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IS-16-情端-2 プリンターに関する調査報告書

■ エグゼクティブサマリ ■
1.プリンター市場動向
 2015年の世界経済は,アメリカ及びヨーロッパ経済の回復傾向は見られるものの,中国経済の減速や資源価格の下落および通貨安が新興国等の景気を下押しした。国内経済は,中国を始めとする新興国経済の減速の影響を強く受けた。
 プリンター市場は,こうした経済状況と市場の成熟度合の影響を受け,成長を続けてきた電子写真プリンターにおいても2015年は前年を大きく下回った。全体としては対前年比93%と2年連続のマイナスとなり,国内においては,対前年比86%と大幅に減少した。
向う3年については,世界経済は全体として緩やかな回復が見込まれ,2018年のプリンター市場は2015年比109%と増加を見通した。
 ドットインパクトプリンターは304万台,対前年比95%となった。他のテクノロジーへのシフトを主因とする減少傾向は継続しているものの,ドットインパクトプリンターでなければならないという需要もあり,中国,アジアパシフィック地域では対前年96-98%と緩やかな減少となっている。
 インクジェットプリンターは,SFP/MFP合計で対前年比95%の6,814万台となった。SFPは対前年比90%の888万台,一方MFPは対前年比96%の5,925万台となった。近年のスマートフォン・タブレットの急速な普及とSNSなどによる写真共有のインフラができたことにより,先進国における家庭向けインクジェットプリンターに拠る写真出力用途が減少していることに加え,2015年は新興国地域を中心とした景気減速の影響もあり,全地域で対前年比マイナスとなった。
一方で安価にカラー印刷可能でビジネスニーズに応えるインクジェットプリンターも増えており,ビジネス用途で受け入れられ始めている。この傾向は先進国・新興国ともに共通であり,全世界ベースでビジネス機へシフトしながら市場が推移していると考えられる。
 電子写真方式プリンターは,SFP/MFP合計で3,534万台となり,対前年比90%と大きく減少した。
SFP/MFP別では,SFPが対前年比85%の1,760万台,MFPが対前年94%の1,790万台となり,SFP,MFPとも減少した。特にSFPの減少が大きく,これに伴い世界市場におけるMFP化率は50%を超えた。カラーMFPの市場に占める割合はまだ小さいが,対前年比104%となった。
 モノクロ/カラー別では,モノクロ全体が対前年88%の2,837万台,カラー全体が対前年98%の697万台となった。相変わらずモノクロの比率が高く,市場の8割がモノクロだが,カラー化率は全ての地域で徐々に上がっている。
 新興国地域を中心とした景気減速の影響もあり,2015年は全ての地域で対前年比マイナスとなった。
                          
SFP:単機能機, MFP:複合機

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