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IS-11-情端-3 入力装置に関する調査報告書

■ エグゼクティブサマリ ■
第Ⅰ部 イメージスキャナに関する調査
▪ 2010年の出荷実績
2010年のイメージスキャナの出荷実績は以下のとおりであった。

2010年のイメージスキャナの出荷実績は,台数では354万台(前年比28%増),金額では698億円(前年比21%増)と,台数・金額とも大幅増となった。これは,コンシューマ向けスキャナ(A3以下/50,000円以下のフラットベッド)が台数(20%増),金額(7%増)ともに増加し,主に業務で紙文書の電子化やOCRなどに使用される業務用スキャナ(A3以下/50,000円以下のフラットベッドを除く)が,台数(48%増),金額(25%増)と増加を示したことによる。
▪ 2013年までの出荷見通し
2013年のイメージスキャナの出荷見通しは,各社から提出された数値より以下のような集計結果となった(i)

2013年のイメージスキャナは,台数では338万台(2010年比4%減),金額では613億円(同12%減)という結果となった。
このうち業務用スキャナは,2010年と比べて台数で27%増,金額で5%減となる結果となった。
一方,コンシューマ向けスキャナは,2013年には2010年と比べて台数で19%減,金額で31%減との結果となった。
但し、この2013年の出荷見通しには、2011年3月11日発生の東日本大震災の影響を考慮していない値である。現在各社にて震災の影響を確認しているが、その結果によっては、2013年の出荷見通しは変動する可能性がある。
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(i)アンケートの集計方法:各社から提出された業界見通し数値を事務局にて集計。集計方法は,各社提出数値の平均による。

第Ⅱ部 OCR関連装置に関する調査
1.2010年の市場規模
2010年のOCR市場は,台数(本数)ベースで約38万6千台,金額ベースで約117億円となっており,前年比でそれぞれ約78%増,約24%減という結果になった。タイプ別では,伝票処理用OCR「デバイスタイプ」が台数ベースで約1%増の約14,200台,金額ベースで約34%減の約86億円となった。伝票処理用OCR「ソフトウェアタイプ」は本数ベースで約15%増の約3,000本,金額ベースで約17%増の約8億8千万円となっている。文書用OCR は,本数ベースでは約84%増の約37万本,金額ベースでは約53%増の約11億2千万円となった。ソリューションサービスは金額ベースで,19%増の約10億8千万円となった。
伝票処理用OCR「デバイスタイプ」は,台数は横ばいだが金額が大幅減となった。その原因は,2008年から続いていた特需による大量導入が一段落したことがあげられる。また,導入まで数年の検討段階を要するケースもあり、景気後退の影響が少し遅れて現れているとみる。伝票処理用OCR「ソフトウェアタイプ」は,台数金額とも増となった。また,文書用OCRは台数金額とも大幅増となった。比較的低価格の製品は導入まで期間を要しない点もあり,2009年まで景気後退の影響を受け市場の縮小が続いていたが,その反動も現れやすいとみられる。ソリューションサービスは金額ベースで増加している。その要因は,OCR応用製品の拡大によるものと窺える。
2.2013年までの見通し
2013年のOCR市場は,台数(本数)ベースで約32万台(2010年比16%減),金額ベースで約131億円
(2010年比12%増)と見通した。タイプ別では,伝票処理用OCR「デバイスタイプ」は台数ベースで
約15,600台,金額ベースで約105億円,伝票処理用OCR「ソフトウェアタイプ」は本数ベースで約3,500本,金額ベースで約9億8千万円,文書用OCR は本数ベースで約30万本,金額ベースで約6億と見通した。
伝票処理用OCR「デバイスタイプ」は,高機能/高性能化,高付加価値化による新たな市場ニーズへの対応も進んでいく。また、景気回復の影響もあり,2011年は金額ベースで13%増と見通す。2012年以降は,市場は横ばいで推移していくと見通した。伝票処理用OCR「ソフトウェアタイプ」については,本格的なビジネス用途に向けた機能強化と同時に,特色である低価格化を基に,分散入力市場での利用が進むと思われ,2008年以前の,約9億円の水準でほぼ横ばいに推移するものと見通した。
文書OCRは特需の影響が終了して2011年は大幅減少が見込まれるが,以降はスマートフォン向け文書OCRなどの新たな市場開拓により,6億円前後で推移すると見通す。

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