2.液晶ディスプレイ応用製品
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1999年は、ノートPC・液晶モニタの急速な需要増加と、携帯情報端末の継続的な需要拡大など、液晶応用市場は小型も大型も好調に推移したことにより、液晶メーカ各社の新規生産ラインの立上げや既存設備の増強による増産によっても、液晶ディスプレイデバイスの供給不足状態が続いた。2000年以降も引き続き好調な需要が見込まれ、メーカ各社の相次ぐ増産が予想される。
1999年の液晶モニタの全世界出荷実績(推定値)は、価格の低下と品揃えの充実により需要が急拡大したため、1999年当初の需要予測を大幅に上回る193%増の469万台となった。特に日本国内の需要は大きく全世界の47%を占め、国内出荷実績(推定値)は175%増の220万台となった。
1999年のノートPC用液晶ディスプレイの全世界出荷実績(推定値)は、1,921万台、ワープロ用液晶ディスプレイは80万台、携帯情報端末用液晶ディスプレイは660万台、データプロジェクタ用表示ユニットは、72万台となった。
液晶モニタは2000年以降も順調に拡大し、全世界需要は2000年が前年比36%増の640万台、2001年は同45%増の927万台、2002年には同37%増の1,274万台になる。 国内では、2000年に前年比25%増の274万台、2001年には同24%増の339万台と台数ベースの市場規模がCRTモニタを超える。
ノートPC用液晶ディスプレイは、2000年は前年比22%増の2,340万台、2002年には2,989万台と好調に推移する。ワープロは、2000年は前年比28%減の58万台(日本事務機械工業会予測)となり、当委員会ではワープロ用液晶ディスプレイは2001年には前年比29%減の41万台、2002年には同32%減の28万台となると予測した。携帯情報端末用液晶ディスプレイは、2000年は前年比29%増の850万台、2001年は同21%増の1,030万台、データプロジェクタ用表示ユニットは、2000年は前年比29%増の93万台、2001年は同40%増の130万台と高成長すると予測した。
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3.CRTディスプレイ
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1999年のCRTディスプレイモニタの全世界の出荷台数は前年比22%増と推定され、2000年以降も順調な伸びが期待される。
一方、液晶モニタの需要拡大により国内CRTモニタの需要は前年に比べ減少となり、2000年以降も低価格デスクトップPCの需要増による増加と液晶モニタ搭載PCの普及拡大による減少影響があると思われる。
1999年の国内CRTモニタ出荷実績(推定値)は、前年比12%減の300万台となった。これは液晶モニタの省スペース型PCへの搭載、およびアフターマーケットにおける需要拡大により、1999年の国内液晶モニタ需要が前年に比べ飛躍的に拡大し、220万台に達したことが要因と考えられる。
今後もCRTモニタは液晶モニタ拡大の影響を受け、全般的に減少傾向であり、15型、17型CRTモニタの低価格PCへの搭載による健闘が見られるものの、今後も減少傾向が続き、2000年は前年比1%減の297万台、2001年は前年比 7%減の277万台、2002年には前年比3%減の271万台になるものと予測した。
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4.プリンタ
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プリンタの世界市場は、1999年も順調に販売台数を伸ばしており、パソコンの普及に伴いプリンタ市場は今後も継続して拡大していく。しかしながら、1999年だけを地域別に見た場合には、日本が全体的に大きく成長し、好況下にある北米や西欧、経済危機を脱して久しいアジア地域でも成長したが日本ほどではなく、特に北米や西欧の成長率は、前年に比べ3分の一以下に下がった。また、インクジェットプリンタに関しては日本だけでなく南米、東欧も大きく成長した。方式別に見ると、成長を続けるインクジェットプリンタ、MFPに対し、ページプリンタはトータルでは横這いのままであり、今後下降傾向になるモノクロと成長めざましいカラーが相補的な関係にあると見られる。
一方、販売金額は、販売台数の成長に比べ小さいものとなった。理由は、価格下落や低価格帯化などによる平均販売価格の低下が進んだことがあげられる。ただし、より機能を備えた高付加価値商品も新たに市場投入され続けている。性能に進歩する余地がある製品カテゴリーにおいては特にその傾向が見られるが、訴求力のある性能向上が難しい製品カテゴリーにおいては他社製品との差異化が難しく、価格での差異化に走る傾向が見受けられた。
1999年のプリンタ世界市場(推定値)は、1998年の6,300万台から7,300万台となり、対前年比16%の伸びとなった。金額ベースでは5%の伸びを示して3兆8千億円となった。
方式別には、インクジェットプリンタが対前年比22%増の5,100万台、ページプリンタは見直しの結果、台数で3%の増の1,150万台に留まった。このうち、カラーページプリンタは対前年比54%の大幅な増加で55万台となった。カラーページプリンタはここ数年、その本格的普及が期待されてきたが、伸び悩みの状態が続いてきた。1998年に各社から新製品が相次いで投入され、更に1999年には安価な新製品も投入され、この効果で台数が伸びてきた。今年からフラットベッドタイプを加えたMFPは、同条件での対前年比19%増の600万台の大台に乗った。ドットマトリックスプリンタは、台数で対前年比12%の減少となり、市場は縮小しつづけているが、以前考えられていたよりは緩やかな縮小傾向となっている。
プリンタ世界市場はパソコンの普及に伴って伸長して行き2003年には販売台数で約1億1千万台となる。台数ベースの伸長率は徐々に低下し、当面二桁台は保つものの2003年では一桁台となる。
一方、ホーム市場におけるプリンタは新しい形態として、単にパソコンに接続される現在のものとは別に、プリンタ単体で機能したり、ゲーム機やテレビに接続してユーザーニーズを充足できるようなものが現れると予想される。最近ではデジタルカメラの出力専用機能を搭載したプリンタが数量を伸ばしており、ホーム市場向けのフォトプリンタが顕在化しつつある。さらには、情報家電機器に対応するプリンタの提案も見られはじめており、特にインクジェットプリンタの領域では今後の動向を注目する必要がある。 ドットマトリックスは、インクジェットやページプリンタへの代替が進み今後も数量を減少させるが、ドットマトリクスでしか対応できない用途もまだ残っており、減少率はかつて考えられたよりは緩やかである。インクジェットプリンタは今後も順調に販売台数を伸ばし、2003年には8、400万台を超える。しかし、金額ベースの伸びは平均価格の低下によって、頭打ちとなり2001年以降はほぼ横ばいとなる。ページプリンタでは、カラーページプリンタが順調に伸びており、ようやく市民権を得た感がある。今後も価格低下と高速化が進み大きく伸長すると考えられ、2003年にはページプリンタ全体の20%を越す。 モノクロページプリンタは、21ppm以上の伸びが顕著であり、高速化がますます進むと思われる。今年より定義を変えたMFPは今後順調に伸び、2003年にはインクジェット式で600万台に迫り、電子写真式では500万台に迫る。
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