ナノエレクトロニクス標準化専門委員会

ナノテクノロジーと国際標準化

ナノテクノロジーは、領域横断的な技術分野で、広範な産業に変革をもたらす可能性を秘めた基盤的な技術分野でです。グラフェンやカーボンナノチューブのような典型的な素材や材料だけでなく、それらが鍵を握るエレクトロニクス製品群、さらに環境・エネルギーに到る多くの領域への応用が期待されています。
最近では、リチウムイオン電池や有機太陽電池といったエネルギーデバイス、さらには有機半導体などのプリンテッドエレクトロニクスへつながる技術フェーズも先端的な研究開発から製品レベルのものまで、多様な技術が混在しています。この広範な技術領域に対する国際標準化事業は、IEC TC113(電気・電子分野の製品およびシステムのナノテクノロジー)において実施しています。

JEITAにおける標準化活動

◆JEITAナノエレクトロニクス標準化専門委員会は、 TC113国内委員会におけるIEC 国際規格開発のための調査および原案作成等の活動を強力にサポートするとともに、規格提案や日本として国際的な規格処理を行っております。
また、普及・実用化に関わる調査研究・政策提言等、産業界として対応すべき課題に、関連企業が一丸となって取り組んでいます。

〔ナノエレクトロニクス標準化専門委員会の主な活動テーマ〕
 (1)ナノエレクトロニクスに関する国際標準化の推進
 (2)ナノエレクトロニクスに関する国内規格の制定・発行の推進
 (3)規格開発に伴う実証試験
 (4)関連標準化機関・団体との連携・交流
 (5)その他(勉強会、及び講演会等啓発事業)


ナノエレクトロニクス技術セミナーの様子

IEC TC113(Nanotechnology for Electronical Products and Systems)への対応

◆TC113のスコープ:
  -ナノテクノロジー分野の電気製品およびシステムに関連する技術の標準化
    (IECやISOの他の委員会と密接に協力)
  -電気または電子分野の応用製品のためのナノスケールの材料およびプロセスから作成されたコンポーネント、または中間アセンブリ品が対象
  -これらの応用製品(エレクトロニクス製品)は光、磁気、電磁気、音響、通信、燃料電池、光・電気エネルギー貯蔵製品を含む
  -規格とすべきトピックは、用語、測定、特性評価、パフォーマンス、信頼性、安全性および環境問題が対象

(IEC TC113 Strategic Business Planから要約)

◆TC113の構成
  WG3:ナノ材料・デバイス等の性能
  WG7:ナノ材料・デバイス等の信頼性
  WG8:グラフェンとカーボンナノチューブ関連材料・デバイス等
  WG9:ナノテクを利用した太陽電池、薄膜有機/ナノエレクトロニクス、ナノスケール接合/配線
  WG10:発光性ナノ材料
  WG11:ナノテクを利用したエネルギー貯蔵
  WG14:ナノ材料・デバイス等の電磁両立性
  JWG1:用語および命名法
  JWG2:計測と特性評価

   ※ WG3、WG7は、性能や信頼性などの特徴を規定しています。
   ※ WG8、WG9、WG10、WG11はそれぞれ具体的な対象物が規定されています。
   ※ JWG1,JWG2は、ISO TC229(ナノテクノロジー)とのジョイントワーキンググループです。

◆日本はWG3、WG7、WG8、WG11、JWG2の国際コンビナーを務めており、積極的な取り組みを継続しています。

◆IEC TC113 発行規格
https://www.iec.ch/dyn/www/f?p=103:22:6785211932509::::FSP_ORG_ID,FSP_LANG_ID:1315,25
◆IEC TC113 審議中のプロジェクト
https://www.iec.ch/dyn/www/f?p=103:23:684808283206::::FSP_ORG_ID,FSP_LANG_ID:1315,25
◆IEC TC113 Strategic Business Plan
https://www.iec.ch/public/miscfiles/sbp/113.pdf

※発行規格及び審議中のIEC文書は著作権保護の対象になりますので閲覧できません。発行規格をご入用の場合は、日本規格協会にてお申込み頂けます。

ページの先頭へ戻る