8.イメージスキャナ
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1998年および1999年は、カラーインクジェットプリンタの急速な普及に呼応するようにカラースキャナが大きく伸びている。特に、Windows98から標準として採用されたUSBインターフェースに対応するカラーイメージスキャナが製品化され、コンシューマ市場が急速に拡大している。
また、一昨年より、カラースキャナの低価格化が急速に進み、コンシューマ市場を押し上げる結果となっている。個々のスキャナ市場については、コンシューマ向けのカラーフラットベッドスキャナは高解像度指向が強く、1999年より600dpiに急速に移行しており、2002年頃には更に1200dpiが主流になると予測している。業務用スキャナについては、イメージファイリング・OCR用イメージスキャナ需要により、また、パソコンの高速化、イメージ転送の高速化、大容量記憶媒体の普及に伴い、堅調な伸びが期待される。フィルムスキャナはディジタルスチルカメラのメガピクセル化の急速な波に押され、今後はあまり市場の伸びは期待できないと思われる。
1999年の国内のイメージスキャナ出荷台数は、昨年の163万台から237万台(輸出を含む)と46%増の高い伸びを示した。Windows98がUSBインターフェースを本格的にサポートし、USB対応スキャナが市場投入されたことから、Plug&Playの使い易さが受け、また、イメージスキャナの高画質化(高解像度化、高階調度化等)により、コンシューマ市場が大きく伸びている。
フラットベッドスキャナは143万台から226万台(59%増)に、シートフェッドスキャナは5万6千台から1万7千台(70%減)に、フィルムスキャナは14万台から9万3千台(35%減)に、シートフェッドスキャナは昨年と同様低速タイプが大きく後退し、業務用の高速タイプは微増であった。
タイプ別の構成比では、フラットベッドスキャナ95%(昨年88%)、シートフェッドスキャナ0.7%(同3%)、フィルムスキャナ4%(同9%)であった。
金額ベースで見ると、540億円から724億円と34%増の伸びを示し、、タイプ別では、フラットベッドスキャナは394億円から599億円(52%増)に、シートフェッドスキャナは73億円から54億円(26%減)に、フィルムスキャナは73億円から71億円(3%減)となった。
フラットベッドスキャナは600dpiタイプが160%増と昨年同様の高い伸びを示し、さらに1200dpiタイプが900%以上の伸びとなった。今後高解像度化に一層拍車がかかるものと思われる。シートフェッドスキャナの台数が落ち込んだ理由としては、昨年と同様、20ppm以下が大きく後退したことが挙げられる。 スキャナ市場はコンシューマ向けカラーフラットベッドスキャナが圧倒的に多く、高解像度化の世代交代を繰り返しながら低価格パソコンの普及に支えられ、また、スキャナはパソコンの普及を後追いする形で普及するものと考えており、2002年までは高い伸びを予想している。
台数ベースでは2000年には327万台(37%増)、2001年には423万台(30%増)、2002年には503万台(19%増)になると予測する。金額ベースでは、2000年には926億円(28%増)、2001年には1052億円(14%増)、2002年には1182億円(12%増)になると予測する。
タイプ別では、カラーフラットベッドスキャナは、2001年には600dpiタイプがピークとなり2002年以降減少に転じる。2002年頃に、1200dpiタイプに解像度による世代交代が起こるものと予想している。シートフェッドスキャナはイメージファイリング・OCR用イメージスキャナの需要の増加が考えられ、技術的には業務用高速イメージスキャナの高速化、カラー化が進み、台数および金額ともに堅調な伸びが予想される。
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9.OCR
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OCR製品は年々着実に進歩してきており読み取り可能な帳票の枠も拡がってきている。また、文字認識部のソフトウェア化が進んだことで市場ニーズにも速く・柔軟に対応出来るようになってきた。市場はここ2年程不況の影響を受け全体的に落ち込んでいたが、1999年は台数(本数)では減少したものの金額では大幅に増加し、上向傾向を示している。今後は、不況の影響を多少引きずるものの金融再編等での新規ニーズや保険市場におけるリプレース等がしばらく見込まれ、更にOCR製品の部品化の流れからペーパーレスを目指したイメージ関連製品での利用や医療関係、介護サービス業者の利用など新規市場での立ち上がりも予想される。
2000年以降も継続的な成長過程が維持される予定であり、台数(本数)で年率10〜15%、金額で年率12%前後の伸びとなり、2002年には220億円近い市場になることが見込まれる。
1999年(1999年1月から12月)のOCR市場は台数(本数)で約14万台、金額で約156億円となっており、前年比でそれぞれ16%減、17%増という結果になった。台数(本数)で減ったのは、大半を占めるソフトウェアタイプの本数が単体での利用が伸びず大幅に減ったこと。また、金額で増えたのは、単価の高いデバイスタイプの台数が予想を大幅に越えたことが要因である。ここで注目すべき点は、台数(本数)において、安価なソフトウェアタイプが大幅に減っているにもかかわらず、単価の高いデバイスタイプの台数が大幅に増えている点である。前年までは、景気の落ち込みによる影響やパソコン性能の急速な進歩に伴うソフトウェアタイプの性能向上が進み、パーソナル市場に加えて、小規模ビジネスユースにおいて、デバイスタイプ市場の一部がソフトウェアタイプへシフトしていくなど、ソフトウェアタイプの本数増加が予想されていた。
社会不況の影響が当分の間は続いていくと考えられるが、金融再編等での新規ニーズや保険市場におけるリプレース等が今後も見込まれ、更にOCR製品の部品化を目指した流れからペーパーレスを目指したイメージ関連製品、医療関係や新規参入の多い介護サービス業者(介護日誌等の入力)の利用など新規市場での立ち上がりも予想される。従って、2000年以降も継続的な成長過程が維持される事が期待でき、台数(本数)ベースで年率10〜15%、金額で年率12%前後の伸びとなり、 2002年には220億円近い市場になると予測する。
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