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原田康徳(はらだ  やすのり)さんにインタビュー

◇どんな子ども時代を過ごされましたか?

子供の頃は北海道の天売島と言う離島で、中一まで過ごしました。 人口があの時二千人、1クラス20人くらいで。8割が漁師の子で残りは先生の子で。うちの親は中学の先生だったのでそこで転校生でした。
夏は寒くて、気温が20度超えると泳いでいいんですけど、20度ですからね。寒い思いをして毎日泳いでたんです。冬はスキーですが、もちろんリフトなんてないので、担いで登って、滑っていましたね。
そのころ、ソフトビニール人形っていうウルトラマンとかの怪獣の人形があったんですけど、買ってもらえなかったんです。
だから、その代わりにプラスチック粘土という、すごく色のきれいな粘土があって。ずっと、その粘土で怪獣を作ってました。

その後、転校したのですが、もう少し都会だったので、ゴミ捨て場でテレビの基盤とかを拾ってきて、そこから部品を取って電子工作をやっていました。
FMのワイヤレスマイクとかのブザーを買って、回路をみながら、トランジスタで配線したりして。
中学卒業後は、自分は電子回路をやるしかないと思って、高専に行きました。
そこでマイコン……LEDがチカチカするやつがあって。
もともと、電子工作でハンダ付をつけたり外したりして、回路が変わっていくことでチカチカのタイミングを変えるっていうのをやっていたんですが、マイコンでは数字を入れ替えると変わっていくんですね。
それを、どの数字を入れ替えるとタイミングが変わるのかとか分からずに、適当に数字を変えててやっていました。
電子回路のハンダ付けからみると、あまりにも簡単に色んな動きが変わるというのが粘土みたいだなと思って、遊んでいました。

◇パソコンやプログラムには、その時はまだ触れてなかったんですね。

まだ触ってなかったですね。
パソコンはそれからバイトをして買いました。
PC-8001っていうBasicの動くモデルでした。
でも、買ったまでは良かったんですが、モニターを買うお金がなかったんです。だから、音を出るようにして、紙にBasicのプログラムを書いて打ち込んで、プログラムが正しいかどうかは「音」で判断させてました。
5の数字を現したかったら5回音が鳴るとかですね。そういう感じでプログラムを動かしてました。
音が出なかったら、どこかが間違ってるんですが、どこが間違ってるのかわからないので、その時はもう一度、全部打ち直しをしてました(笑)
ちなみにモニターは、その後、白黒テレビを改造して利用しました。お金をかけずモニターを手に入れたという感じでしたね。

◇それから大学に入学されて、コンピュータを専門にされるようになったのですか?

実は、大学でもコンピュータもを専門にする気はなくて、最初は物理を専攻していました。それから成り行きで、大学院からコンピュータ専門にすることになって、現在に至ります。
物理に憧れて、物理を専攻したんですが、挫折したんで大学院でコンピュータに行ったんですよ。
ただ、大学時代も、コンピュータで色々なものを作って触っていました。
私がいた所は、色んな企業がパソコンを貸し出してくれてて、何十種類もあったので、それ全部にプログラムを入れて遊んでました。
授業はもちろん出てましたけど、そこに入り浸っていました。

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◇子どもの頃の粘土での工作が、最終的にコンピュータになったわけですね。

結局、コンピュータでモノを作るって、Viscuit(ビスケット)に繋がるんですが、何でもありなんです。
作る人が全てを決めてよくて、作る人が神様なんですよね。
当時、互換性とか、普及とか、そういう発想もないので、とにかく自分の作りたいものを作ればいいという感じでしたから、自分で全部決めて良かったんです。
ただ、そうすると、その人の中に、美しいものがわかる能力というんですかね。それがないと、簡単に汚いものが作れてしまうんです。
私が物理をやってよかったと思うのが、自然の中で起こっているすごい複雑な現象が、実は小さい方程式一個、二個で、表現されているってことを知ったことなんです。
自然は美しいですよね。たった二つの方程式から、すごい現象が起こるんですから。
そういうすごさが美しさで、それがわかるのが、先ほど言った「美しいものがわかる能力」だと思うんですが、それがわからないと、ダメなんです。
実はビスケットってメガネ一個しかないんですが、一個で何でも出来てしまうというのはそこから来ていて。
ああいう美しさがわからない人は、ゴタゴタ言うものを作ってしまうんです。
だから、自然界の複雑なシステムが、単純な原理を組み合わせでできていることは、コンピュータでモノを作る人たちに知って欲しいと思っていますね。

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