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JEITA 知識情報処理技術に関するシンポジウム
「復興からスマートな社会へ: 個人データで絆を紡ぐ技術」
東日本大震災からの復興を単なる復旧ではなく創造的な再構築とし、被災地の新生をモデルケースとして日本全体を再生することが求められています。多数の関係者の間での目的の共有やトップダウンの意志決定が困難な状況は被災地に限りません。これは、本来の生活と生産以外の間接業務が十分に機能していないということでしょう。
一方、デジタルデータの実世界とのグラウンディングおよびデータ連携とそれに基づくサービス連携により間接業務を置換(中抜き)して生活と生産とを直結する(絆を結ぶ)のがITのひとつの主要な効能です。ITの普及により、個人および個人のゆるやかなネットワークの役割が、既存の組織の役割に対して比重を増しつつあります。
クラウドコンピューティングは個人や小さなコミュニティをエンパワーし、Facebook等のソーシャルメディアは個人データの本人による管理・活用を普及させつつあります。たとえば、医療記録や住民基本台帳のデータが失われたり、データが残っていてもそれを活用できなかったりするために、良いサービスが行き渡らないなどの問題が被災地のいたるところで発生していますが、個人データにまつわるこのような問題の解決はITの重要な使命でしょう。
このシンポジウムでは、ビッグデータやスマートシティについて個人データやプライバシの観点から検討し、復興を持続発展可能な知識社会の構築につなぐ方法を考えます。
10:00〜10:05
開会挨拶 橋田 浩一 氏 (産業技術総合研究所)
10:05〜10:50
個人情報プラットフォームとスマートライフ
橋田 浩一 氏 (産業技術総合研究所)
個人が本人の医療記録や行動履歴等のデータを蓄積・管理し、それを事業者に選択的に開示してサービスを受けるための個人用の情報ツール(PLR; 個人生活録)およびその運用に必要なデータ連携のための社会情報基盤について述べる。
これに関連して、産総研で進めている放射線リスク管理や復興支援のプロジェクトについても紹介する。
10:50〜11:40
パーソナル情報を巡る現状と課題 〜保護と利用のバランスについて〜
坂下 哲也 氏 (JIPDEC)
2011年2月世界経済会議の『パーソナル情報:新たな資産価値の出現』を契機に、パーソナル情報の利用について、国際的に議論も活発になり具体的なサービスも生まれてきている。その中では差別化やマーケティング戦略として大量データ(ビッグデータ)をプライバシーの課題に留意して、如何に収集し、分析し、融合し活用するかが中心になっている。パーソナル情報の利用を巡る国内外の状況や、情報銀行のような自身の情報を自分でコントロールする仕組みなどについて紹介る。
11:40〜12:50 昼休み
12:50〜13:40
ANPI_NLP:若手自然言語処理研究者たちの震災活動の記録
橋本 泰一 氏 (東京工業大学)
東北地方太平洋沖地震の発生直後から、Twitterでは様々な地震や津波の被害情報や助けを求める声が飛び交っていた。このような状況を見て、「自然言語処理技術で何かできないか?」と若手研究者の間で自然発生的に活動が始まったのが、ANPI_NLPである。本講演では、この活動の記録について紹介する。
13:40〜14:30
岩手県における被災者台帳を活用した生活再建支援の最新動向
井ノ口 宗成 氏 (新潟大学)
東日本大震災における被災地では、発災から1年を迎え、復旧から復興に対応
局面が移行しつつある。岩手県では「取り残しのない生活再建支援」を実現す
べく「被災者台帳」を導入し、ウェブ上でサービスとして配信することで、被
災市町村での活用が始まった。本講演では、その最新の実態を紹介する。
14:30〜15:20
あなたの大切な病歴を、あなた自身で手の中に「小児がん長期ケア事業」
村田 晃一郎 氏 (北里大学)
小児がんの治癒率は70%を超え、多くの経験者が合併症と共に長期生存している。しかし、病気に関する情報・治療に伴う情報を、長期にわたり共有する仕組みが不十分である。本講演では、患者自身が正確な病歴情報を管理し、情報がないことにより起こりうる様々な不測の事態から身を守るための「どこでもMY病院」の事業内容について説明する。
15:20〜15:40 休憩
15:40〜16:50
パネルディスカッション
司会: 津田 宏 氏 (富士通研究所)
ディスカッサント: 橋田 浩一 氏 (産業技術総合研究所)
パネリスト:
坂下 哲也 氏 (JIPDEC)
橋本 泰一 氏 (東京工業大学)
井ノ口 宗成 氏 (新潟大学)
村田 晃一郎 氏 (北里大学)
16:50〜16:55 閉会挨拶 橋田 浩一 氏 (産業技術総合研究所)
■ 日 時 平成24年3月1日(木)10:00〜16:55
■ 場 所 一般社団法人 電子情報技術産業協会 401−403会議室
東京都千代田区大手町1−1−3(大手センタービル4階)
地図 http://www.jeita.or.jp/japanese/about/location/
■ 主 催 一般社団法人電子情報技術産業協会 知識情報処理技術専門委員会
■ 定 員 80名(定員になりしだい締め切らせて頂きます。)
■ 聴講料
区 分 | シンポジウム聴講料 | H22年度知識情報技術に関する調査研究報告書 (注1) |
会員会社(注2) | 無 料 | 5,000円 |
非会員会社(一般) | 無 料 | 10,000円 |
大学(院)生 | 無 料 | 10,000円 |
(注2) JEITA会員一覧 http://www.jeita.or.jp/japanese/member/list/index.htm
◆ 会場にて、JEITA 知識情報処理技術委員会の平成22年度活動報告書の申し込みをお受けいたします。後日、報告書と請求書をお送りします。
※ シンポジウム当日は、ご来館の際にビルの1Fまたは地下1F受付にて「JEITA専用(入館証)」を受取り、4階へお越しください。お帰りの際は、「退館証」が必要となりますが、シンポジウム終了までに会議室にてお渡しします。
■ 講演資料
当日、受付にてお渡しします。
■ 申込方法
参加申込書に必要事項を記載の上、下記事務局宛にFAXかE-Mailにて2月24日(金)までにお送り下さい。
<ダウンロード> |
満席の場合のみ、お断りのご連絡を致します。受講証はお送り致しませんので、当日は<お名刺>又は<学生証>をお持ち下さい。
■ 事務局 〒100-0004 東京都千代田区大手町1−1−3 大手センタービル
一般社団法人 電子情報技術産業協会 インダストリ・システム部 (担当:吉田、北田、坂本)
TEL:03-5218-1057 FAX:03-5218-1076 E-Mail:itt2@jeita.or.jp
JEITA 個人情報保護方針