技術戦略部会


米国OMB (the Office of Management and Budget)
“Guidance for Regulation of Artificial Intelligence Applications”
メモランダムドラフトへの意見

 JEITA技術戦略部会では、この度、米国OMB (the Office of Management and Budget)
“Guidance for Regulation of Artificial Intelligence Applications”ドラフトメモランダムに対して、下記の意見を提出致しました。

提出意見
 JEITA技術戦略部会は、AIの利活用に関し、2018年5月に、“SDGs・Society5.0実現のための人工知能の社会実装に向けて”を提言しています。今回のOMBのドラフトメモランダムの内容は、上記でJEITAが提言した、「AIは社会のためにあり、積極的に利活用すべきである」、「AIに関する適切な理解を一般に広めることが重要である」、という主張と共通性が高いと感じております。
従いまして、JEITAは、OMBのドラフトメモランダムの内容に賛同し、下記の点を大いに評価します。

1)本メモランダムは、米国が、イノベーションを阻害しかねない、AI利用への過度の規制の導入に消極的な立場を取ることを明示したものであり、単純に規制導入に反対するのではなく、AIアプリケーションを開発・運用・利用する上での原則を同時に示しています。さらにその原則が、safety, fairness, non-discriminationといった具体的な側面に留意しつつ、経済的・ビジネス的な側面「も」同時にしっかりと考慮したものであることをJEITAは大いに評価します。

2)現在のAIは、いまだ深層学習技術の黎明期であり、近い将来の技術発展やその社会実装の動向を予測することは非常に困難です。したがって、現時点で、AIが今後、他の技術や社会全体に与える影響を十分に検討することは難しい状況です。AI利用の規制に関する議論にあたっては、規制当局や技術の利用者など、特定の立場からのみで検討されることなく、AI研究者等の専門家やAIの技術を開発・提供する企業など、さまざまな立場の利害関係者が参加し、透明性が確保されることも重要です。JEITAは、OMBがAI利用の規制導入に関して、このようなマルチステークホルダーによる検討を推奨していることを評価します。

 なお、さまざまな立場の利害関係者が参加する検討を進めることにおいては、1及び2で述べているパブリックとの関わり合い(国民参加)を促進すべく、国民ひとり一人のAIリテラシーの向上のため政策の展開を提案します。
加えて、AIの社会実装に際しては社会受容性を高めることが重要であり、5. Benefits and Costsを検討する際には原則6, 7, 8, 9を十分に考慮にいれて進めるべきと考えます。

「AIに関するOECD原則」のような国際的な政策ガイドラインとも整合の取れた政策展開となることを期待します。

JEITA 意見/英文<提出版>

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