プリンテッドエレクトロニクス標準化専門委員会
プリンテッドエレクトロニクス技術とは
プリンテッドエレクトロニクス技術は、ソリッド・フレキシブル基板に対して導電性/半導体/絶縁性インクなどと各種印刷技術を駆使して電子デバイスを製造する技術で、さらなる軽量、大面積、フレキシブル化の要求に応える技術です。また低コスト化、省エネ化、生産性向上、廃棄物削減などの環境調和性の点でも期待されています。製品分野は、RF-IDなどの配線基板、フレキシブルな太陽電池、照明、デジタルサイネージ、電子ペーパー、有機ELディスプレイ、ウェアラブルデバイス、センサなど多岐にわたっており、IoT社会を実現する基盤技術となることが期待されています。
- ①フィルム状導電素材
提供:東洋紡㈱ - ②照明
提供:コニカミノルタ - ③フレキシブルラジオ
- ④透明タッチパネルフィルム
- ⑤フレキシブル風圧分析センサ
③~⑤ 提供:国立研究開発法人産業技術総合研究所
JEITAにおける標準化活動
プリンテッドエレクトロニクスは、次世代印刷技術として期待されており、我が国の産業優位性を確保し、国際競争力のある産業育成を図っていくためにも産業界として積極的な関与が必要不可欠となっています。そのため、JEITAでは2012年3月「プリンテッドエレクトロニクス標準化専門委員会」を設置し、TC119国内審議委員会におけるIEC 国際規格開発のための調査、および原案作成等の推進を強力にサポートするとともに、国内審議委員会では対応できない事業、例えば具体的な標準化案の作成、普及、実用化に関わる調査研究・政策提言等、産業界として対応すべき課題に、関連企業が一丸となって取り組んでいます。
(1)プリンテッドエレクトロニクスに関する国際標準化の推進
(2)プリンテッドエレクトロニクスに関する国内規格の制定・発行の推進
(3)規格開発に伴う実証試験
(4)関連標準化機関・団体との連携・交流
(5)その他(勉強会、及び講演会等啓発事業)
プリンテッドエレクトロニクス セミナーの様子
OE-A / JEITA / JAPERA Joint Meetingの様子
(2017.2)
IEC TC119(Printed Electronics)への対応
◆TC119では、2011年の設立以来、毎年総会が開催され、日本をはじめ各国から具体的な標準化提案が行われています。国際規格作成のために、作業グループとしてWG 1(Terminology),WG 2(Materials),WG 3(Equipment),WG 4(Printability),WG 5 (Quality assessment) が設置されています。特に、WG 2は日本が得意とする材料関係を取り扱う組織であり、日本がコンビナのポジションを確保しました。
◆WG2(Materials)では、日本主導で確立したプリンテッドエレクトロニクス材料の国際標準化体系に基づき、ウエアラブルデバイスなどの用途も先取りしながら、具体的な標準づくりを各国と協調して行い、プリンテッドエレクトロニクス産業の発展加速に寄与しています。
◆WG3(Equipment)では,Printed electronicsを作成する装置に関する標準化の議論を行っております。この分野の日本の国際競争力を維持するような標準づくりを行って参ります。
◆WG4(Printability)では、日本が主導して印刷適性に関する標準化グランドデザインを作成し、これに従って印刷パターンの形状計測方法と評価項目毎の基本パターンの国際標準化を進めています。
◆WG5(Quality assessment)では、Printed electronicsデバイス(中間製品)の信頼性評価に関する標準化を推進しています。日本提案の推進と新規提案投入を軸に各国提案への議論、対応を進めています。
TC119 釜山会議の参加者(2018.10)
◆IEC TC119 発行規格
https://www.iec.ch/dyn/www/f?p=103:22:2334040738690::::FSP_ORG_ID,FSP_LANG_ID:8679,25
◆IEC TC119 審議中のプロジェクト
https://www.iec.ch/dyn/www/f?p=103:23:4066707190528::::FSP_ORG_ID,FSP_LANG_ID:8679,25
◆IEC TC119 Strategic Business Plan
https://www.iec.ch/public/miscfiles/sbp/119.pdf
※発行規格及び審議中のIEC文書は著作権保護の対象になりますので閲覧できません。発行規格をご入用の場合は、日本規格協会にてお申込み頂けます。