述べられた。 開発の規模増大によって「開発のコントロール不能」に陥っていることが最大の課題と指摘。 開発規模増大に対する有効な施策として、PLEのキーポイントとしての「再利用」を指摘するとともに、 PLE導入/再利用化を進めて行く上での問題提起がなされた。

須永氏

  • 次に、春名氏から、開発現場の立場から課題と今後の方向について意見が述べられた。 コーディング主体の開発形態が浸透、全体を俯瞰する仕組みが確立されていない、 トップダウン設計の全面採用は難しいのではないかといった開発現場の課題が指摘され、 コード指向と設計指向の両面で取組むべき今後の方向について考えが述べられた。
春名氏
  • 次に、横山氏から、上流設計ができる人材育成という立場からの現状報告と問題提起がなされた。 開発の大規模化によって、ソフト技術者不足をもたらし、必要なスキルを持った技術者の育成が 求められている。スキルを図る基準として、ETSSの活用が進みつつあるが、スキル育成の教育は、 ほとんど教育時間は取られていない、研修だけでは修得は難しく、実践(OJT)が必要と指摘。

横山氏

  • 最後に、吉村氏から、企業を超えた標準化・再利用という観点から、車両制御ソフトウェアを 例にして、その大規模・複雑化と各社の開発効率向上やソフトウェア再利用の取組みを紹介する とともに各社ごとの「自前開発」の限界を指摘。自動車業界における企業の枠を越えた電子プラ ットフォームの標準化の動きとともに、それを可能にした産業構造を紹介。 ソフトウェアアーキテクチャ標準化による「属人的→組織的→業界全体での再利用」と企業間の 「協調」と「競争」の重要性を指摘。
吉村氏
  • これらの意見表明を受けて、山田氏の司会進行により、ソフトウェアの大規模化に関する 次の4つの質問について順に議論していった。
    • Q1:Problems 現実として直面している問題は何ですか?
    • Q2:Challenges どのような施策を行っていますか? その施策はうまく機能していますか?
    • Q3:Ideas 大規模化に対処する要点は何でしょうか?
    • Q4:Solutions 現実的かつ具体的な解決策はありますか?
山田氏
  • このパネル討論の結果として、以下の結論が得られた。
    • 大規模化に伴って開発量は掛け算式に増加する。 開発量増加モデルを足し算式にするため、分割開発、部分再利用が可能な仕掛けが必要。
      ⇒ソフトウェア構造を定義し、アーキテクチャ指向の開発へ移行。
    • ソースコードを直接触るのではなく、上流設計力の強化が必要。
      ⇒プロセス定義および人材教育で対応。人材育成のキーワードとして、「社会人基礎力」の修得も大事。
    • 日々、製品をリリースし続けなくてはいけない。 現状の資産に基づきつつ、新技術を段階的に取り入れていくことが重要。
    • ソフトウェアプロダクトラインは現時点での理想形の一つ。 特に、ビジネス視点からのソフトウェア改善が必要不可欠。 現在起こっている問題の原因は、技術論だけではない。
会場の様子

このページの先頭 メニュー
©JEITA,2007