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IS-15-情端-4 磁気記憶装置に関する調査報告書
■ エグゼクティブサマリ ■1.2014年のHDD市場実績
2014年の全世界での固定磁気ディスク装置(HDD)総出荷台数は5億6,400万台(前年比2%増)であり,そのうち日本国内需要は3,300万台(前年比1%増)と4年ぶりのプラス成長となった。
サイズ別では3.5型HDDは,全世界で2億4, 100万台(前年比2%減)であり,そのうち日本国内向けは1,000万台(前年比フラット)となった。2.5型HDDの出荷量は全世界で3億2,300万台(前年比5%増)となり,HDD出荷に占める2.5型の割合は,全世界で57%であった。そのうち日本国内向け出荷は2,200万台(前年比1%増)となった。
全世界での需要実績を見ると3.5型ではデータセンターなどで使われているサーバー用HDDの需要が伸びているものの,デスクトップPC向けHDD需要の減少により,3.5型全体ではマイナス成長でとなったと考えられる。
一方,2.5型では旧OS(WindowsXP)のサポート終了に伴うPC用途の下支えや,新型ゲーム機発売による特需,外付けHDDの堅調な伸びなどからプラス成長となったと考えられる。
国内ではHDD市場の減少が続くと見込んでいたが,新OS移行に伴うPC買い替えによる特需があり,全体としては微増となったと思われる。
2.2017年までのHDD市場動向
全世界のHDD総需要は,2015年以降は再び減少に転じる見通しとなった。 2015年の出荷数量は5億5,400万台(前年比2%減),2017年には全世界の出荷台数が5億3,300万台(2015年以降で年平均1.9%減)という見通しである。そのうち日本国内向けとしては2015年が3,000万台(前年比9%減),2017年は 2,800万台(2015年以降で年平均2.2%減)となった。 2017年の3.5型HDDの需要は,全世界で2億3,300万台(2015年以降年平均0.5%減),そのうち日本国内向けは900万台(2015年以降で年平均1.5%減)となった。 一方,2.5型は2017年には全世界で2億9,900万台(2015年以降で年平均3%減),そのうち日本国内には1,900万台(2015年以降で年平均2.5%減)が出荷されるという見通しとなった。
3.5型ではPC向けは減少が見込まれるが,データセンターなどで使われているサーバー用HDD市場の伸びと相まって,全体ではほぼ横ばいと見通される。
また,2.5型では,今後ノートPC市場からの需要そのものはフラットから微増に転じると見通されているものの,PCに搭載されるSSDの比率が増加していく結果,市場からのHDDの需要は減少してゆくと考えられ, 外付けやゲームなどの市場の堅実な需要が期待できるものの全体としては減少傾向となったものと考えられる。