JEITA
インターネットの高齢者社会への普及促進を目指して『E-シニア構想』を公表
平成13年 4月20日
社団法人 電子情報技術産業協会
ソリューションビジネス委員会
高齢化対応専門委員会

注記)
『E-シニア』のEはElectronics(エレクトロニクス)のE、即ちPCとインタ−ネットに代表されるITを活用する事をイメージしています


社団法人 電子情報技術産業協会(略称:JEITA)(会長・日立製作所・庄山 悦彦氏)は、平成12年度よりソリューションビジネスの普及促進を目指してソリューションビジネス委員会を設立し、その下でアーキテクチャ分野、環境整備分野、インターネットビジネス分野、環境情報化分野、高齢化対応分野の専門委員会を組織して、IT産業拡大に貢献できるよう、インフラ面の整備、標準化など、多くのテーマに取り組んでおります。
このたび、「高齢化社会の活性化への基盤技術とソリューション構築への提言」をテーマに1年間の委員会活動を行ってきました高齢化対応専門委員会(委員長・三菱電機・小西秀俊氏)の活動報告がまとまりましたので、その成果を『E-シニア構想』として広く公表します。

■ E‐シニア構想の背景
現在、我々をとりまく社会環境は、高度情報化社会と高齢化社会が同時に、多様な形で進行しています。高齢者のポテンシャルは現役世代に劣りません。これから迎えつつある高齢化社会では、高齢者層がIT(情報技術)を活用し、"熟知"(高齢者の経験・智慧を含んだポテンシャルの意)をもって社会貢献していくことが望まれます。

■ E‐シニア構想の狙い
「E-シニア」は、21世紀の日本の社会を活性化していく鍵となる提案です。 上記で述べたように高齢化社会の中核は、物事に積極的なシニア、パソコン/インターネットを使いこなすシニア、豊富な知識と経験を有するシニアです。このアクティブシニアを「E-シニア」と呼ぶなら、E‐シニアの社会貢献は、まさに高齢化と高度情報化が同時並行的に進行する社会の活性化の鍵となりえます。
『E-シニア構想』では、映像と音声を含む情報通信の恩恵を高齢者が手にできる(高齢者を情報弱者にしない)社会環境を構築し、地域コミュニティを軸とした、「真の豊かさを実現できる生活環境」の実現を目標にしています。

■ E‐シニア構想のコンセプト
"熟知"で高齢者が社会貢献・・それを高齢者・産業界・政府/自治体が一体となって推進する・・これが『E‐シニア構想』のコンセプトです。
E‐シニア構想の実現に向けては、高齢者自身がITを活用し社会参加・社会貢献するサービスやインターネットを活用して高齢者を支援するサービスなど、高齢者の社会参加を促進するためのソリューションサービスの充実がインフラとして必要です。
この観点から、高齢者ニーズを「高齢者の苦手な部分をサポートする」、「高齢者の嗜好を反映する」、「高齢者のポテンシャルを活用する」の3つの側面から捉え、これらに対応するビジネスモデルを整理し、その全体像をE‐シニアの社会参加概念図として提示しました。E‐シニアの社会参加の実現に向けて必要となる連携・協調関係を「期待されるサービス」、「期待される情報ネットワーク」、「高齢者が活動したくなるプレイス」のトライアングルとして捉えました。そして、これらを総合したシステム化構想をE‐シニア支援システム(案)として示し、パソコン教育・支援センタや健康福祉など具体的な適用対象分野をE‐シニア支援アプリケーションとして提示しました。

■ E‐シニア構想への期待
シニア市場は現実に大きく、今後ますます拡大して行く市場です。消費者向けの商品がシニア市場で高い評価が獲得できれば、その効果は全ての世代に波及する大きな可能性があります。21世紀の日本経済活性化の観点からも、E‐シニアを市場の牽引車としたソリューションサービスの進展が望まれます。
また、政府が推進する「日本型IT(情報技術)社会」=「E-ジャパン構想」においても、『E-シニア構想』がその実現・推進の一助になれば幸いです。


 ● 参考資料 ●
『E‐シニア構想(Everything on the Internet)』 (全14頁)
(PDFファイル・186KB)


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