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1.購入の検討
1.1 目的を明確に
パソコンを買いたいと思って、お店のパソコン売り場に行くと、たくさんのパソコンが並んでいます。一体どれを買ったら良いのでしょうか。
買った後でやりたいことができなくて後悔はしたくないが、出来るだけ安く買いたい・・・お店に行った時の気持ちはこんなところでしょうか。
考えてみましょう。そのパソコンは何に使いたいのでしょうか。
メールをしたい、インターネットを見たい、写真の加工や保存をしたい、文書や資料を作りたい、テレビの視聴や録画をしたい、Blu-ray DiscやDVDを再生したい、ゲームをしたい・・・
人によりその目的はさまざまです。
また、家の中の同じところにずっと置いておくのか、それともたまには外へ持ち運びたいのか、常に持って移動するのかということもあります。
最近のパソコンは性能も高くなり、おおむねどんなパソコンを買っても大失敗ということはないはずです。
それでも、常に持ち運びたい人は大きなパソコンでは無理でしょうし、文章を作成したい人は、作成用のソフトが必要になります。動画を存分に保存したい人はハードディスクの容量に十分余裕のあるパソコンを選んだほうがよさそうです。
このように、使う目的や場所・・・利用シーンといってもよいかもしれませんが、これをできるだけはっきりイメージすることで、たくさん並んでいるパソコンからだんだん望ましいパソコンが絞られてくるのです。
買った後の満足度を高めるため、そして後悔をなくすため、できるだけ事前に検討してから購入しましょう。
1.2 製品情報やカタログ
(1) カタログのこれはどういう意味?
パソコンに限らず家電製品の製品カタログには、多くの脚注や注意事項が記載されていることをお気づきになるでしょう。
これらの脚注や注意事項は、紙面の都合もあり、小さな活字で記載されることが少なくないのですが、製品の仕様やサポートの内容を理解いただく上で非常に重要な情報や注意事項ですので熟読しましょう。
分からないことがあれば、遠慮なくメーカのサポート窓口や販売店にたずねましょう。
本項では、パソコンの製品カタログに記載されている脚注や注意事項の中から、メーカの電話サポート窓口に比較的多く寄せられているものを取り上げ、分かりやすく解説しています。
(2) 「導入にあたっての費用は含まれておりません」とは?
パソコンは、機器の設置(梱包箱の開梱からキーボードなどの周辺機器接続)や、パソコンを起動してソフトウェアを利用できる状態にすること(初期セットアップ)などを、購入者自身で行うことを前提としています。
したがって、メーカや販売店のスタッフが、冷蔵庫や洗濯機などのように家庭まで配送・設置し、さらにその場で導入(インストール)や操作の説明などを行う費用は、製品価格の中には含まれていません。
(3) 市販されているソフトウェア製品と違うって?
一般に、家庭向けに企画・製造されたパソコンには、種々の便利なソフトウェアが、あらかじめインストールされ、すぐにそのソフトウェアを使うことができるようになっています。このようなソフトウェアを「プレインストールソフトウェア」といいます。
一方、プレインストールソフトウェアと同じ製品名のものが、ソフトウェアメーカから単品で販売されている場合があります。
プレインストールソフトウェアと、単品で販売されているものとでは、ソフトウェアの仕様の一部や、冊子のマニュアル(取扱説明書)の付属の有無などが、異なっている場合があります。パソコンの箱の中に、市販のソフトウェアパッケージがそのままの形態で入っているわけではありませんので、ご注意ください。
また、プレインストールソフトウェアの中には、問い合わせ先が、パソコンメーカではなく、ソフトウェアメーカである場合もあります。問い合わせ先は、パソコンのマニュアルなどに記載されていますので、ご確認ください。
なお、パソコンメーカが、パソコンと一緒に提供するソフトウェアには、プレインストールソフトウェア以外に、ソフトウェアがハードディスクや添付のDVD-ROMなどに格納されていて、ユーザ自身がインストール作業をすることで実行可能となるソフトウェアもあります。
これらのソフトウェアも、単品で販売されているソフトウェアと仕様やマニュアルなどが異なっていたり、問い合わせ先はソフトウェアメーカである場合があります。
(4) 「故障ではありません」ってどういう意味?
この注意事項は、現在の液晶ディスプレイの製造技術の限界を踏まえて記載されています。
200万個以上の画素から構成される液晶ディスプレイは、現在の最新の製造技術をもってしても、表示画面上に数個の常時点灯あるいは点灯しない画素が含まれる場合があります。液晶ディスプレイのこのような画素があっても許容範囲内(「LCD輝度基準」を満たしている)であれば、通常の故障とは考えないという立場をメーカ各社はとっています。
(5) LCD輝度基準とは?
液晶パネルの表示しうる全ドット数のうち表示可能なドットの割合の許容範囲を示すものを「LCD輝度基準」といいます。
「LCD輝度基準」は各社により異なります。
(6) 最大20倍速度の「最大」ってどういうことですか?
CD-ROM装置の「速度」は、音楽用CDにおいて1秒間に読み取られるデータ量が基準になっています。「倍速」、「4倍速」と表記する場合は、それぞれ1秒間に読み取られるデータ量が音楽用CDに比べて「2倍」、「4倍」であることを意味します。
DVDの1倍速は、DVD映画の再生に必要なデータ量が基準になっています。
12インチのCDやDVD、BDの場合、同じ速度で回転させていても内周と外周では円周の長さが違うので、記録密度が同じ場合、読み出せる(書き込める)データ量に約2.5倍の違いがあります(同じ速度で回転させている場合、外周なら内周の約2.5倍データを読み出せる、という意味です)。そのため、外周の場合が最も多くのデータを処理できるので、「最大○倍」と表記されています。
(7) 温度や湿度の条件で結露しないことって?
一般のパソコンは室内の通常の生活環境で使用いただくことを前提に設計されています。温度や湿度の条件を見ていただくことで、このことは理解いただけると思います。では、「結露しないこと」というのはどういう意味でしょうか。
眼鏡をおかけの方は経験があると思いますが、寒い屋外から暖房の効いた部屋に入った場合、眼鏡がまっ白に曇ってしまいます。この状態を「結露」というのですが、眼鏡だけでなくパソコンのような電気製品も、寒い屋外から暖房の効いた部屋に持ち込んだ場合、表面だけでなく内部にも結露が発生する場合があります。
結露が発生した状態で電源を入れると、誤作動の原因となるだけでなく、安全性の上からも非常に危険です。パソコンを温度差のある場所へ移動させた場合は、しばらく時間をとってから使用するように注意してください。ノート型のパソコンをお持ちの方は特に注意してください。
(8) Windowsの「正規版」とは?
Windowsの開発元であるマイクロソフト社から、適切なライセンス認証が行われたオペレーティングシステム(OS)であることを示します。
(9) 32ビットと64ビットの違いは?
Windows 7 Home Premium 64ビット正規版
現在のオペレーティングシステム(OS)には、32ビット版と64ビット版があります。
64ビット版のOSでは、32ビット版のOS に対して、メモリ上に格納できるデータ量が3Gbyteから16Tbyteに拡張されます。
机の上で勉強する状態を想像してみてください。
その姿は、本棚から本を取り出して机の上に広げて勉強していると思いますが、分からなくなると、本棚から参考書や辞書、地図などを取り出して机の上に広げると思います。この机に相当するのがメモリです(本棚がハードディスクですね)。その時、机が狭いとその度に不要な本を本棚にしまい、必要な本を机の上に広げる作業が発生し、勉強の効率が落ちるので、もっと広い机が欲しくなります。一度に大量のデータを処理し、広いメモリを制御できるのが64ビット版のOSなのです。
64ビット版のOSを使用する際の注意点として、接続する周辺機器のドライバが64ビット版のOSに対応している必要があります。また、32ビット版OS用のソフトウェアの中には、64ビット版OSでの動作保証を行っていないものもあります。対応状況については、周辺機器メーカやソフトウェアメーカへご確認ください。
パソコンメーカがサポートするOSは、パソコンの機種や型番毎に記載されています。
(10) サポートOSとは?
サポートOS: | Windows 7 Home Premium 64ビット正規版 日本語版です。 プレインストールされているOSのみサポートいたします。 |
オペレーティングシステム(OS)にはWindows 7だけでなく、Windows VistaやWindows XP、Linuxなどいろいろな種類のOSがあり、Windows 7においても、Windows 7 Home PremiumやWindows 7 Professionalなど“エディション”と呼ばれる機能の異なるOSが存在します。
また、同じOSは各国で販売されており、多種の言語版がありますが、日本国内で販売されているパソコンに搭載されているOSの多くが日本語版です。
パソコンメーカは、プレインストールされているOSに必要なデバイス・ドライバなどのソフトウェアを用意し、動作確認もしっかり行い、技術的なサポートを実施するために教育を行ったスタッフをサポート窓口に配置しています。したがって、サポートされていないOSについてのインストール支援や技術サポートを受けようとサポート窓口に問い合わせても、窓口では受け付けてくれません(サポートをしようにも、技術情報がないため不可能であるというのが実状です)。
パソコンメーカのサポートを受けるためには、カタログに記載されているサポートの範囲を確認しましょう。
(11) バッテリ駆動時間のJEITA測定法って?
バッテリを用いてノート型のパソコンを使用する場合、バッテリ駆動時間は非常に重要な要素です。
従来、バッテリ駆動時間に関しては、各メーカが独自の測定基準で測定し、その結果をカタログなどに記載していました。このように測定基準が異なると、違うメーカのノート型パソコンの比較が容易にできません。
そこで、JEITAがバッテリの動作時間の測定方法を定め、これを各メーカが採用し、カタログ等にバッテリ動作時間を記載することで、他社との比較ができるようになりました。「JEITAバッテリ動作時間測定法」は、画面の輝度、CPUの負荷、ハードディスクドライブ(HDD)の負荷など主要な測定基準を統一しています。
本測定法の詳細については、 JEITA Webサイト を参照してください。
なお、実際のバッテリ駆動時間は、パソコンを使用する環境や使い方によって異なるため、「おおよその目安」という程度で参考にしてください。
(12) 著作権って何?
最近のパソコンに標準装備されているBlu-ray Disc/DVD/CDドライブ装置を使うと、大容量のデジタル・データが手軽に複製できるようになりました。しかし、音楽、映像、アプリケーション、データベースなどは書籍と同様に著作権法により、その著作者および著作権者の権利が保護されています。
こうした著作物は、個人的または家庭内で使用することを目的にした場合にのみ複製できます。
複製をする場合は、バックアップや家庭内で楽しむなど、適切な使用を心がけましょう。気軽な気持ちで友人へのメールにファイルを添付したり、不特定多数の人が見るフォーラムにネット配信をしたりすると、著作権侵害や著作者人格権侵害として損害賠償請求や刑事罰を受けることになりますので、決して行わないでください。
(13) 有寿命部品とは?
使用時間の経過に伴って摩耗、劣化等が進行する部品を「有寿命部品」といいます。
パソコンには必ず「有寿命部品」が含まれますので、より長く安定して使うためには、一定の期間で交換が必要になります。
「有寿命部品」の交換時期の目安は、使用頻度や使用環境等により異なります。
交換時期の目安は各社により異なりますが、1日約8時間のご使用で約5年です。この期間はあくまでも目安であり、この期間内に故障しないことが約束されているものではありません。また、長時間連続使用等、ご使用状態によっては、この目安の期間よりも早期に部品交換が必要となる場合があります。
摩耗や劣化などにより「有寿命部品」を交換する場合は、保証期間内であっても有料となります。
また、「有寿命部品」の交換は、各社の定める「補修用性能部品」単位での修理による交換となります。
[主な有寿命部品]
CRT、LCD、ハードディスクドライブ(HDD)、フロッピーディスクドライブ、CD/DVDドライブ、Blu-rayディスクドライブ、スマートカードリーダ/ライタ、キーボード、マウス、ACアダプタ、電源ユニット、ファン など
(14) 消耗品とは?
使用するたびにその機能や性能が段階的に減っていくものを「消耗品」といいます。
保証期間の内外を問わず、ユーザ自身での新品購入ならびに交換となります。
[主な消耗品]
バッテリパック、乾電池等
(15) 補修用性能部品の保有期間とは?
「補修用性能部品」とは、製品の機能や性能を維持するのに必要な部品であり、機能や性能を一般の部品と同等であることを品質保証することで再利用している場合があります。
この「補修用性能部品」の在庫がなくなると、有料であっても修理が行えなくなります。
したがって、パソコンメーカは「補修用性能部品の保有期間」を明確にし、製品の修理可能な期間を定めています。
パソコンメーカで保持する「補修用性能部品」の最低保有期間のことを「補修用性能部品の保有期間」といいます。
「補修用性能部品の保有期間」の終了をもって、製品の修理対応は終了となります。