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IS-14-情端-5 端末装置に関する調査報告書

■ エグゼクティブサマリ ■
第1部 金融端末装置に関する調査報告
 金融端末装置の出荷統計は、1978年度より実施され、本年度で36年目になる。自主統計参加10社により、基幹系業務端末7機種について、四半期毎に出荷台数、出荷額の統計を採り、これらの統計データと市場動向を基にした製品分野毎の分析や今後の出荷見通し調査を行っている。
また、ソフトウェアやソリューションサービスの比重の高まりから、1997年度より自主統計参加7社により専用端末系/業務系計種のソフトウェアについて半期毎の出荷額の統計を採り、上記装置出荷統計と併せて製品分野毎の分析や今後の出荷見通し調査を実施するなど充実を図ってきた。
2013年度の金融端末装置全体の国内出荷実績は、ハードウェア、ソフトウェア合計で、約1,200億円(前年度比117%)であった。そのうちハードウェアが台数で、約66,000台(前年度比165%)、金額で約913億円(前年度比119%)、ソフトウェアが約286億円(前年度比112%)であった。
ハードウェアについては、端末更改時期や消費増税の前倒し需要などから、直近2年を大きく上回る結果となった。また、ソフトウェアについては、ハードウェアの伸長には及ばないものの、10ポイントを超える結果となった。なお、出荷金額に占めるソフトウェア比率は、前年度マイナス1ポイントであり、2011年度から2年連続の減少となっている。
2013年度は、アベノミクス「3本の矢」による一体的な取り組みの政策効果から、大企業を中心とした国内企業の収益が向上基調にあり、景気回復の動きが確かなものになってきた。2014年度は、昨年度とほぼ同等程度の出荷金額を見込んでいるが、4月1日より開始した消費増税の影響がまだ見えないことから、今後の需要については、増減する可能性が予想される。
さらに、今後の金融端末市場に影響がありそうな以下のテーマを抽出し、調査・研究を実施した。
・モバイル非接触ICサービス普及協議会の概要と活動について
・電子決済拡大に向けたVisaの具体的な取り組み
・社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)
・リサイクル事業の最新動向について
今後の課題として、ソフトウェア統計の充実やソリューションサービス統計の具体化による市場調査カバレッジを拡大することがあげられる。近年、他業界と協業しての製品や店舗展開が進んできたことにより、金融機関の専用端末から複合化された製品になってきたものもある。他方、ソフトウェア技術の向上により専用機器から汎用PCに置き換えられるものもある。このような製品をどのように位置付けし、統計に反映させていくかも今後の課題である。
このように多様化するサービス・製品及び社会・経済環境に対して金融端末専門委員会としても柔軟な体制で臨み、他委員会との交流も含め、更なる市場調査の拡充を行う必要が出てくるであろう。これらの調査結果が今後の金融端末の方向性を示唆するとともに、金融並びに提携業界の連携を推進する一助となるものと確信する。

第2部 流通POS端末装置に関する調査報告
流通POS端末専門委員会では、流通業界を取巻く経済・社会状況を把握する中、流通POS及び周辺機器の技術動向の調査とともに、店舗におけるPOSの運用やソフトウェア動向、社会システム動向等の調査・研究を行っている。
POS市場においては、長く続いていた日本経済のデフレ傾向により、企業は借金を避け、さらに円高による競争力低下に対する人件費の圧縮や経費削減の推進により、新たな設備投資を控え、先送りする傾向にあった。しかし2012年度末に発足した新政権の経済政策への期待感もあり、経済全体で景気回復の兆しが見えてきている。個人消費についても、ボーナスの増額や、2014年度適用の8%への消費増税に対する駆け込み需要など、消費を刺激する材料がそろい明るい兆しが見えてきている。
2013年度のPOS端末の国内出荷台数は前年度比117%の13.1万台、出荷金額は前年度比103%の374億円となり、2006・2007年度にあった2000年対策リプレースから7年が経過しそのリプレース需要の高まりが出荷台数実績に影響したものと考える。一方、出荷金額は伸びが低く、出荷単価は大きく低下していることが分かり、メーカーにとって依然厳しい状況が窺える。
出荷台数に占めるPC-POSの割合は1996年度から順調にその構成比を伸ばしてきており、2013年度も全体の8割を超え9割にほぼ届く結果となった。
POS端末の2018年度までの5ヵ年出荷台数見通し調査では、リプレース需要が2014年度まで継続し、その後一旦微減するものの再度増加して14万台程度で推移すると見通された。
2013年度実績におけるPC系POS比率は市場の9割近くPC系POSが占めている状況であったが,2014年度以降もこの傾向は続き,9割を超えて飽和した状態が2018年度まで続くと見通されている。
 2013年度のカード決済端末の出荷台数は150千台強となり,2012年度の112千台と比較して約38千台の大幅な増加となった。これはDoPaサービスの終了(2012年3月31日終了)に伴う入れ替え需要の反動により減少した2012年に対し,消費税導入前の駆け込み需要,2008年に有った携帯型端末の特需需要のリプレースが大幅増加の要因と思われる。これは据置型が前年比106%と微増しているにもかかわらず,携帯型が前年比282%と大幅に増加していることからも窺える。また消費税導入前の駆け込み需要による増加は、四半期毎の出荷実績を見ても,2013年度第4四半期の出荷台数が突出している事からも窺うことが出来る。
PC系POSアプリケーションソフト調査では、現在採用しているOSとして,「Windows系」が全体で約90%とトップを占めるが「その他OS」として、Linux系OSを搭載したPOSや、タブレットPOSの増加によるiOS及びAndroidの採用も増えてくるとのコメントも多く挙げられた。採用OSでは、OPOS対応のWindows搭載がPC系POSの主流となり,Windows Embedded,WEPOS,POSReady等の採用,さらにWindows7,Windows8が登場する中で,2014年度以降も前年に続き,構成比率が90%を超える見通し結果となった。
POS端末装置保守状況調査は隔年で今年度の調査はないが、POSシステムにおける保守の重要性の観点から調査を継続している。
委員会としては、今後も引き続きPOS端末装置だけではなく、POS周辺機器、及びそれらをとりまくアプリケーションや決済等の社会システムなど全てを包含した議論を重ねる中、今後予想される社会システムの電子化やIT技術進展による店舗形態の在り方についても討議を深め、的確な情報発信に努めていく所存である。
流通業界を取巻く環境は依然として厳しい状況ではあるが、本報告書の内容は流通POS開発に関わる方々、および流通業界の方々の参考になるものと確信している。

第3部 ハンディターミナルに関する調査報告
ハンディターミナルは携帯型の特長を活かし,データの発生時点での収集並びに処理ができること
から流通,運輸,製造等のあらゆる業種で活用され,業務の省力化・効率化の促進に貢献してきた。
装置の機能に関しては利用者側から各業務に最適な機器の要求があり,装置開発メーカも利用者の要
求を満たすべく携帯性を追求する中で,高い耐環境性能,大画面液晶,大容量メモリ,近距離無線通信機能,広域無線通信機能,通話機能,NFCリーダライタ機能,RFIDリーダライタ機能等の搭載が進んでいる。
 ハンディターミナルは,流通,運輸,製造等の業種で情報収集・管理等の情報処理を担う装置とし
て活用されている。また,近年ではスマートフォン,タブレット端末等が業務利用されはじめており,広く携帯端末の一種としてハンディターミナルの業務利用範囲も広がりつつある。
 2013年度(平成25年度)のハンディターミナルの出荷実績は, 2012年度(平成24年度)と比較して,国内向け出荷では台数で5%減少し,金額では3%増加した。また,輸出では台数で20%減少し,金額でも21%減少した。
 各カテゴリ別にみると,スキャナ一体型の国内向け出荷は,台数で2%減少し,金額では11%増加した。輸出は,台数で7%減少し,金額では6%増加した。
 標準型の国内向け出荷は,台数で2%減少し,金額でも6%減少した。また,輸出は台数で53%減少し,金額でも53%減少した。
 ノートパッド型の国内向け出荷は, 台数で41%減少し,金額でも25%減少した。
 4カ年の出荷見通しでは,スキャナ一体型の国内向け出荷台数は,2014年以降は年平均約2%程度の微増と見通した。
 標準型の国内向け出荷台数は,2014年以降緩やかに減少すると見通した。
 ノートパッド型の国内向け出荷は,2017年までは横ばい傾向が続くと見通した。

第4部 KIOSK端末装置に関する調査報告
1.調査の概要
1.1調査の概要
 平成20年度にKIOSK端末専門委員会が発足して以来,平成20年度〜24年度で確立した自主統計調査をベースに,本年度(平成25年度)も同様に自主統計を基本継続した。
定義付けされたカテゴリーに沿って業界全体の動向を可視化することを目的に,一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)インダストリ・システム部が上半期・下半期に分けて調査を実施した。
1.2 調査の方法
 (1)KIOSK端末装置の定義付けと分類
初年度(平成20年度)定義設定したKIOSK端末の定義付けとカテゴリー分類に基づく。
(2)KIOSK端末出荷自主統計調査
一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)インダストリ・システム部は,前年度までの統計情報を引継ぐ形で本年度(平成25年度)の出荷台数・金額のアンケート調査を行い,結果報告を集計し,出荷実績を求めて,全体金額の推移及び主な製品カテゴリー別の分析をおこなった。
尚,平成20年度にKIOSK端末装置の定義と分類を行い調査した際,平成17年度から平成20年度の統計調査をおこなった。
3 調査のまとめ
平成25年度については,
(1)全体:台数で26,562台(対前年度比126%),金額で4,937百万円(対前年度比96%)であった。
(2)形態別:汎用KIOSK端末は台数で10,510台(対前年度比118%),金額で2,586百万円(対前年度比124%),専用KIOSK端末は台数で16,052台(対前年度比132%),金額で2,351百万円(対前年度比76%)であった。
(3)タイプ別:スタンドアローンタイプは台数で18,064台(対前年度比148%),金額で3,542百万円(対前年度比90%),デスクトップタイプは台数で8,498台(対前年度比97%),金額で1,395百万円(対前年度比115%)であった。
(4)分野別:「流通」分野・「サービス」分野の台数は全体台数の90%,同金額は全体金額の80%を占めており,特に,「流通」分野は台数で11,103台(対前年度比154%),金額で2,993百万円(対前年度比109%)であった。
平成25年度は,平成24年度と比較し,単価の下落が大きく(平成24年度単価246千円→平成25年度単価186千円),台数は大幅に伸びたものの金額は伸び悩んだ。特に専用端末の単価が半分近く(平成24年度単価254千円→平成25年度単価146千円)と下落幅が大きい。

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