1)開発の背景とねらい
人だれもが安心で快適に生活でき、多様な価値観が受け入れられる社会に向けて、人と機械がコミュニケーションすることで機械が人を理解し、人に応じて優しく対応してくれる「人に優しい機械」の実現が必要と考えてきました。人と機械が自然にコミュニケーションする、それを解りやすく表現したのがこのネコ型コミュニケーションロボット「ネコロ」なのです。
2)技術的なポイントや特徴
「センシング & コントロール」技術と人工知能の技術を搭載した、人工毛皮をきたネコ型ロボットです。人と猫のように自然に触れ合うことでコミュニケーションが始まります。体内の触覚・聴覚・視覚・姿勢センサで人のはたらきかけを認識し、内部の感情モデルによって感情・欲求を生成し、体に備わった15の駆動部を使って、自分の感情を動作で表現します。
外形
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外形寸法
- 260mm×160mm×320mm (尻尾を除く)
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重量
- 1.6Kg (バッテリー内蔵時)
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毛皮
- :材質 アクリル 色(グレー、ブラウンの2色)
センシング&認識
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頭や顎・背中に触覚センサーを内蔵し、撫でられた・叩かれたなどを認識。
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マイクを顔に内蔵し、音の検出・音源の方向を認識。
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名前を何度も呼ばれると自然に覚え、呼ばれたことを認識。
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自分の視覚範囲の中で、移動物体の方向を認識。
- 体内の加速度センサーで、抱かれた・逆さにされたなど、自分の姿勢を認識。
感情生成機構
感情の生成には、独自のMaC(Mind and Consciousness/心と意識)モデルが採用されており、心理学理論に基づいた構造によって認知結果に基づいた感情を生成し、その感情によって意思決定や行動生成を行うことができます。(関連特許取得済み)
- 認識結果に基づき、満足・怒り・不安などの感情を生成。
- 生理的なリズムによって、眠りたいや甘えたいなど欲求を生成。
- 学習機能により、飼い方しだいで自分勝手、甘えたがりなど性格が変化。
- 成長機能により、飼い方しだいで表現パターンが増加
駆動部
4本脚(各脚2自由度)、尻尾2自由度、首2自由度、瞼・耳・口、それぞれ1自由度の合計15自由度。主なものだけで数十の動作パターンと音声スピーカーを備え、猫の感情的な擬似鳴き声48種類を発声。
電源
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充電式のニッケル水素バッテリーを使用。
- バッテリーでの動作時間は1時間30分。
(外部バッテリーチャージャーにて2時間でフル充電)
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