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IS-12-情端-2 プリンターに関する調査報告書

■ エグゼクティブサマリ ■
1.プリンター市場動向調査
1.1 2011年の市場規模
ドットマトリックスプリンターは340万台と2010年の想定の市場の伸びには届いていないが,それ以前の経済の落ち込みによるIT投資削減の反動を受け,回復基調となったIT投資と需要に支えられている。
インクジェットプリンター分野は、インクジェットプリンター/インクジェットプリンター複合機合計で8,290万台となった。米欧など先進各国において先行き不透明な市場の中で低迷し前年割れする結果となったが,新興国地域で比較的堅調に推移し全体で微減という結果となった。インクジェットプリンター単機能機が減少し、インクジェットプリンター複合機が主流となる動きはこれまでどおり続いている。この比率は,地域によって差はあるものの,全世界では2011年には単機能機が2割弱,複合機が8割強となった。
ページプリンター分野は、ページ単機能のカラー機において唯一前年からマイナス成長となったものの、全体としては昨年からの市場拡大傾向が継続しており、ページプリンター/ページプリンター複合機合計の世界市場での実績は、3,840万台で対前年109%となった。特に、A4ページ複合機の伸びは著しく、モノクロ/カラーとも対前年120%を超える成長を達成した。製品別に見るとページプリンターは2,300万台に迫り,ページプリンター複合機は1,550万台となった。
1.2 2014年までの見通し
 ドットマトリックスプリンターは,2014年には330万台となる見込みである。(2011-2014年平均成長率-1%)
 インクジェットプリンター/インクジェットプリンター複合機全体の世界市場は,2014年に9,250万台になる見込みである。2008―2009年の金融危機で台数を大きく減らした後、緩やかな回復基調が続くと思われたが、先行き不透明な経済状況の中、2011年に一息ついた結果となった。今後は、先進国での緩やかな回復と新興国での堅調な成長をミックスした形で,2014年の9,250万台へと全体として緩やかに増加してゆく見込みである。(年平均成長率4%)
2014年のページプリンター/ページプリンター複合機全体の世界市場見通しは、台数ベースで4,540万台(年平均成長率6%)という結果となった。ページプリンターの世界市場は、台数ベースで2,590万台(年平均成長率4%)、一方、ページプリンター複合機の世界市場は、台数ベースで1,950万台(年平均成長率8%)の規模になると見通した。

2.プリンター技術動向調査
2011年の電子写真方式のプリンターは,SFPが12社48機種,MFPが8社101機種で,合わせて149機種が発売された。2010年と比べてMFPが大幅増加したことによるものであるが、2011年1月発売の機種が多かったことによるものとみている。2010年よりプリント・オン・デマンド(以降PODと記す)分野用の製品を分けて分析を行っているが、2011年のPOD機種数は2010年機種数の1/3の5機種であった。
インクジェット方式は,4社から12機種のSFP新製品,4社から33機種のMFP新製品,8社から21機種のLFP新製品が発売された。SFPの機種数は,長期的に減少傾向が続いているが,グラフを見ればわかるように一定の数に収束してきている。SFPにおいては3分化の傾向がみられ、A6サイズ以下の小型専用機、A4サイズプリンター、およびA3印刷ができるプロハイアマ用プリンターのジャンルが形成されつつある。
MFPはほぼ30機種前後が発売されるという状況である。一方,LFPは、毎年発売機種数に増減がみられるが、2011年は染料インク機種が無くなり、より耐候性、耐水性に優れた業務用プリンターとしての性格が強くなってきている
感熱・熱転写方式は,5社から11機種の新製品が発売された。用途別でみると、家庭用用途は2009年6機種、2010年1機種と減少していたが、2011年は0となり、業務用途への変化が明確になった。
ドットインパクト方式については,本方式の特徴である同時複数枚複写機能が必要な市場があるため、機種数は少ないながら、シリアル方式で2社より4機種、ライン方式で1社より2機種の新製品が発売された。
方式別新製品機種数

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