当委員会が策定したガイドラインの紹介

JEITA ITR-3003「情報処理機器用表示装置の静電気(ELECTROSTATIC FIELD)に関するガイドライン(第4版)」

「GUIDELINES OF ELECTROSTATIC FIELD EMITTED FROM VISUAL DISPLAY TERMINALS FOR INFORMATION TECHNOLOGY EQUIPMENT (4th Edition)」

発行:平成16年2月
社団法人 電子情報技術産業協会
社団法人 ビジネス機械・情報システム産業協会

1.はじめに

情報処理機器及び電子事務用機器等に使用される表示装置、特にCRTディスプレイ管前面(表示面)に帯電する静電気(静電界)の影響が議論されるようになってきた。これについては、外国において、臨床例が報告されていると言われているが、いずれも推定の域を出ておらず、その因果関係が証明されている訳ではない。人体への影響の検証には、長時間が必要であり、検証されてから対策にとりかかるのでは、手遅れとなる恐れもある。

静電界も含む幅広い電磁環境問題の中で、人体への影響が懸念される問題に関しては、技術レベル、コストなどを勘案しつつ、可能な範囲で対策を実施して行くことが、情報化社会の発展の一翼を担う、我々メーカの努めである。

表示面の静電気に関する勧告はスウェーデンで実施されているが、国際規格化についてはまだ緒についていない。また、表示面の静電気による人体への影響については、科学的根拠が明らかになっていない。

その状況を踏まえ、本ガイドラインを業界統一指針と位置づけるとともに、今後必要(国際規格の制定、科学的根拠の解明等)に応じて見直しを行うこととする。

2.目的

表示装置として、高電圧を利用する場合は、この高電圧の影響により、その表示面に静電気が発生する。この静電気による表示面電位の基準値及び測定方法を定める。

3.目標値

静電気  表示面の静電気帯電は±500V以下であること。

4.適用範囲

情報処理機器及び電子事務用機器等(Information Technology Equipment:以下「ITE」という)に使用される表示装置で、静電気を表示面に誘起する様な表示装置に適用する。但し、表示部に500V以下の電圧を利用する表示装置は本ガイドラインを満足しているものとみなす。

詳しくは 日本語のガイドラインは、こちらのPDFファイルを参照
英語版のガイドラインは、こちらのPDFファイルを参照

JEITA ITR-3004 「情報処理機器用表示装置の低周波電磁界に関するガイドライン(第3版)」

「GUIDELINES OF LOW FREQUENCY ELECTRIC AND MAGNETIC FIELDS EMITTED FROM VISUAL DISPLAY TERMINALS FOR INFORMATION TECHNOLOGY EQUIPMENT (3rd Edition)」

発行:平成16年2月
社団法人 電子情報技術産業協会
社団法人 ビジネス機械・情報システム産業協会

1.はじめに

情報処理機器に使用される表示装置が発する電磁界については、これまで電源不要輻射、RF不要輻射などの規制があり、これらについては、各国ごとに規格が定められている。  同時に、輻射規制の他に、各国において、また、国際的な動きとして、電磁波ばくろ基準の新規作成や既発行基準の見直し作業が行われている。

近年、これらの規格に規定する周波数範囲より低い周波数の電磁界の抑制においても、スウェーデンをはじめ欧米各国で議論がされて、ガイドライン等の作成が行われている。

このような状況に鑑み、(社)電子情報技術産業協会では、(社)ビジネス機械・情報システム産業協会と協力して、情報処理機器用表示装置の低周波抑制問題に対して、欧米の動向等も調査し、それらとの調和性も考えつつ、技術面・コスト面を勘案し、可能なレベルで対応していくことが業界の責務と考え、本ガイドラインを作成した。

なお、本ガイドラインの目標値は、医学的、科学的調査・研究等に基づく世界保健機関(WHO)等の基準があるが、技術的に実現可能なレベルとして、前記基準よりも一層低い値を設定したものである。 本ガイドラインは、平成3年10月に制定した「表示装置の静電気(ELECTROSTATIC FIELD)に関するガイドライン」と同様に、業界統一指針と位置づけるとともに、今後必要(国際規格の制定、科学的根拠の解明等)に応じて見直しを行うこととする。

2.目的

情報処理機器用表示装置には、比較的高電圧の回路や各種コイル類を含む回路が使用されている。高電圧の回路からは電界が、またコイル類からは磁界が発生する。本ガイドラインでは、この電磁界抑制の目標値および測定方法を定める。

3.適用範囲

情報処理機器(ITE)に使用される表示装置で、低周波電磁界を発生させるような表示装置に適用する。 本ガイドラインの対象は、表示装置全般とする。(例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイおよびその他の表示装置) 対象品は、表記2団体に加盟する会員各社がITEに使用する表示装置として出荷(輸入品を含む)するものとする。

ここでいう情報処理機器とは、次の1以上の目的のために設計された装置をいう。
(1)データ入力線を通し、またはキーボードなどを介してデータ(周期的2進化パルス)を入力するもの。
(2)入力データについて演算、データ変換、記憶、転送等の処理を行うもの。
(3)処理データをデータ出力線を介して出力するもの、または表示装置に出力するもの。

なお、28型を超える大型表示装置については、使用状態、視距離等を考慮し、本ガイドラインを適用することを当面除外する。

4.目標値

1)交流電界
  表示装置から放射される交流電界の限度値をつぎの表に示す。

交流電界の限度値(目標値)

  バンドI
(5Hz~2kHz)
バンドII
(2kHz~400kHz)
クラスI機器 50V/m 10V/m
クラスII機器 250V/m 10V/m

2)交流磁界
  表示装置から放射される交流磁界の限度値をつぎの表に示す。

交流磁界の限度値(目標値)

  バンドI
(5Hz~2kHz)
バンドII
(2kHz~400kHz)
クラスI機器および
クラスII機器
250nT(ナノテスラ) 25nT(ナノテスラ)

〔注〕クラスⅠ機器,クラスⅡ機器は安全に関する保護クラスによる機器分類である。 詳細は、IEC 950 または JEIDA-37 「情報処理機器の安全規格」による。

詳しくは 日本語のガイドラインは、こちらのPDFファイルを参照
英語版のガイドラインは、こちらのPDFファイルを参照

質問などは下記へ連絡お願い致します。

JEITA
一般社団法人 電子情報技術産業協会
総合企画部安全担当
EMF専門委員会事務局宛
電話:03-5275-7256